Windows 10の環境で「新しいOutlook」が突然インストールされ、PC起動時やメールアプリを立ち上げるたびに自動で起動してしまうケースが増えています。普段の作業が中断されるだけでなく、旧メールアプリを使いたい方にとっては戸惑うことも多いようです。ここでは筆者が実際に体験した事例も交えつつ、その原因や具体的な対策方法をわかりやすくご紹介します。
新しいOutlookが起動してしまう主な症状
旧メールアプリが「新しいOutlook」に置き換わる
Windows 10標準の「メール」アプリを起動したつもりが、知らないうちに「新しいOutlook」に差し替えられていて困るケースがあります。起動時に余計なウィンドウが増えることで作業効率が下がるという声も少なくありません。
スタートアップやmsconfigに見当たらない
通常の方法でスタートアップフォルダを確認してもOutlookに関するショートカットが見当たらず、タスク マネージャーのスタートアップやmsconfig(システム構成)からも起動項目を制御できない場合があります。
レジストリを見ても該当キーがない
自動起動をレジストリのRunやRunOnceキーで制御しようとしても、「新しいOutlook」を指すキーが存在しない場合があるため、原因究明に時間がかかってしまいます。
考えられる原因
Windowsアップデートによる自動的な導入
MicrosoftはWindows 10をアップデートする際に、標準アプリを新たなプラットフォームに移行させる場合があります。これが原因でユーザーが意図しないうちに「新しいOutlook」がインストールされることがあります。
バックグラウンド実行の許可
Windowsの設定でアプリのバックグラウンド実行が許可されていると、自動で同期やデータ取得が行われ、起動時にも立ち上がる可能性があります。
アプリの「再起動時の復元」機能
Windows 10のサインインオプションにある「前回サインアウト時に開いていたアプリを自動的に再起動する」機能が有効になっていると、一度Outlookを開いた場合、次回の起動でも再起動される場合があります。

私自身もWindowsをアップデートした後、気付いたら旧メールアプリがなく「新しいOutlook」に変わっていた経験があります。最初は戸惑いましたが、対策を実行することで落ち着きを取り戻しました。
具体的な対策方法
バックグラウンドアプリの許可をオフにする
操作手順
1. Windowsの設定を開き、「プライバシー」を選択
2. 左メニューの「バックグラウンド アプリ」をクリック
3. 一覧から「Outlook(新しいOutlook)」をオフにする
サインインオプションから「前回起動していたアプリを再起動」機能を無効化
操作手順
1. Windowsの設定 > アカウント > サインイン オプションを開く
2. 「サインイン情報を使用してデバイスのセットアップを自動的に完了する」の項目や「再起動時にアプリを復元する」のような項目をオフにする
3. PCを再起動して挙動を確認
スタートアップフォルダの確認
操作手順
1. Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」を開く
2. shell:startup と入力しエンター
3. フォルダ内にOutlook関連のショートカットがあれば削除
msconfig(システム構成)でサービスを無効にする
操作手順
1. Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、msconfigと入力
2. [サービス]タブで「Outlook」または「Microsoft Outlook」に関するサービスがあればチェックを外す
3. 変更を保存して再起動
レジストリからエントリーを削除する
操作手順
1. Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、regeditと入力
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run および RunOnce を確認
3. Outlook関連の項目があれば削除
4. 必ずレジストリのバックアップを取ってから作業する
「新しいOutlook」をアンインストールして旧メールアプリを復元
操作手順
1. Windowsの設定 > アプリ > アプリと機能 から「Outlook(新しいOutlook)」をアンインストール
2. 旧メールアプリが使えるか確認
3. もし起動しない場合はPowerShellでWindowsアプリを再インストール
– PowerShell(管理者として実行)を起動
– Get-AppXPackage -AllUsers | Foreach {Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register “$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml”}
– 処理完了後に再起動し、メールアプリの挙動を確認
対策まとめ表
対策 | 概要 |
---|---|
バックグラウンドアプリをオフ | 新しいOutlookの自動同期を防ぐため、設定画面からバックグラウンド実行を無効にする |
再起動時の復元をオフ | Windowsのサインインオプションで前回使用アプリの自動復元を無効化する |
スタートアップ・msconfigの確認 | スタートアップフォルダとシステム構成からOutlook関連の起動を無効化する |
レジストリの編集 | RunやRunOnceキーなどにOutlook関連のエントリーがないか確認し、削除する |
アンインストールと旧メールアプリ復元 | 新しいOutlookを削除し、PowerShellで旧メールアプリを再インストールする |



私の場合はバックグラウンド実行をオフにしただけで症状が収まったこともあります。PC環境によって違いがあるので、可能な方法から試してみましょう。
まとめ
新しいOutlookが自動起動してしまう原因は、Windowsアップデートによる標準アプリの更新や、バックグラウンド実行の設定など多岐にわたります。今回ご紹介した方法を実践すると、問題が解消される可能性が高まります。旧メールアプリを使い続けたい方はアンインストールや復元作業も検討してみてください。自分の作業スタイルに合った設定にカスタマイズし、ストレスのないパソコンライフを送りましょう。
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