Mac OS Sequoiaへアップデートした後、Microsoft Teamsでマイクの音声が切断されるという報告が増えています。ZoomやGoogle Meetでは問題なく動作するのに、Teamsだけが途切れてしまうのはなぜでしょうか。本記事では、具体的な原因や対策を幅広く解説しながら、MacユーザーがTeamsで快適にオンライン会議を行うためのポイントを詳しくご紹介します。
Mac用Microsoft Teamsでのマイク途切れ問題とは
Mac OS Sequoia(15.x系)にアップデートして以来、Shure MV7やDJIなどのUSBマイクで音声が途切れる現象が複数のユーザーから報告されています。特にMicrosoft Teamsの通話中に突然マイク音が認識されなくなるケースが多く、他のオンライン会議ソフト(Zoom、Google Meet、Discordなど)では正常に動作するにもかかわらず、Teamsだけで不具合が発生してしまうのが特徴です。以前のOSバージョンやWindows環境では問題なく使用できていたという声もあり、Mac OS Sequoia特有の不具合である可能性が指摘されています。
不具合が発生する背景
Mac OS Sequoiaは音声入出力の仕様にいくつかの変更が加えられたとされており、ハードウェアデバイスがOSとやり取りを行う方法に微妙な差異が生じています。これにより、特定のUSBマイクがTeams上で認識不良や切断を起こしている可能性があります。
また、Teamsのデスクトップアプリは独自の音声処理モジュールを使用しており、OSの標準API経由とは別の方法でオーディオストリームを管理することがあります。このため、OS側が変更されるとTeams独自のモジュールとの相性が悪くなり、一部のマイクで連携エラーが起こるリスクがあると考えられています。
現象の詳細
報告されている症状では、以下のような事象がよく見られます。
- 通話開始から数分〜十数分後にマイク音声だけが突然途切れる
- 自分の声が相手に届かなくなるが、相手の声は問題なく聞こえる
- Teamsの「音声設定」画面を開くと途切れが解消される
- マイクの自動感度調整をオフにしても効果がない場合がある
さらに、Shure MV7だけでなく、DJIやその他のUSBマイクでも同様の症状が報告されています。このことから、特定メーカーのドライバやファームウェアだけではなく、Teamsの音声処理とOSの相互作用に原因があると考えられます。
考えられる原因
マイク途切れ問題を引き起こす可能性が高い要因としては、主に下記の2つが挙げられます。
OSアップデートによるオーディオ仕様変更
Mac OS Sequoiaでは、一部のオーディオ関連APIやデバイス管理の挙動が変更されたとされています。これにより、USBマイクが認識される際の接続プロセスやバッファ管理の方法が従来と異なっている可能性があります。
例えば、以下のような影響が考えられます。
- USBオーディオクラスへの対応状況が更新され、Teamsとの互換性が低下
- マイク入力レベルの自動制御機能がOSとアプリ双方で競合
- 新たな権限設定(マイクアクセス権限)やサンドボックス化の影響
Teamsデスクトップアプリの音声管理の不具合
Microsoft Teamsは企業向けの包括的なコラボレーションツールとして設計されており、マイクやスピーカーなどのオーディオ機器に対してさまざまな自動補正を行います。しかし、この自動補正機能がOSの更新による仕様変更と合わない場合、以下のような現象が起こりやすいと考えられます。
- マイク感度の自動調整が意図せず動作し、一定時間経過後に音声をミュートしてしまう
- 「省電力」や「待機状態」への切り替えロジックが働き、マイク信号を切断
- Teams内部のドライバ管理がOS更新に追随できず、誤認識やノイズキャンセルの暴走が発生
Teamsでのみ問題が出ていることから、OSとTeamsの組み合わせに特化したバグ、あるいは相性不具合である可能性が高いと考えられています。
一時的な回避策
この問題が発生している場合、まずは以下の回避策を試してみるとよいでしょう。
1. Teamsの「音声設定」画面を常に開いたままにする
もっとも頻繁に報告されている回避策として、「Teamsの音声設定(設定 > デバイス)」画面を開いた状態にしておく方法があります。設定画面を開いている間はTeams側がマイクの状態を常時監視しているためか、途切れることが少なくなるようです。
ただし、根本的な解決方法ではないため、長期的にはアップデートなど別の対策が必要となります。
2. 自動マイク感度調整をオフにする
Teamsには「自動的にマイク感度を調整する」という機能がありますが、これが誤作動を起こしている可能性があります。オフにして問題が解決する場合もありますが、逆にまったく効果がないという報告もあるため、あくまで一時的な対処と考えてください。
オフにする手順の例は以下のとおりです。
1. Teamsの右上にあるプロフィールアイコンから「設定」を選択
2. 左側メニューで「デバイス」をクリック
3. マイクの項目で「自動的にマイク感度を調整する」をオフに設定
4. 設定画面は開いたままにせず、いったん閉じて挙動を確認
3. OSやTeamsアプリのアップデートを実行する
Mac OS Sequoiaが15.0や15.1の場合、15.2以降へアップデートすると改善がみられるケースがあります。また、Microsoft Teamsアプリ自体もバージョンが古いと不具合に対処しきれていない可能性が高いです。Teamsの最新アップデートでは音声処理モジュールに修正が入ることもあるため、OSとアプリ双方で最新に保つことを推奨します。
恒久的な解決策
最終的に問題を解消するためには、OSとアプリのバージョンを適切に組み合わせることが重要です。特に以下のポイントをチェックすると、根本的な解決につながりやすくなります。
1. Mac OS Sequoiaを15.2以上にアップデート
Mac OSの15.2以上のバージョンでは、オーディオ関連の不具合修正が含まれていると公式のリリースノートやユーザーの報告から推測されています。OSアップデートには時間がかかる場合がありますが、安全な環境でバックアップを取ったうえで実行すると安心です。アップデート手順の一例は以下のとおりです。
1. Appleメニューから「システム環境設定」を開く
2. 「ソフトウェア・アップデート」をクリック
3. 表示された更新プログラムが15.2以上であればインストールを実行
4. 再起動後にOSバージョンを確認
2. Microsoft Teamsを最新バージョン(24335.204.3298.2649以降)に更新
Teamsは自動アップデートがデフォルトですが、場合によっては最新バージョンにアップグレードされていないことがあります。手動で更新する場合は、Teamsの右上にある三点リーダー(…)から「更新プログラムのチェック」を選択し、最新ビルドが取得されるか確認してください。
多くのユーザーから、「OSを15.2にし、Teamsを24335.204.3298.2649以降にアップデートすることでマイク途切れが解消した」という声が上がっています。
トラブルシューティングの追加ポイント
問題が改善しない場合や、アップデート後も依然として途切れが発生する場合には、以下のような追加のトラブルシューティングを試してみる価値があります。
1. マイクの認定デバイスステータスを確認
Microsoft Teamsでは、公式に認定されたデバイスを使用することでより安定した動作が得られるとされています。Shure製品のうち、Teams認定デバイスに含まれるモデルもありますが、MV7は認定リストに入っていない可能性があります。
Microsoftの公式サイトなどで「Teams認定デバイス一覧」をチェックし、自分のマイクが該当するかどうか確認することで、今後の選定に役立つかもしれません。
公式認定がない場合の対処
Teams認定外のマイクは動作保証がないものの、全く使えないわけではありません。今回のような不具合が続く場合は、Teams側のアップデートで改善されるケースも多々あるため、まずは継続的に最新バージョンをチェックすることをおすすめします。
2. 別アカウントや別マシンでの再現確認
マイクやTeamsの問題だと思い込んでいても、実はアカウント設定やネットワーク環境が影響している場合があります。そこで、以下を試してみると原因を切り分けられます。
- 同じMacで別のMicrosoftアカウントを使用してTeamsにログインし、同様の症状が出るかテスト
- 別のMac(同OSバージョン)やWindows PCで同じマイクを利用し、問題が出るかどうか確認
- ネットワークを変えて(Wi-Fiから有線LANに切り替え、または別のルーターを使用)テスト
これらの手順で問題の発生箇所を特定しやすくなります。
3. システムログやTeamsログの確認
Macには「コンソール」アプリがあり、システムログを閲覧できます。Teamsがマイクを切断する直前に何らかのエラーや警告が記録されているかもしれません。また、Teams自体もログ機能を持っており、詳細なデバッグログを取得する方法があります。
例えば、TeamsのデスクトップアプリでCommand + Shift + Alt + 1を押すと、アプリのログを収集できる場合があります。これを解析すると、エラーコードなどから原因究明につながるかもしれません。
表を用いた回避策・対策一覧
以下の表に、今回の問題の主な回避策や対策、そしてその特徴をまとめます。
回避策 / 対策 | 手軽さ | 効果の確実性 | 備考 |
---|---|---|---|
Teamsの「音声設定」を開いたままにする | 高 | 中 | 応急処置として有効だが根本解決にはならない |
自動マイク感度調整をオフにする | 中 | 低~中 | 環境によっては全く効果がない場合もある |
OSを15.2以降へアップデート | 低(時間がかかる) | 高 | 不具合修正が含まれるため、推奨手段 |
Teamsを最新バージョンに更新 | 中 | 高 | OSだけでなくアプリ側の修正も反映する必要あり |
別マイク / 別デバイスでの検証 | 低 | 参考情報 | 問題箇所を切り分けるために有効 |
まとめ
Mac OS Sequoia(15.x系)にアップデート後、Microsoft TeamsでUSBマイクの音声が途切れる問題は多くのユーザーを悩ませています。特定のマイクだけでなくShure MV7やDJIなど複数ブランドで報告例があるため、Teams独自の音声管理機構とOS側の仕様変更が噛み合わない不具合である可能性が高いです。
対策としては、Teamsの「音声設定」画面を開いたままにしておくなどの一時的回避策がありますが、根本的な解消にはOS(Sequoia 15.2以降)とTeamsの両方を最新バージョンにアップデートすることが重要です。さらに、Teams認定デバイスではないマイクを使用している場合は、今後のアップデートやドライバ修正をこまめにチェックし、必要に応じて代替マイクを検討するのも有効な選択肢といえます。最終的にトラブルが続く際には、Teamsのフィードバックポータルに詳細を報告し、公式の対応を待つ形になりますが、現状でもアップデートを行うことで改善が期待できるケースが多数報告されています。ぜひ本記事の内容を活用して、オンライン会議での快適な音声環境を取り戻してください。
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