Microsoft Plannerを使って新しいタスク管理体制を整えようとしていると、画面に表示されるはずの「進捗」フィールドがなかったり、グリッドビューで思うようにグループ化ができなかったりと、疑問を感じることはありませんか。実は、新しいPlanner(Teams連携版)にはPremiumプラン向けの機能が段階的に追加されており、環境によって表示されない項目や不具合が発生する事例が報告されています。本記事では、よくあるトラブルの原因や対処法を中心に、今後の展望までまとめて解説します。
新しいPlannerで「進捗(Progress)」フィールドが表示されない問題
Microsoft PlannerのPremium機能として、タスクの状態をより明確に管理できる「進捗(Progress)」フィールドがあります。しかし環境によっては、この進捗フィールドが新UI上で表示されず、あたかも「実装されていない」ように見えてしまう事象が起きています。さらに、グループ化やフィルタの条件としては「進捗」が選択できるのに、カラムとしては見当たらないという矛盾も報告されており、多くのユーザーが混乱しているようです。
なぜ表示されないのか
原因として考えられるのは、Microsoftが提供する新しいPlanner機能がテナントごと・ユーザーごとに段階的にロールアウトされていること、そして一部の環境でTeams上の表示不具合が生じている可能性がある点です。Microsoft 365は非常に多くのユーザーを抱えており、新機能を一斉にリリースするのではなく、少人数から徐々に拡張していく方式を採用しているため、特定のテナントでは機能自体がまだ反映されていない、もしくは不具合によって隠れているケースがあり得ます。
チェックすべき対処法
ブラウザ版Teamsでも確認する
第一に、デスクトップアプリ版のTeamsで不具合が生じているだけかもしれません。ブラウザ版Teams(Edge、Chromeなど)でも同じチームやプランを開き、進捗フィールドが表示されるかどうかを確認してみてください。デスクトップアプリ特有のキャッシュやアップデート状況が影響している場合、ブラウザ版では問題なく表示される可能性があります。
Microsoft 365管理センターからサポートに問い合わせ
もしブラウザ版Teamsでも同様の事象が続く場合は、Office 365またはMicrosoft 365の管理者アカウントを持っている方に依頼し、Microsoft 365管理センターからサポートチケットを発行するのがおすすめです。機能のロールアウト状況を確認してもらったり、バックエンド側の不具合を修正してもらうことで、問題解決への近道となります。
一時的な解決策と今後の展望
「進捗(Progress)」機能が一部のユーザーのみ利用可能になっている場合、そのテナント全員が利用できるまで待つしかないことも多いです。ただし、新しいPlannerはPremiumプラン向けに「スプリント機能」や「依存関係管理」「タイムライン(ガントビュー)」などを順次追加しており、今後はより多機能・安定した状態になると期待されています。どうしても待てない場合はサポートに相談し、優先的に機能をアクティブ化できるか確認すると良いでしょう。
グリッドビューで特定のフィールドでグルーピングできない問題
新しいPlannerではグリッドビュー機能が提供され、従来のボードビュー(バケットごとにタスクを並べる画面)では見づらかった情報を一括で確認しやすくなりました。しかし、このグリッドビューで「特定のフィールド」によるグルーピングができないケースが多く報告されています。たとえば、カスタムで作成したテキストフィールドや、まだ正式にサポートされていない属性を使ったグルーピングが思うように動かないという例です。
未実装の可能性が高い
Microsoftの公式ドキュメントでも明言されているわけではありませんが、多くのユーザー体験から、現時点ではグリッドビューでのグルーピングに制限があると考えられます。ボードビューではバケットや進捗ステータスなどに従来通りグルーピングできますが、それ以外のカスタムフィールドなどは、まだ対応していない可能性が高いです。
今後のアップデートに期待
Plannerのロードマップでは、グリッドビューの強化を進めているとの情報が示唆されています。ただし、具体的な時期や機能追加の範囲は公式にアナウンスされていないため、いつから利用できるかは不透明です。企業のアプリケーション運用担当者は、アップデート情報を定期的にチェックし、実装された場合にすぐ対応できるよう準備を整えておくと良いでしょう。
カスタムフィールド追加時の制限:「複数選択」や「Person」フィールド
新しいPlannerの大きな注目ポイントとして、タスクにカスタムフィールドを追加できる機能があります。しかし、「複数選択(Multiple selection)」や「Person(ユーザー選択)」など、他のMicrosoft 365製品(例:SharePointリストやMicrosoft Lists)では当たり前に見られるフィールドタイプがPlannerで利用できないという問題が浮上しています。
まだロールアウトされていない・未実装
複数選択型やPerson型のフィールドは利便性が高いため、多くの利用者が待ち望んでいます。ところが、新Plannerの提供範囲はまだ限定的で、段階的にアップデートされるという方針が公表されています。そのため、現時点で管理センターをいくら探しても、これらのフィールドを追加するオプションは見当たらないかもしれません。
今後のリリース計画
これらのカスタムフィールドが実装されれば、タスク管理の幅が格段に広がります。しかし、Microsoftの公式コミュニティでも「要望は多いが、具体的なリリース日は未定」という回答が多いため、しばらくは待機が必要です。もし導入を急ぐ場合は、Power Automateを活用してSharePointリストと連携し、実質的にPlannerを補完する方法も検討すると良いでしょう。
タイムライン(ガントビュー)で「完了日」などの列追加ができない
新PlannerのPremium機能として追加されたタイムライン(ガントチャートビュー)は、プロジェクト管理の視点から非常に注目されています。従来のPlannerでは見えなかったタスクの時間軸や依存関係を可視化できるため、プロジェクトマネージャーには特に便利な機能です。しかし、ユーザーの要望として多いのが「自分で任意の列(完了日や責任者など)を表示・追加したい」というもの。ところが、現状ではこれができません。
列追加は現在サポート外
タイムラインビューでは、標準で表示される属性(タスク名、担当者、開始日・期限日など)に限定されており、新しく別の属性(例えば、カスタムで追加したテキストや「完了日」など)をガント表示に反映させる機能は実装されていません。ExcelやProjectなど他のツールでは当たり前のように列カスタマイズが可能なので、Plannerユーザーからは「いつ実装されるのか」という期待の声が高まっています。
今後の拡張予定
Microsoftの開発ロードマップを見る限り、ガントビューはPremiumプランの中核機能としてさらに拡充される見込みがあります。カスタム列追加がいつサポートされるかは明言されていませんが、「今後強化される」方針だけは公式に示唆されているようです。早めにガント表示にカスタム情報を反映させたい場合は、同じくPower AutomateでExcelやProject Onlineとデータを同期し、独自のガントチャートを作成する方法もあります。
複数行(タスク)の特定フィールドをまとめて変更できるか
Plannerで大量のタスクを管理していると、「この10個のタスクの期限日を一括で来週に延期したい」「複数タスクのステータスをまとめて進捗中に変えたい」など、一括編集のニーズが高まってきます。従来のPlannerでは、期限日や開始日のような基本的な項目を複数選択して変更することが難しく、手作業で1つずつ編集しなければならない場面が多々ありました。
公式機能では制限が多い
新Plannerでも、一括編集に関する機能はまだ十分ではありません。一部、チェックリストの一括変更や期限日のまとめ変更などが可能になることが期待されていますが、現状では「複数のタスクをドラッグしてまとめて編集」というような操作はサポートされていません。
Power AutomateやExcel連携を活用する
どうしても複数行のタスクをまとめて変更したい場合、Power Automate(旧Microsoft Flow)を用いてPlannerタスクをExcelやSharePointリストに一旦出力し、そこで情報を一括操作してPlannerに書き戻すといったワークフローを作成する方法が考えられます。多少の手間や知識は必要ですが、公式機能の実装を待つより確実な手段となるでしょう。
問題解決と今後のアップデートを見据えたおすすめアクション
これまで紹介してきた新Plannerの不具合や未実装機能について、最終的には「Microsoftのサポートに問い合わせる」か「機能の正式リリースを待つ」しかないケースが多いです。ここで、代表的な問題とアクションを表でまとめます。
発生している問題 | 考えられる原因 | 推奨アクション |
---|---|---|
進捗(Progress)フィールドが表示されない | ・段階的ロールアウトの遅延 ・Teamsアプリの表示不具合 | ・ブラウザ版での確認 ・管理センターからサポート問い合わせ |
グリッドビューで特定フィールドをグルーピングできない | ・まだ機能の正式実装が行われていない | ・機能アップデートを待つ ・他のビューやPower BI連携を検討 |
「複数選択」や「Person」などのカスタムフィールドが見当たらない | ・新Plannerでのロールアウト範囲が限定的 | ・実装予定の公式情報をウォッチ ・回避策として外部サービス連携 |
タイムライン(ガントビュー)に列を追加できない | ・列カスタマイズ機能がまだ未実装 | ・実装まで待機 ・Excel/Projectとの連携で代替 |
複数タスクの一括変更ができない | ・Planner公式機能の制限 | ・Power AutomateでExcelやSharePointと連携 ・サードパーティツールの利用 |
上記のように、問題によっては直ちに解決策が見つかるものもあれば、公式の機能追加を待つ必要があるものもあります。新Plannerは非常に便利な反面、まだ新しいゆえに機能の成熟度が追いついていない部分があります。導入を検討する際は、事前にどこまで使用可能なのかを調べておくと安心です。
まとめ・今後の展望
Microsoft Plannerは、チーム内のタスク管理をシンプルに行えるツールとして高く評価されています。さらに、Premiumプランではより高度な機能(スプリントやガントビュー、依存関係など)が追加され、新しいプロジェクト管理の選択肢として期待されています。ただ、これらの機能は段階的リリースのため、テナントやユーザーによっては「表示されない」「グルーピングできない」「一括操作ができない」といった制約に直面することがあります。
こうした問題に直面した場合は、まずはブラウザ版Teamsでの再確認や管理者経由でサポートチケットを発行し、現在のロールアウト状況やバックエンド不具合を確認する手順を踏むとスムーズです。また、新機能が実装されるまでの間は、Power AutomateやExcel、SharePointなどの連携サービスを活用し、Plannerが持つ課題を補完することで、より快適なタスク管理を実現できます。
今後、Plannerはさらに機能拡張され、既存のProjectやTo Doとも連携が強化される見込みです。現段階で物足りなさを感じる機能でも、将来的にカバーされる可能性は十分にあるでしょう。最新の情報を把握しつつ、必要に応じて不具合や要望をサポートに伝えることで、新Plannerの利便性を最大限に引き出してください。
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