Macのデスクトップをいくつも作成して、作業やプライベートを切り替えながら使っていると便利ですよね。ところが、新しいTeamsをインストールした直後から、各デスクトップごとに同じTeamsウィンドウがいくつも立ち上がってしまう…そんな困った現象が起きているという声が増えています。特にミーティング参加時にも同様の動作が発生すると、作業の邪魔になるだけでなく、どのウィンドウで操作していいのかわからなくなり、本当に煩わしいもの。ここでは、Macの「Mission Control」や「Dock」の設定を見直すことで、Teamsの複数ウィンドウ問題を解消する手順を詳しく解説します。
Teamsの複数ウィンドウが開く原因を理解する
Macで複数のデスクトップを使う場合、「Mission Control」を活用して作業スペースを切り替えられます。しかし、アプリケーションによってはこの仕組みにうまく対応していない場合があり、Teamsの新バージョンではデスクトップごとにウィンドウを表示しようとする動作が見られます。さらに、ミーティングに参加するときにも新規ウィンドウが各スペースに生成されてしまうことがあるため、連続してポップアップが発生する状態が起こるのです。
新しいTeamsの特徴と背景
2023年頃からプレビュー版として登場していた「新しいTeams」は、ElectronベースからWebView2など新しいフレームワークへ移行する取り組みが進んでいます。その結果、軽量化や機能改善が期待されていますが、MacにおいてはMission Controlなどの操作スペース管理と相性が悪いケースが散見されます。
特にmacOS Sonoma(14.x)以降では、一部のアプリがデスクトップ割り当て設定を誤って解釈する事例が確認されており、Teamsもその一つに挙げられています。
スペース(デスクトップ)とアプリの割り当て
Macでは複数のディスプレイを接続しているかどうかにかかわらず、自由にデスクトップ(Spaces)を増やせます。このとき、アプリを「このデスクトップ」「すべてのデスクトップ」「なし」などに割り当てることが可能です。
- このデスクトップ: 現在アプリが開いているデスクトップでのみウィンドウを固定する設定
- すべてのデスクトップ: どのスペースを開いていても同じウィンドウが見えるようになる
- なし: アプリ起動のたびに動的に割り当てられる(特に固定されない)
新しいTeamsでは、誤って「すべてのデスクトップ」に設定されているために、各スペースごとにウィンドウが複数複製される症状が起こる場合があります。
Dockの「割り当て先」を変更する方法
一番簡単かつ効果的と言われる解決策が、Dock上でのTeamsアイコンの割り当て設定変更です。以下の手順で設定を確認・変更してみましょう。
Dockから設定を変更する手順
手順はいたってシンプルですが、念のため詳しく解説します。
- Teamsを起動
まず、Teamsが起動している状態にします。DockにTeamsのアイコンが表示されているのを確認してください。 - Dockアイコンを右クリック(またはControlクリック)
Dock内のTeamsアイコンを右クリックすると、コンテキストメニューが表示されます。トラックパッドの場合は、二本指タップでも同様のメニューを呼び出せます。 - 「オプション」→「割り当て先」の確認
表示されたメニューから「オプション」を選択します。さらに「割り当て先」にカーソルを合わせると、
- このデスクトップ
- すべてのデスクトップ
- なし
のいずれかが選択されているはずです。
- 「このデスクトップ」または「なし」に変更
現在「すべてのデスクトップ」が選択されている場合は、それが原因で複数ウィンドウが開いてしまいます。そこで「このデスクトップ」もしくは「なし」を選んでください。
- 「このデスクトップ」:指定した一つのスペースにのみTeamsウィンドウを表示したい場合
- 「なし」:特に固定しない(場合によっては自動的に移動)
変更後、一度Teamsを再起動すると設定が反映され、不要な重複ウィンドウが開かなくなることが多いです。
トラブルシューティングのための確認ポイント
- DockにTeamsアイコンがない場合: Launchpadなどから起動し直して、Dockに常駐させた状態で設定しましょう。Teamsのショートカットが誤っていると設定項目が現れないこともあります。
- 既に「このデスクトップ」または「なし」になっているのに問題が解決しない場合: 一度「すべてのデスクトップ」に変更し、その後改めて「このデスクトップ」もしくは「なし」に再設定してみてください。キャッシュ等の影響をリセットする効果が期待できます。
Mission Controlの「ディスプレイごとに個別の操作スペースを有効にする」をオフにする
複数ディスプレイを利用している場合やデスクトップを使い分けている場合に、さらに問題が継続することがあります。この場合、「システム設定」からMission Controlの設定を見直すことで複数ウィンドウの発生を抑えられるケースがあります。
設定をオフにする手順
- システム設定を開く
Appleメニュー(画面左上のリンゴマーク)→「システム設定」を選択します。 - 「デスクトップとDock」→「Mission Control」
サイドバーから「デスクトップとDock」を選択し、右画面の下部にある「Mission Control」関連の設定を探してください。 - 「ディスプレイごとに個別の操作スペースを有効にする」のチェックを外す
ここをオフにすることで、すべてのディスプレイが共通のスペースとして扱われるようになります。 - ログアウトまたは再起動を行う
この設定を切り替えた場合、変更が反映されるにはログアウトや再起動が必要になることが多いです。
この設定をオフにすることで、複数のデスクトップが独立したスペースとして認識されなくなるため、アプリが各スペースに重複してウィンドウを生成する挙動が抑制されます。
ただし、ディスプレイごとに別個のスペースを使える機能が無効になるため、作業スタイルによっては不便になる可能性があります。もし高度にマルチディスプレイを活用している場合は、最初に紹介したDockの割り当て設定だけで対処できないか改めて検討しましょう。
設定をオフにするメリット・デメリット
設定 | メリット | デメリット |
---|---|---|
オン | ディスプレイごとに独立したデスクトップ環境を構築可能 | Teamsなど一部のアプリが複数ウィンドウを生成する可能性 |
オフ | アプリのウィンドウ管理が単一化され、重複ウィンドウ問題を解消しやすい | すべてのディスプレイが同じスペースを共有するため、ディスプレイごとに独立した作業がしにくくなる |
それぞれのメリットとデメリットを考慮し、自身のワークフローに合った方法を選びましょう。
さらに踏み込んだ対処方法:旧Teamsへ一時的に戻す
もしDockの設定や「ディスプレイごとに個別の操作スペース」の切り替えでも解決しない場合、あるいはどうしても新しいTeamsとの相性が悪いと感じた場合には、一時的に旧Teamsに戻すという選択肢もあります。ただし、近い将来に旧Teamsのサポートが終了すると言われており、長期的な解決策にはならないかもしれません。
旧Teamsを再インストールする手順
- 新しいTeamsをアンインストール
念のため、アプリケーションフォルダからTeamsをゴミ箱に移動し、完全に削除しておきます。 - 公式サイトから旧Teamsのインストーラーをダウンロード
Microsoft 365管理センターなどから旧Teams版のインストーラーが提供されている場合があります。 - インストールとサインイン
インストーラーを実行してサインインするだけで、旧TeamsのUIが表示されるはずです。 - 動作確認
旧Teamsで同様の事象が発生しないか確認しましょう。大半の場合、旧Teamsでは複数ウィンドウの問題は起きないと言われています。
この方法は一時的な回避策としては有効ですが、将来的には新しいTeamsへ完全移行が求められるため、根本的にはDock設定やMission Control設定を見直すのが推奨されます。
レアケースへの対処:Macの設定ファイルのリセット
通常はDockの割り当て先を変更するだけで解決しますが、まれに設定ファイルが破損しているケースが報告されています。どうしても問題が再発する場合は、設定ファイルをリセットし再構築してみるのも選択肢の一つです。
設定ファイルリセットの例
以下のコマンド例は、一般的にDockやスペース関連の設定をリセットして再読み込みするものです。ターミナルアプリから実行する必要があります。
# Dockおよび関連設定のリセット
defaults delete com.apple.dock
killall Dock
# Mission Control関連設定のリセット
defaults delete com.apple.spaces
killall Dock
上記のコマンドを実行するとDockやスペース設定が初期化されるため、事前にDockのカスタム設定(ピン留めアプリや配列など)はバックアップもしくは記録しておきましょう。
ただし、この方法はリスクも伴うため「どうしてもほかの方法でうまくいかない」「専門的な知識がある」という場合を除いて推奨しません。慎重に取り扱ってください。
Teamsのバージョンアップ状況を確認しよう
Microsoft Teamsは頻繁にバージョンアップが行われます。新しいTeamsは随時アップデートされているため、時間が経つにつれこの不具合が解消される可能性も十分にあります。面倒でも定期的に「Teams → バージョン情報」から更新チェックを行いましょう。
最新バージョン情報の取得
- Teamsの設定画面から: Teamsを開いた状態で「…(その他)」→「設定」→「バージョン情報」と進むと、アプリのバージョンや更新を確認できます。
- Microsoft 365管理センター: 大規模組織向けに提供される管理センターで、Teamsのバージョンポリシーを一括管理している場合があります。IT部門に問い合わせると最新情報が得られるでしょう。
新しいリリースノートには、多くの場合「不具合修正」「バグの改修」などが記載されているので、複数ウィンドウ問題の修正が反映されていないかチェックする価値があります。
実践的な複数ウィンドウ防止策まとめ
改めて、MacでのTeamsの複数ウィンドウ問題を解決するためのアクションを整理します。自分の使い方や環境に合わせて、試しやすいものから取り組んでみてください。
アクション一覧
アクション | 難易度 | 効果の即効性 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
1. Dockの割り当て先を「このデスクトップ」または「なし」に変更 | 低 | 高 | ★★★★★ |
2. Mission Controlで「ディスプレイごとに個別の操作スペースを有効にする」をオフにする | 中 | 高 | ★★★★☆ |
3. 旧Teamsに一時的に戻す | 中 | 中 | ★★★☆☆ |
4. 設定ファイルのリセット(ターミナル操作) | 高 | 高 | ★★☆☆☆ |
5. Teamsのバージョンアップ待機・定期確認 | 低 | 低 | ★★★☆☆ |
それぞれの方法にはメリットとデメリットがありますが、多くのケースでまずは「Dockの割り当て先」や「Mission Control」のオプションを見直すことで解決に至るでしょう。
快適なMac & Teamsライフを取り戻す
Macのデスクトップ機能は、複数の作業スペースを切り替えて作業効率を上げるための素晴らしい機能です。しかしTeamsのバグや設定の衝突によって、かえって混乱を招いてしまうこともあります。今回紹介した方法を実践してみれば、余分なTeamsウィンドウがポップアップすることも減り、ストレスフリーなオンラインミーティング環境を整えることができるはず。
また、一度問題が解決してもバージョンアップで再発する可能性もゼロではありません。Dock設定やMission Controlの設定を覚えておくことで、トラブルが起きたときにスムーズに対処できるようになるでしょう。ぜひ、この機会にMacのスペース管理や設定項目を再確認して、より効率的で快適な作業環境を築いてみてください。
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