Microsoft Teams Roomで認定エラーが発生した際の徹底解説と解決策

柔らかな日差しが会議室に差し込む朝、スムーズなオンライン会議の準備をしている最中に、突然「Microsoft Teams Room isn’t certified」とのエラーが表示される——そんな経験はありませんか? 特に新しく導入したLenovo ThinkSmartなどのMTRデバイスで、Windowsアップデート直後にこのエラーが発生すると、せっかくの最新環境が活かせず戸惑ってしまいます。本記事では、この「認定されていない」というエラーを解決するための手順や考え方を、具体例を交えながら分かりやすく解説していきます。

Microsoft Teams Roomの認定エラーが起こる背景

Microsoft Teams Room(以下、MTR)は、会議室向けデバイスとして最適化されたWindowsベースのシステムです。純正のHDMIアダプタや特定のアクセサリの使用が前提となっており、これらが正しく検出されない場合やWindowsとTeamsアプリが最新化されていない場合に、デバイスが「認定されていない」とみなされることがあります。

1. MTRが認定を必要とする理由

企業などの会議室に設置されたMTRは、ユーザーの利便性やセキュリティを高いレベルで担保する必要があります。そこでMicrosoftは、認定デバイスや対応アクセサリの使用を促進しており、純正・推奨アクセサリを使うことによって安定したビデオ会議や画面共有の環境を守っています。認定されていないデバイス状態になると、想定外の音声・映像トラブルが起きたり、Microsoftのサポート対象外とみなされる可能性が生じます。

2. HDMIアダプタの重要性

「You must insert the HDMI adapter that came with this device」というエラーは、添付のHDMIアダプタが正しく認識されていないことを示唆します。Lenovo ThinkSmartなどでは、純正のHDMIアダプタやHDMIケーブルが同梱されている場合があり、これを使わないと正式に認証されないことがあります。純正品を使っているはずなのにエラーが続くときは、以下の点を疑ってみましょう。

  • ケーブル自体が故障している
  • 物理的にしっかり挿し込まれていない
  • アダプタのファームウェアが古い、またはWindowsで正しくドライバが適用されていない
  • 別の周辺機器や延長ケーブルなどが干渉している

Windowsアップデート後にエラーが表示される原因と対策

Windowsアップデート適用後にエラーが発生するケースでは、新しいドライバやパッチの適用順序、あるいはMTRアプリのバージョンが古いままになっているといったバージョン不整合が原因となることがあります。

1. Windows Updateが引き起こすバージョン不整合

Windowsが大型アップデートを行うと、MTR用にカスタマイズされたソフトウェアが古くなり、ドライバ認証や周辺機器の対応が一時的にうまくいかない可能性があります。特にLenovoやLogitech Tapなど特定のメーカー品を組み合わせて使っている場合、Windows標準のドライバとメーカー独自のドライバに差異が生じることがあります。

対策としての手順

  1. Windows Updateの完了を確認
  • 「設定」→「更新とセキュリティ」からWindows Updateを実行し、未適用の更新プログラムが無いことを確認します。
  • すべての更新プログラムをインストールした後、必ず再起動を行ってください。
  1. メーカー提供のアップデートツールを使用
  • Lenovoなら「Lenovo Vantage」など、Logitechなら「Logitech Sync」などの管理ツールを使い、関連ドライバやファームウェアを更新します。
  • TeamsアプリやMTRのアップデート専用ツールがある場合もあり、定期的に最新バージョンがリリースされるため注意が必要です。
  1. バージョン情報の確認
  • MTR(Teams Room)のバージョン番号は、デバイス右下の「設定」または「More」(…)→「設定」から確認できます。
  • バージョンが古い場合は、PowerShellを使った手動更新を検討します(後述のコード例を参照)。

PowerShellを用いたMTRアップデートの具体例

PowerShellを使うと、MTRアプリを最新の状態にアップデートできる場合があります。特に管理者権限を持ったアカウントでコマンドを実行することで、Windows Update経由では提供されない特定のパッケージを直接更新できることがあります。

PowerShellの基本コマンド例

以下に、MTRのアプリケーションを更新するための一般的なコード例を示します。実際の環境では各種パッケージ名やモジュール名が異なる場合があるため、Microsoft公式ドキュメントを参照してください。

# 1. PowerShellを管理者権限で起動

# 2. パッケージプロバイダの確認とインストール
Install-PackageProvider -Name NuGet -Force
Set-PSRepository -Name "PSGallery" -InstallationPolicy Trusted

# 3. MTR関連のモジュール更新
Update-Module -Name TeamsRoomManagement

# 4. アプリケーションの更新が必要な場合
Update-TeamsRoomApp
  • Install-PackageProvider: NuGetのプロバイダをインストールすることで、外部リポジトリから必要なモジュールを入手できるようにします。
  • Set-PSRepository: 実行ポリシーを変更し、ギャラリーからのインストールを可能にする設定です。
  • Update-Module: 既存のTeams Room関連モジュールを最新化します。
  • Update-TeamsRoomApp: 例として示していますが、実際には組織設定やモジュールによってコマンド名が異なる場合があります。

Teams Admin Centerからのサポート依頼と管理方法

企業管理者はMicrosoft Teamsの管理センター(Teams Admin Center)からデバイスを一元管理できます。ここでエラーが表示されているデバイスのステータスを確認し、必要に応じてMicrosoftサポートにチケットを発行することで、早期解決が期待できます。

1. Teams Admin Centerでの操作の流れ

  1. Teams Admin Centerにアクセス
    管理者権限を持つMicrosoft 365アカウントでログインし、「デバイス」メニューからMTRデバイスを選択します。
  2. 問題があるデバイスを特定
    状態が「Disconnected」や「Error」になっているデバイスをクリックし、詳細を確認します。
  3. サポートリクエストを作成
    画面右下もしくはヘルプメニューから「Need help」を選び、サポートチケットを発行します。トラブルの状況やログ情報を詳細に添付することで、サポートエンジニアが正確な分析を行いやすくなります。

2. サポート依頼時に伝えるべきポイント

  • エラーメッセージの正確な表記(例:「Microsoft Teams Room isn’t certified – You must insert the HDMI adapter…」)
  • 使用しているハードウェアの型番(Lenovo ThinkSmartやLogitech Tapコントローラーなど)
  • 既に実施したトラブルシューティングの内容(OSリセット、PowerShell更新、ケーブル交換など)
  • 環境情報(Windowsのビルド番号、Teams Roomアプリバージョン、ファームウェアバージョン)

サポートチケットに必要な情報を網羅しておくと、エスカレーション対応がスムーズになります。

実例:Logitech Tap接続での解決事例

実際の運用現場では、Lenovo ThinkSmartとLogitech Tapを組み合わせて導入しているケースが多数あります。あるユーザーの事例では、WindowsとTeams Roomアプリを最新状態にアップデートした後にTapコントローラーを再接続したところ、認定エラーが解消されたという報告があります。

エラー解決へのステップ

  1. 先にWindowsアップデートを完全適用
    対象デバイスをインターネットに接続し、Windowsの更新を完了させ、再起動を行います。
  2. LenovoやLogitechのファームウェア更新
    メーカー独自ツールを用いて最新化します。特にTapのタッチパネルやケーブル接続ドックに最新のファームウェアを適用することで、互換性が向上する場合があります。
  3. Teams Roomアプリの再インストールまたは上書き更新
    ストアまたはPowerShell経由でアプリを取得し、バージョンをそろえます。
  4. すべての接続を再チェック
    HDMIアダプタやUSB、LANケーブルの差し込み状態を一旦抜き差しして確認します。
  5. 最終テスト
    エラーが再現しないこと、ビデオ会議が正常に動作することを確認し、問題解決とします。

トラブルシューティングのポイントを表で整理

トラブルシューティングを体系的に進めるために、下記のような表を参考にすると分かりやすいです。

項目チェック内容対応策
HDMIアダプタの認識純正アダプタを使用しているか、物理的な接続は確実か別のポートやアダプタで試す、ケーブルの故障を疑う
Windowsアップデートの状態Windowsが最新のセキュリティパッチを含め適用済みか再起動後に再度Updateを実行、デバイスマネージャをチェック
デバイスメーカーのアップデートLenovo Vantageなどメーカー独自のツールで最新化を行っているか最新のBIOS、ドライバ、ファームウェアをインストール
Teams RoomアプリのバージョンMTRアプリが古いバージョンのままではないかPowerShellやMicrosoft Store、またはTeams Admin Centerで確認
サポート依頼の状況Microsoftサポートやメーカーサポートへ情報提供済みかエラーコードや状況を共有し、ログやスクリーンショットを提出

このように各項目を確認しながらトラブルシューティングを進めることで、二度手間を防ぎつつ効率的に原因を特定しやすくなります。

エラーが続く場合の追加検討事項

それでも問題が解決しない場合は、以下のような追加対応を検討します。

1. デバイスのOSリセットを再度実施

Windowsの初期化を実施しても問題が解消しない場合には、初期化の際にすべてのWindowsアップデートが完全に適用される前にMTRアプリがインストールされているなどのタイミングのずれが原因の可能性があります。もう一度ゼロからセットアップする際には、OSを最新化→再起動→MTR導入の順序を徹底しましょう。

2. ハードウェア不良の可能性

HDMIアダプタやデバイス本体のポートに物理的な損傷や製品不良があると、認定が正しく行われないことがあります。純正品を再調達して検証してみる、もしくは一時的に別の同等デバイスでテストを行うのも手です。

3. 全社的なネットワークポリシーの影響

大規模企業では、セキュリティポリシーが厳格に設定されていることがあります。プロキシ設定や認証サーバが原因で、WindowsアップデートやMTRのアップデートが正しくダウンロードできないケースもあるため、ネットワーク管理者に確認が必要です。

4. Microsoftサポートと連携した詳細ログ解析

Teams管理センター経由でチケットを発行しても解決しない場合は、ログ解析や追加のデバッグツールの使用が必要になる場合があります。問題が長期化するほどビジネスに影響が出るため、早めに連携してトラブルを最小限に抑えることが重要です。

まとめ:確実なアップデートと純正アクセサリの徹底がカギ

Microsoft Teams Roomで「認定されていない」といったエラーが発生した場合、まずは純正のHDMIアダプタやケーブルが正しく使われているかを確認し、Windows・MTRアプリ・デバイスメーカーのファームウェアなど、すべてを最新の状態に保つことが重要です。特にWindowsアップデート直後はバージョン不整合が起きやすく、タイミングをずらして何度か更新を繰り返すことでエラーが解消されることがあります。もし改善しない場合はTeams Admin Center経由やPowerShellを活用した専門的なアプローチ、さらにはMicrosoftサポートを頼ることで根本的な問題解消につなげられます。

Lenovo ThinkSmartとLogitech Tapを組み合わせている環境や、その他の周辺機器を導入している複雑なケースでも、基本的な更新手順や接続の見直しを行うことがトラブルシューティングの王道です。安定したオンライン会議環境を構築するためにも、ハードウェアとソフトウェアの両面で最新化とメンテナンスを徹底し、認定エラーを解消して円滑なTeams会議を実現しましょう。

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