新OutlookでMarkdown風の自動変換を無効化する最適解とは?Word連動のオートコレクト設定で解決

心地良い操作感が期待される新Outlookですが、技術的な文章を書く場面ではアンダースコアやアスタリスクが自動で書式変更されてしまう問題が報告されています。特にプログラマーやデータベース管理者など、アンダースコアを頻用するユーザーからは強い不満の声が上がっています。本記事では、リッチテキスト機能を維持しつつ自動変換を回避する具体的な方法と、今後の改善に向けた対策について詳しく解説していきます。

新OutlookのMarkdown風自動変換とは

新しいOutlookには、テキスト入力の際にMarkdown風の書式変換を自動で適用する機能があります。具体的には、単語を*(アスタリスク)で囲むと太字(ボールド)になり、_(アンダースコア)で囲むと斜体(イタリック)になる仕組みです。一見、テキストを手早く装飾できる便利な機能のように見えますが、技術的な文章では、アンダースコアを列名や変数名に含むケースが頻繁にあるため、勝手に書式が変わることが作業効率の低下につながる場合が少なくありません。

自動変換が引き起こす典型的なトラブル

  • 意図しない書式変更
    複数のアンダースコアを使った文字列が、それぞれ斜体の領域として認識されてしまい、後から修正が必要になるケースがあります。
  • 行が分断される
    文字列が斜体表示になった結果、改行や句読点を追加すると見た目が崩れ、メール本文の可読性が下がってしまうことがあります。
  • UndoやBackspaceの多用
    変換が起きるたびにCtrl+ZBackspaceで元に戻すという煩雑な作業が増えるため、効率が大きく低下します。

旧Outlookとの違い

旧Outlook(従来のデスクトップ版Outlook)では、オプション設定の「オートコレクト」からMarkdown風の変換を無効化できる項目が用意されていました。ところが、新しいOutlookやOutlook on the webでは同等の明確な設定が用意されていないのが現状です。このため、設定画面をいくら探しても「アンダースコアやアスタリスクの書式変換をオフにする」といった直接的な項目が見当たらず、多くのユーザーが頭を抱えています。

主な回避策とそのメリット・デメリット

この自動変換の問題に対処するため、いくつか回避策が提示されています。以下では、代表的な4つの方法と、それぞれのメリット・デメリットを整理してみます。

1. プレーンテキストへの切り替え

新しいメール作成ウィンドウで、[メッセージ]タブ > [プレーンテキストに切り替え]を選択することで、リッチテキストではなくプレーンテキストモードに変更できます。

メリットデメリット
Markdown風の変換がまったく働かなくなる太字や箇条書きなど、リッチテキスト機能がすべて使用不可

技術的なやり取りが中心で、装飾が不要な場合は手軽ですが、ビジネスメールなどで装飾が必要な場面では不便を感じるでしょう。

どんなシチュエーションに向いているか

  • プログラムのソースコードやSQL文をやり取りすることが主目的
  • デザインやレイアウトが不要で、とにかく文字情報だけ正確に送信したい場面
  • 外部システムにテキストをコピペすることが多く、余計な書式がついていると困る場合

2. Wordのオートコレクト設定を変更

最も有効だと言われている回避策が、WordのオプションからMarkdown風変換に関連するオートコレクト設定を切り替える方法です。新Outlookは、デスクトップ版のWordと一部設定が連動しているため、Wordでの変更がOutlookの動作にも影響を与える可能性が高いとされています。

操作手順ポイント
1. Wordを起動する 2. [ファイル] > [オプション] > [文章校正] を選択 3. [オートコレクトのオプション] ボタンをクリック 4. [入力オートフォーマット] タブを開く 5. *太字* と _斜体_ を実際の書式に変更する にチェックを入れオンにして[OK] 6. 一度Wordを閉じて再度同じ画面を開き、チェックを外してオフにし[OK]– 一度オンにした後オフにするプロセスがカギ
– これでOutlook側がリセットされるように動作することがある
– 全ユーザーに確実に効くわけではないが、多くの改善報告がある

この方法は、プレーンテキストへの切り替えとは異なりリッチテキスト機能を保持したままアンダースコアやアスタリスクを打っても自動的に書式変更されにくくなる点が大きなメリットです。もしオートコレクト設定がすでにオフになっている場合でも、一度オンにして保存した後、再度オフにすることで問題が解決するケースがあります。これはWordの設定情報がOutlookにも反映されるタイミングを調整するための「再初期化」的なアプローチと考えられます。

設定変更の仕組みをもう少し詳しく

WordとOutlookは同じOfficeスイートの製品であり、校正機能やオートコレクトの一部が共通化されています。そのため、Word側で「*太字*_斜体_を自動書式に変換する」という設定が切り替わると、Outlookのリッチテキストエンジンにも連動して設定が反映されることがあります。
実際には、Word単体で作業しているだけでは気づきにくい設定項目ですが、Outlookのリッチテキストエディターが「Wordの描画エンジン」を利用しているため、こういった挙動のリンクが生じるのです。

3. 都度Undo(Ctrl+Z)やBackspaceで取り消す

ごく単純な方法ですが、意図せずアスタリスクやアンダースコアが変換された直後にCtrl+ZBackspaceを押すことで、変換前の状態に戻すことができます。

  • メリット
    特別な設定が不要で、誰でもすぐに実施可能
  • デメリット
    変換が起きるたびに操作する手間があり、根本解決には至らない

メール本文の入力途中で数回ほどアンダースコアを使う程度であれば、こまめに取り消し操作を行う方法もやむを得ない選択肢かもしれません。しかし、頻繁にアンダースコアを使用する開発者やデータベース管理者には煩雑な手法となるためおすすめしにくいです。

4. フィードバックの送信

現時点で新OutlookやOutlook on the webの設定画面には、Markdown風の自動変換を無効にするための直接的なオプションがありません。そのため、Microsoft公式のコミュニティサイトやFeedback Portalで要望を出すことも一つの手段です。多くのユーザーの賛同が集まれば、将来的にアップデートで改善される可能性が高まります。

投稿先特徴
Microsoft Feedback PortalMicrosoft製品全般へのフィードバックを集めており、開発チームが定期的に参照
Office InsiderコミュニティOfficeのベータ版やプレビュー版機能への要望を投稿・共有しやすい

Officeの新機能はユーザーの要望に基づき改善・追加が進められることが多いので、「オートコレクトでMarkdownを無効にするオプションを追加してほしい」といった具体的なリクエストを投げてみるとよいでしょう。

問題が解決しない場合のチェックポイント

もし上記の回避策を試しても問題が解決しない場合、以下のポイントを確認してみてください。

WordのバージョンとOutlookのバージョンの整合性

WordとOutlookがそれぞれ別のバージョン(例:Wordが古いOffice 2019で、OutlookがMicrosoft 365の最新バージョンなど)を使用していると、設定の連動が期待どおりにいかないことがあります。可能な限り、同じOfficeファミリーのバージョンを利用するとスムーズに設定が反映されます。

キャッシュや一時ファイルのクリア

Officeアプリの設定内容がキャッシュとして残っている場合、再起動やWindowsのアップデートをトリガーに設定が反映されることがあります。設定をいじった後にWindowsを再起動してみるのも一つの手です。

Officeの修復インストール

どうしても反映されない場合、Control Panel(コントロールパネル)の「プログラムと機能」からOfficeの修復機能を試すと、オートコレクト設定を含むアプリ内部の不整合が修正されることがあります。

修復インストールの手順例

  1. Windowsのコントロールパネルを開き、「プログラムと機能」を選択
  2. インストールされているMicrosoft Officeを探し、選択
  3. 画面上部にある「変更」ボタンをクリック
  4. 「クイック修復」または「オンライン修復」のどちらかを選択して実行
  5. 修復完了後、PCを再起動し、再度OutlookとWordの設定を確認

技術者がアンダースコアを多用する理由と対策

エンジニアやデータベース管理者などがアンダースコアを頻用する理由はさまざまです。

プログラムやSQLクエリでの命名規則

例えば、user_id, order_details, my_function()などのように、単語同士をアンダースコアでつなぐスネークケース(snake_case)が一般的になっている言語やデータベースの分野では、文書内にアンダースコアを多用するのが当たり前です。

新Outlookとの相性問題

Markdownライクな書式変換機能自体は、カジュアルなコミュニケーションや、簡易的に文章を装飾したいユーザーにとっては便利ですが、技術ドキュメントやコードスニペットを頻繁にやり取りする開発現場では、むしろ煩わしい要素になってしまうのです。

対策のヒント

  • 本文の一部をコードブロックとして書く
    メール本文に「コード」を貼り付ける場合は、```で囲むなど、いわゆるMarkdown記法に準拠したブロックにすると、Outlook側が書式を変えづらくなるとの報告もあります。ただし、こちらも100%の回避を保証するものではありません。
  • 一時的に別の記号で代用
    下線(_全角アンダーバー)を使うなど、多少の妥協は必要ですが、リッチテキストでの見た目と入力効率を両立したい場合に有効なテクニックです。

設定をカスタマイズするためのヒント

OutlookやWordを自分好みにカスタマイズすることで、より快適に使えるようになります。Markdown風の自動変換以外にも、オートコレクトやオートフォーマットは多岐にわたって存在するため、一度Wordの「文章校正」設定を見直すと、新しい発見があるかもしれません。

Wordのオートフォーマットオプション一覧

下記は「入力オートフォーマット」タブで確認できる代表的な項目です。

項目説明
インターネットとネットワークのパスをハイパーリンクに変更するURLを入力すると自動的にリンクとして書式化する
先頭の文字を大文字にする文の先頭を入力すると強制的に大文字変換する
入力中に箇条書きや番号付きリストに自動変換する-や数字1.などの入力を箇条書きに変更する
*太字*_斜体_ を実際の書式に変更するMarkdown風の装飾が自動的に反映される(今回の主題項目)

これらのチェックを外すことで、普段「勝手に変わってしまう」と感じていた箇所が改善される可能性があります。

注意点

OutlookとWordは設定が共通化されている部分もあれば、そうでない部分もあります。すべてのオートフォーマット設定がOutlookに完全連動するわけではありませんが、今回紹介した*太字*_斜体_の設定は多くのケースで効果が期待できます。

今後の展望と期待

新Outlookはプレビュー版から始まり、ユーザーのフィードバックを元に多くの改良が重ねられてきました。しかし依然として、Markdown風自動変換のオン/オフを簡単に切り替えられる設定は用意されていません。技術職を中心に大きなニーズがあることから、将来的には「Markdown機能をオフにする」チェックボックスが搭載される可能性も充分に考えられます。

フィードバックが重要

Office関連の機能追加や改善は、エンドユーザーからのフィードバックが極めて重要です。実際、過去にコミュニティで大きな支持を得た要望が、公式機能として実装された例は多数あります。もし企業やプロジェクトチーム内で多くの人が同じ問題に悩んでいるのであれば、ぜひ積極的にフィードバックを送ってみてください。

暫定的な対処をうまく組み合わせる

正式なオプションが用意されるまでの間は、先述した「Wordオプションの切り替え」や「プレーンテキストへの切り替え」、「入力後のUndo操作」などを状況に応じて使い分けるのが得策です。特にWordオプションの切り替えはやや手間がかかりますが、リッチテキスト機能を使いつつ自動書式を回避できるため、ベストに近い回避策といえるでしょう。

まとめ:ベストプラクティスとこれからのアウトルック

  • Wordオートコレクト設定を見直す
    一度オンにしてから再度オフにすることで、新Outlook側でも書式変換が抑制される可能性が高いです。
  • 必要に応じてプレーンテキストを使う
    軽微な連絡やコードブロック中心のメールなら、プレーンテキストモードに切り替えるのも有効です。
  • Undo操作やBackspaceは応急処置
    頻繁に使うと煩雑になりがちなので、根本的な解決策が見つかるまでの暫定手段と考えましょう。
  • フィードバックで改善を後押し
    公式コミュニティやFeedback Portalに要望を出し、多くのユーザーの賛同を得ることで、将来のアップデートで正式な設定が追加される可能性が高まります。

現時点では、「Wordのオートフォーマット設定を操作する」のが最も効果的な方法として挙げられています。技術者やエンジニアにとって作業効率を損なうこの問題ですが、一方でOutlookがユーザーの声を取り入れてどんどん進化していく可能性にも大いに期待が持てるでしょう。自分に合った回避策を試しつつ、今後のアップデート情報をウォッチし続けることが、快適なメール環境を手に入れる近道となります。

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