現代のコミュニケーションツールとして、Rocket.Chatは企業や組織で広く利用されています。しかし、システム管理者として、オフライン環境でのバージョンアップや特定の設定を行う際には、適切な手順を知っておくことが重要です。本記事では、UbuntuにインストールされたRocket.Chatのオンラインおよびオフライン環境でのバージョンアップ方法について解説します。
前提条件:
Ubuntu 18.04 LTS または Ubuntu 20.04 LTSがインストールされていることを想定しています。
これらの手順は、Rocket.Chatをすでに手動でインストールしている場合に適用されます。
オンラインの場合のバージョンアップ手順
まず、現在のRocket.Chatサーバーを停止します。以下のコマンドを実行して、Rocket.Chatプロセスを停止してください。
sudo systemctl stop rocketchat
現在のRocket.Chatバージョンを確認します。/opt/Rocket.Chat に移動し、次のコマンドを実行してください。
cd /opt/Rocket.Chat
grep -i version package.json
最新のRocket.Chatバージョンをダウンロードします。ダウンロードページにアクセスし、最新バージョンのリンクをコピーしてください。その後、以下のコマンドを実行して、最新バージョンをダウンロードします。
curl -L https://releases.rocket.chat/latest/download -o rocket.chat.tgz
ダウンロードしたファイルを解凍し、新しいディレクトリにコピーします。
tar zxvf rocket.chat.tgz
cp -R bundle/* /opt/Rocket.Chat/
依存関係をインストールします。/opt/Rocket.Chat/programs/server に移動し、以下のコマンドを実行してください。
cd /opt/Rocket.Chat/programs/server
npm install
Rocket.Chatサーバーのパーミッションを設定します。/opt/Rocket.Chat に戻り、次のコマンドを実行してください。
cd /opt/Rocket.Chat
sudo chown -R rocketchat:rocketchat /opt/Rocket.Chat
Rocket.Chatサーバーを再起動します。
sudo systemctl start rocketchat
バージョンアップが正常に完了したかどうかを確認するために、Rocket.Chat Webインターフェースにアクセスし、動作を確認してください。
これで、UbuntuにインストールされたRocket.Chatサーバーが最新バージョンにアップデートされます。バージョンアップ手順は、将来のバージョンで変更される可能性があるため、公式ドキュメントを確認して最新の手順に従ってください。
オフラインの場合のバージョンアップ手順
オフライン環境でRocket.Chatのバージョンアップを行う場合、インターネット接続のある別のコンピュータを使用して最新のRocket.Chatリリースと必要な依存関係をダウンロードし、それらをオフライン環境のサーバーに転送する必要があります。以下の手順で進めてください。
インターネット接続のある別のコンピュータで:
最新のRocket.Chatリリースをダウンロードします。
curl -L https://releases.rocket.chat/latest/download -o rocket.chat.tgz
解凍して、依存関係をインストールします。
tar zxvf rocket.chat.tgz
cd bundle/programs/server
npm install
依存関係がインストールされたディレクトリを圧縮して、オフライン環境のサーバーに転送する準備をします。
cd ../../../
tar czvf rocket.chat-with-dependencies.tgz bundle
rocket.chat-with-dependencies.tgz ファイルをUSBドライブなどの外部ストレージにコピーします。
オフライン環境のRocket.Chatサーバーで:
外部ストレージからrocket.chat-with-dependencies.tgz ファイルをサーバーにコピーします。
既存のRocket.Chatサーバーを停止します。
sudo systemctl stop rocketchat
ファイルを解凍し、新しいディレクトリにコピーします。
tar zxvf rocket.chat-with-dependencies.tgz
cp -R bundle/* /opt/Rocket.Chat/
Rocket.Chatサーバーのパーミッションを設定します。
sudo chown -R rocketchat:rocketchat /opt/Rocket.Chat
Rocket.Chatサーバーを再起動します。
sudo systemctl start rocketchat
Rocket.Chat Webインターフェースにアクセスし、動作を確認してバージョンアップが正常に完了したことを確認します。
これでオフライン環境のRocket.Chatサーバーが最新バージョンにアップデートされます。ただし、手順は将来のバージョンで変更される可能性があるため、公式ドキュメントを確認して最新の手順に従ってください。
まとめ
本記事では、Ubuntu環境下でのRocket.Chatのバージョンアップ方法を、オンラインおよびオフライン環境の両方のシナリオで詳しく説明しました。これらの手順を適切に実行することで、安全かつ効率的にシステムを最新の状態に保つことができます。ただし、将来のバージョンで手順が変更される可能性があるため、バージョンアップを行う前に公式ドキュメントを確認し、最新の情報に基づいて手順を実行してください。これにより、Rocket.Chatサーバーのメンテナンスが容易になり、組織全体のコミュニケーションが円滑に行われることでしょう。
コメント