MacでMicrosoft Teamsを起動しようとした際、「“Microsoft Teams” is damaged and can’t be opened. You should move it to the Bin.」というエラー表示に悩まされていませんか。アプリを再インストールしても何度もブロックされ、業務やコミュニケーションに支障が出るのは困りますよね。本記事では、これらのエラーを解消する具体的な手順を詳しく解説します。
Microsoft Teamsで「壊れている」と表示される原因
Microsoft Teamsが「壊れている」と表示されて起動できない背景には、macOS側のセキュリティ機能(Gatekeeper)が影響している可能性があります。Gatekeeperは、Apple非公認のソフトウェアや安全性が確認できないアプリの実行を阻止する機能です。特に新しいmacOSバージョン(SonomaやVenturaなど)では、これまで以上にセキュリティが強化されているため、Teamsのアップデートや再インストールでアプリが再度隔離され、エラーが再発することもあるようです。
Gatekeeperによる「隔離」とは?
macOSは、インターネットからダウンロードされたアプリに「com.apple.quarantine」という属性を付与します。これにより、Appleの公認や開発元証明がはっきりしないアプリを起動するとき、警告またはブロックを行います。Microsoft Teamsも何らかの要因で「隔離扱い」とみなされると、“Microsoft Teams is damaged and can’t be opened”というエラーが出るのです。
隔離属性が付与されるタイミング
- インターネットや社内イントラネット経由でアプリをダウンロードしたとき
- アプリの自動アップデート時(ファイルの再配置が行われた際)
- 別のMacからアプリフォルダをコピーして移動したとき
これらのケースで隔離属性が再度付与される場合があります。
対処法1:xattrコマンドで隔離属性を解除する
最もシンプルかつ早い方法は、ターミナルのxattrコマンドで「com.apple.quarantine」属性を削除することです。
xattrコマンドを使った手順
以下は一般的な流れです。アプリの場所は実際のTeamsインストール先に合わせてください。標準設定ならば「/Applications/Microsoft Teams.app」です。
# ターミナルを開き、下記のコマンドを実行
xattr -d com.apple.quarantine /Applications/Microsoft\ Teams.app
- 実行後、Teamsが正常に起動できるか確認してください。
- 場合によっては次のようなエラーが出ることがあります。
Permission denied
No such xattr: com.apple.quarantine
- その場合は管理者権限を要したり、既に隔離が付いていないなどの理由が考えられます。下記の他の対処法も試してみてください。
対処法2:アプリの完全削除と再インストール
一度Teams本体と関連ファイルをしっかり削除したうえで、改めて最新バージョンを入手する方法です。
アプリの削除手順
- Finderの「アプリケーション」フォルダからTeamsをゴミ箱にドラッグ
- ゴミ箱を空にしてMacを再起動(推奨)
- システム上に残っている関連ファイルの削除
- アプリケーションを右クリックして「パッケージの内容を表示」し、中身を手動で削除する
- またはAppCleaner(freemacsoft.net)などの専用ソフトを用いて関連ファイル(キャッシュや設定ファイルなど)も含めて削除する
再インストール手順
- 公式のMicrosoft Teamsダウンロードページから最新のインストーラをダウンロード
- インストーラを起動し、画面の指示に従ってインストールを実施
- インストール後、Teamsを起動してエラーが再発しないか確認
対処法3:右クリックメニューの「開く」を使う
macOSのGatekeeperでは、右クリック(またはcontrol+クリック)で「開く」を選択することで、一度ブロックされたアプリを「許可」できる場合があります。
実行手順
- FinderでTeamsのアプリを選択
- 右クリック(またはcontrol+クリック)し、「開く」を選ぶ
- 「このアプリはインターネットからダウンロードされたものです~」のようなダイアログが表示されたら、「開く」を選択
この操作によってmacOSが「信頼しても良いアプリ」と認識し、以降は通常通りTeamsを起動できる可能性があります。
対処法4:「プライバシーとセキュリティ」設定でブロック解除
もしTeamsがGatekeeperによってブロックされた状態なら、システム設定からブロック解除を試みることができます。
設定画面での確認
- Appleメニューから「システム設定」を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 画面を下にスクロールし、ブロックされているアプリ(Teamsなど)が表示されていたら「このまま開く」あるいは「許可」を選択する
ブロック解除が表示されない場合
- 既にmacOS側で許可されている
- Teamsアプリが検出されていない(完全削除やxattrコマンドなどで状態が変化している)
表示されないケースもあるため、状況に応じて対処法を組み合わせることが重要です。
対処法5:自動アップデート後のエラー再発への対処
一度は正常に起動できるようになっても、Teamsが自動更新された際に再度「壊れている」と表示されるトラブルも報告されています。
再発を防ぐためのコツ
- Teamsを起動する前に、再び「右クリック > 開く」を実行し、macOSからの信頼を再度得る
- 隔離属性が付与されているか確認し、必要なら再度
xattr -d
コマンドを実行 - 自動アップデートをオフにできるなら、しばらく手動更新に切り替える(必要がある場合のみ)
ただし、MicrosoftのTeams更新システムやmacOSのGatekeeper仕様が将来的にアップデートされることで、この現象自体が解消される可能性もあります。今後のアップデート情報を追いかけながら、必要に応じて対処を行いましょう。
追加の対策:ターミナルからの強制削除と再インストール
通常の方法で削除ができない場合や、何度もエラーが出る場合は、強制削除コマンドを試す方法もあります。
強制削除の手順
下記のコマンドをターミナルで実行すると、Teamsアプリのフォルダを強制的に削除できます。
sudo rm -rf /Applications/Microsoft\ Teams.app
- 上記コマンドはTeams.appフォルダを問答無用で削除しますので、誤って別のフォルダを指定しないよう十分注意してください。
- 削除が完了したらMacを再起動し、改めてTeamsをインストールします。
再インストール後すぐに自動更新が走る場合
- ダウンロード直後にTeamsを起動すると、裏で自動アップデートが動いてしまうケースがあります
- もし自動アップデートが走ってすぐにエラーが再発するなら、一度Teamsを終了させてからもう一度「右クリック > 開く」をするなど、Gatekeeperに信頼を再認識させると改善する可能性があります
その他のヒント:チップスと注意点
1. RosettaとAppleシリコンの問題
M1やM2チップ搭載のMacを使用している場合、Rosetta 2を通してx86アプリが動作することもあります。通常は自動的にインストールされ、問題なく動作しますが、MacがRosettaをインストールしていない場合、アプリの起動に何らかの不具合が生じるかもしれません。気になる場合は、Rosettaの再インストールやAppleシリコン版Teamsを使用するのも一つの選択肢です。
2. 一時的にGatekeeperを無効化する方法
どうしても起動できない場合、一時的にGatekeeperを無効化する方法があります。ただし、システムのセキュリティを下げる行為なので推奨はしません。
sudo spctl --master-disable
このコマンドを実行すると、未確認のアプリでも起動し放題になります。そのため、セキュリティリスクに十分留意した上で最終手段として検討してください。作業が完了したらGatekeeperは必ず元に戻しましょう。
3. トラブルが続く場合はWeb版や別のデバイスから
Teamsを使用する急ぎの業務がある場合、Macのアプリがどうしても起動できないなら、ブラウザ版のMicrosoft Teamsを使うのも一時的な対策として有効です。またWindows環境があれば、そちらでTeamsを利用してやり取りを行うのも良いでしょう。
4. 公式サポートに問い合わせる
どうしても解決しない場合、Microsoftの公式サポートやコミュニティフォーラムを活用しましょう。macOSのバージョン情報やTeamsアプリのバージョン、発生した日時や操作履歴をできる限り正確に伝えると、よりスムーズにアドバイスを得られます。
まとめ
MacでMicrosoft Teamsが「壊れている」と表示され起動しない問題は、Gatekeeperのセキュリティ機能や隔離属性が原因である場合がほとんどです。xattrコマンドによる隔離属性の削除や、アプリの再インストール、右クリックからの「開く」、プライバシーとセキュリティ設定での許可など、複数のアプローチを組み合わせることで解決できるケースが多く報告されています。もし自動アップデートで再度エラーが出るなら、同様の手順を繰り返すか、アップデート方法を一時的に変えるなどの対策を検討してください。安全にTeamsを利用できる環境を整え、スムーズなコミュニケーションを続けていきましょう。
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