Outlookで曜日ごとの勤務時間を設定する方法~新しいOutlookやOffice 365の最新機能を徹底解説

新しいOutlookやOutlook on the Webでは、曜日ごとに勤務時間を細かく設定できるため、多様な働き方に柔軟に対応しやすくなりました。リモートワークやフレックスタイム制度などが普及している中、自分の勤務スタイルに合ったカレンダー設定を行うことで、業務の効率化や同僚とのスケジュール調整がスムーズに進むでしょう。一方で旧Outlook(デスクトップ版)には同機能が搭載されていないほか、複数週にわたる繰り返しスケジュールにも未対応といった課題があります。ここではそれらのポイントを詳しく解説し、実際の設定方法や注意点を紹介します。

曜日ごとの勤務時間設定とは?

曜日ごとの勤務時間設定とは、月曜日や火曜日といった特定の曜日ごとに開始時刻と終了時刻を調整し、Outlookカレンダーに反映させる機能です。たとえば以下のように、曜日別に異なる勤務時間を柔軟に設定できます。

  • 月曜日:9:00~17:00
  • 火曜日:10:00~18:00
  • 水曜日:9:00~16:00
  • 木曜日:8:30~17:30
  • 金曜日:在宅勤務 10:00~16:00

このように、平日であっても曜日ごとに開始・終了時刻が異なる場合はもちろん、オフィス出社や在宅勤務など勤務形態を変えるケースにも対応しやすいのが特長です。現在は、新しいOutlook(プレビュー版)およびOutlook on the Web(ブラウザ版)で対応しており、従来のデスクトップ版Outlook(Office 365インストール版)ではサポートされていません。

新しいOutlook(プレビュー版)やOutlook on the Webでの設定方法

新しいOutlookやOutlook on the Webでは、UI(ユーザーインターフェイス)が従来のデスクトップ版と異なるため、操作に戸惑う方もいるかもしれません。以下では、ブラウザ版Outlook(OfficeポータルからアクセスできるOutlook on the Web)を例に、実際の操作手順を詳しく紹介します。

1. カレンダー画面を開く

Outlook on the Webへサインインしたら、画面左下のカレンダーアイコンをクリックして、カレンダー画面を表示します。デフォルトではメール画面が表示されるため、忘れずにカレンダーアイコンへ切り替えましょう。

2. 設定(歯車アイコン)をクリック

カレンダー画面の右上付近にある歯車アイコン(設定)をクリックします。すると、右側に設定メニューのパネルが表示されます。

3. 「カレンダー」→「勤務時間と所在地(Work hours and location)」を選択

設定パネルから「カレンダー」を選択し、さらに「勤務時間と所在地(Work hours and location)」をクリックします。ここが曜日別の勤務時間を設定するための画面です。

4. 曜日ごとの勤務時間を登録

各曜日のスイッチ(オン/オフ)を切り替えることで、勤務日・非勤務日を選択できます。勤務日にしている曜日の行には、開始時刻と終了時刻を指定するフィールドが表示されるため、好きな時間帯を入力します。
例えば以下のように設定してみましょう。

曜日勤務日開始時刻終了時刻
月曜日ON9:0017:00
火曜日ON10:0018:00
水曜日ON9:0016:00
木曜日ON8:3017:30
金曜日ON10:0016:00
土曜日OFF
日曜日OFF

このように曜日によって勤務時間が変わる場合でも、それぞれ独立して設定が可能です。

5. 勤務場所(在宅かオフィスか)を併せて設定

新しいOutlookでは「勤務場所」を選択するフィールドも用意されています。自宅(リモート)で勤務するか、オフィスに出社するかなどをあらかじめ設定しておけば、同僚やチームメンバーがあなたのカレンダーを確認した際に、「この人はこの時間は自宅勤務なんだな」と一目でわかるようになります。

6. 設定内容を保存

曜日ごとの勤務時間や勤務場所をすべて設定し終わったら、「保存」または「OK」をクリックして画面を閉じます。これであなたのOutlookカレンダーには、曜日別の勤務時間設定が自動的に反映されます。

従来のOutlook(Office 365インストール版)との違い

1. 曜日別設定がない

旧Outlook(デスクトップアプリ)のオプション設定を開いても、曜日ごとの勤務時間を指定する項目は見当たりません。これまでのOutlookでは、休日を指定するカレンダー設定や、週の開始曜日などはカスタマイズできるものの、「月曜は9:00~17:00、火曜は10:00~18:00」といった細かな指定はできません。

2. 新機能の取り込み状況

新しいOutlookは、ブラウザ版のOutlook on the Webの機能をどんどん取り込む形で進化しています。今後、デスクトップ版にも同様の機能が統合される可能性がありますが、現時点では公式アナウンスで確定情報は公表されていません。最新の機能を利用したい場合は、新しいOutlook(プレビュー版)またはOutlook on the Webを活用するのがおすすめです。

複数週(2週間・3週間)にわたる繰り返しパターンは設定可能?

1. 週単位でしか登録できない現状

曜日ごとの勤務時間設定は非常に便利ですが、2週間または3週間ごとに勤務形態が変わるケース(例えば「隔週で夜勤がある」「3週サイクルで休日をずらしている」など)には、現時点で対応していません。週間スケジュールの繰り返しのみ設定でき、複数週にわたる複雑なパターンは手動変更が必要になります。

2. 代替手段としての運用例

実際に2週間や3週間ごとのサイクルで勤務が変わる場合は、以下のような代替運用が考えられます。

  • 手動でスケジュールブロックを作成
    毎週固定でスケジュールを組むのが難しい場合、繰り返し予定を使わずに、あらかじめ数週間先までカレンダーにブロックや予定を入れておくという方法があります。例えば2週目だけ夜勤入りで夕方から翌朝までをブロックするなど、一定の範囲を予め押さえておきます。
  • 月単位でのテンプレート化
    エクセルやタスク管理ツールなどで、自分の勤務パターンを月単位(または複数月単位)でテンプレート化しておき、月初めにまとめてOutlookにインポート(または手動入力)する運用方法です。少し手間はかかりますが、あらかじめテンプレートを用意しておくことで定常作業を軽減できます。
  • パワーオートメーションで自動化(上級者向け)
    どうしても繰り返しを自動化したい場合は、Power Automate(旧Microsoft Flow)などを活用し、自分でスクリプトやフローを組んで特殊な繰り返しパターンをOutlookに登録するという手段があります。ただし非公式な手法のため、メンテナンスが必要だったり、Officeのアップデートで動作が変わる可能性があります。

今後の拡張に期待される機能

1. 機能拡大の方向性

Microsoftは、Outlook on the Webの新機能を「新しいOutlook(プレビュー版)」にも取り入れ、ゆくゆくはOutlookモバイル(Android/iOS版)やOutlook for Mac、Microsoft Teamsなどにも展開すると発表しています。曜日ごとの勤務時間設定はニーズが高い機能であるため、今後はデスクトップ版や他のプラットフォームにも搭載される可能性が高いでしょう。

2. フィードバックの重要性

「複数週にわたる繰り返しパターンに対応してほしい」という要望は、ユーザーコミュニティやMicrosoftの公式UserVoiceなどを中心に多数挙がっています。こうした機能はユーザーからのフィードバックが多ければ多いほど、開発側の優先順位が高くなる傾向があります。必要な機能がある場合は、自分だけでなく組織のメンバーや同僚にも協力を呼びかけて、積極的にMicrosoftへ要望を送るのが望ましいでしょう。

具体的な運用例とメリット

1. フレックス勤務・在宅勤務での活用

近年、在宅勤務やフレックス勤務など、働く場所や時間が多様化しています。曜日ごとの勤務時間や勤務場所を設定しておくことで、組織内でのミーティング調整やタスクアサインがスムーズに行えます。特に「この時間は通勤時間だから会議を避けたい」といった要望がある場合、カレンダー上で自動的に反映されるため、誤って時間外に会議が入るリスクが減少します。

2. チーム全体のスケジュール把握が容易

OutlookやMicrosoft Teamsの会議スケジューラーでは、「参加者の空き時間を探す」機能が存在します。ここに正しい勤務時間を反映させておけば、他のメンバーから見たときにも空き時間やオフィス出社状況が可視化されるため、「いつでも連絡が取れる」「この時間は在宅勤務なのでオンライン会議ならOK」といった判断が瞬時に可能です。チーム全体での生産性向上に寄与します。

設定が反映されない・表示されない場合の対処法

1. ブラウザやアプリのバージョン確認

「新しいOutlook(プレビュー版)」やOutlook on the Webの機能は、リリース時期やユーザーごとのロールアウト状況によって異なることがあります。自分のテナントやアプリのバージョンが最新になっていない場合は、設定項目が表示されない可能性があります。一度サインアウト→サインインし直す、またはブラウザの更新を試みてみましょう。

2. キャッシュやCookieのクリア

ブラウザ版で何らかの不具合が起こっている場合、キャッシュやCookieのクリアを行うと改善することがあります。特に法人向けMicrosoft 365アカウントの場合、シングルサインオン(SSO)とブラウザのCookieが競合している場合も考えられます。定期的にキャッシュクリアしておくのもトラブル回避に有効です。

3. 組織ポリシーによる制限

組織によっては、IT管理者がポリシーとして設定変更を制限している場合があります。もし「勤務時間と所在地」というメニュー自体が表示されない、あるいは灰色になって変更できない場合は、自社のIT管理部門に問い合わせてみましょう。セキュリティや組織の規定で機能が一部制限されている可能性があります。

表で見る「曜日別設定」と「複数週設定」の比較

実際に曜日別設定と複数週設定の違いを、表でシンプルにまとめると以下のようになります。

項目曜日別設定複数週(2週・3週)設定
対応状況新しいOutlook/WEB版のみ未対応 (手動対応が必要)
設定画面[設定]→[カレンダー]不可 (予定表を手動編集)
メリットフレキシブルな毎週設定長期的なシフトを一括管理可能
デメリット2週以上のパターン不可現状Outlookでの機能がない
今後の開発見込み高い (Teamsなどにも導入)フィードバック次第

この表からわかる通り、曜日ごとの勤務時間設定は既に実装されていますが、2週・3週といったサイクルの勤務設定は実質サポート対象外です。今後のアップデートに期待が高まります。

まとめ

新しいOutlookまたはOutlook on the Webでは、既に「曜日ごとの勤務時間設定」が利用できるようになっており、フレックス勤務や在宅勤務など多様化する働き方に対応するのに役立ちます。従来のデスクトップ版Outlook(Office 365インストール版)ではまだ同様の機能が実装されていないため、より細かい勤務時間管理をしたい場合はブラウザ版などへの切り替えを検討する必要があります。
また、2週間や3週間といった複数週サイクルの勤務時間設定は現時点ではサポートされていません。これらの機能拡張に関する要望はMicrosoftコミュニティやUserVoiceで多く寄せられているため、将来的に実装される可能性は十分考えられます。必要な機能については、積極的にフィードバックを送ることで、実装の優先度を上げることに貢献できます。
ぜひ自分の働き方に合わせて柔軟にカレンダーを活用し、日々のスケジュール調整を円滑に進めてみてください。

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