Teams会議の参加者レポートはいつまで見られる?期限と保存先を徹底解説

穏やかな在宅勤務や効率の良いオンライン会議を実現するうえで、Teams会議の参加者レポートはとても役立ちます。参加状況の把握や分析ができるだけでなく、議事録の精度向上にもつながるため、多くの企業や組織で利用されています。しかし、「このレポートはいつまで閲覧できるのか?」や「保存先はどこなのか?」という不安の声もしばしば聞かれます。この記事では、参加者レポートの有効期限と保管場所に関するポイントを徹底的に解説します。

Teams会議の参加者レポートとは

Teams会議の参加者レポートは、会議に参加したユーザーの情報(参加時間や退出時間など)を一覧で確認できる便利な機能です。特に以下のようなシーンで活用されるケースが多いでしょう。

  • オンラインセミナーや研修での出席確認
  • 会議への出席率や遅刻率の把握
  • 複数拠点からの参加状況分析

参加者の動きが視覚化されることで、会議後の振り返りや次回の運営改善につなげやすくなります。

取得方法は主に2種類

参加者レポートの取得には、主に以下の方法があります。

  1. 会議主催者がTeamsデスクトップアプリから直接ダウンロード
    会議チャットのレポート表示から、主催者だけがファイルをダウンロードできます。ファイル形式は通常CSVで、Excelや他のツールで簡単に開けます。
  2. Teams管理センター(Microsoft 365 管理者向け)からダウンロード
    IT管理者やグローバル管理者が、Teams管理センター内の「レポート」機能を利用して会議の参加状況を取得できます。ただし、これは一般ユーザー向けの手順ではないため、管理権限を持っている人のみが利用可能です。

参加者レポートの有効期限に関するポイント

「レポートは30日で消えてしまうのか、それとも永久に保存されるのか」という疑問は多くの人が気にするところです。結論としては、「主催者がTeamsデスクトップアプリを通じて会議チャットにアクセスできる限り、レポートは消えない」とされています。ただし、いくつか知っておきたい注意点があります。

管理センターからの閲覧は30日間限定

Teams管理センターから会議の参加者レポートを参照する場合は、30日という有効期間があります。過去30日を越えた会議のレポートは、管理センター経由では表示・ダウンロードできなくなります。
一方で、会議の主催者が自分のTeamsチャットからレポートを確認する場合は、有効期限が設定されていない点に注目してください。会議のチャット履歴に参加レポートが残っていれば、いつでも再ダウンロードが可能です。

保存場所は主催者のExchange Onlineアカウント

参加者レポートのデータは、実際には主催者のExchange Onlineアカウントに紐づいています。これにより、チャットや「録画とトランスクリプト」タブから参照できる仕組みになっています。
ただし、主催者が組織を離れるなどしてアカウント自体が削除されると、それに伴いレポートデータも失われる可能性があります。もし主催者が退職予定の場合は、レポートのバックアップなどを検討しておくと安心です。

自動削除の仕組みは基本的に存在しない

Microsoft公式のドキュメントを見る限り、特定の期間が経過すると自動的に削除されるという設定は確認されていません。企業や組織ごとに独自のデータ保持ポリシーが適用されている場合を除き、主催者がレポートファイルを削除しない限りは残り続けると考えられます。
ただし、共有ストレージ上のファイルやメールボックスの保管期限がポリシーで制限されている場合は、その範囲内で自動的に削除される可能性はあるため、IT部門の方針を確認しましょう。

大人数会議での不具合リスク

120名を超えるような大規模会議の場合、参加者レポートの取得時に不具合や一部データ欠落が起こる可能性があります。以下に代表的なケースを挙げます。

レポートの表記が欠落する

会議参加者が非常に多い場合、レポートに一部のユーザーの出席情報が含まれないケースが報告されています。このような状況を回避するには以下の方法があります。

  • 複数のブレイクアウトルームを用いて、参加者を分散させる
  • 事前にアジェンダや共有資料を作成し、会議参加者を厳選する
  • 必要に応じて複数回の会議に分割して開催する

ダウンロードの失敗や時間切れ

参加者が非常に多い場合、ファイルサイズが大きくなりダウンロードが失敗したり、時間がかかりすぎてエラーになることがあります。安定したネットワーク環境を整えたり、オフピーク時間帯にダウンロードを実行するなどの対策が考えられます。

参加者レポートを活用するコツ

せっかく取得できるレポートをより有効に活用するには、以下のポイントを押さえておくことをおすすめします。

Excelでデータを整理・分析する

レポートは通常CSVで取得できるため、Excelで読み込めばグラフやピボットテーブルを利用した分析が簡単に行えます。例えば以下のような分析が可能です。

分析内容方法期待できる効果
会議の参加率ピボットテーブルで「参加者数/招待者数」を算出会議がどれだけ重要視されているか把握
遅刻や早退の傾向各ユーザーの参加時間を比較時間管理・ルール作りの改善に役立つ
発言量の分析(チャット等)他のデータソースと合わせて発言回数や頻度を集計会議のアクティブ度や議論活性度を計測

このように、レポートの数値を多角的に評価することで、単なる出欠確認だけでなく、会議全体の質の向上につながる示唆が得られます。

Power BIで可視化する

レポートをさらに高度に分析したい場合は、Power BIを活用するとダッシュボード形式で視覚的なレポートを作成できます。次のようなステップで設定すると便利です。

  1. Teamsの参加者レポート(CSVファイル)をPower BI Desktopに取り込む
  2. 必要に応じてデータクレンジングを実施(空白行の削除、列名の変更など)
  3. カスタムビジュアルを用いて、参加推移や稼働率を一目でわかるグラフに変換
  4. ダッシュボードとして共有し、組織全体で定期的に閲覧

Power BI Serviceと連携すれば、オンラインでいつでもアクセス可能になるため、最新の参加状況をリアルタイムにチェックできます。

退職や組織変更に伴うリスクと対策

主催者のアカウントに紐づくデータである以上、主催者本人が退職や異動でアカウントが削除された場合はレポートが失われるリスクがあります。以下の対策が考えられます。

レポートのバックアップを取得する

会議が終了するたびに、主催者または管理者が定期的にレポートをダウンロードして社内の安全なストレージに保存しておくと安心です。保管先としては、SharePointやOneDriveなどのクラウドストレージを利用すると、組織内でのアクセス管理も行いやすくなります。

ポリシーで退職時のアカウントデータ移行を義務付ける

組織のITポリシーや就業規則で、退職時に主催者アカウントが持つ重要データの引き継ぎを義務付ける仕組みを作っておくとスムーズです。退職手続きの一環としてレポートデータを新たな担当者のアカウントへ移行する仕組みを整備すれば、レポートの継続的な活用が可能になります。

Teams参加者レポートに関するよくある疑問

会議当日のレポート反映に時間はかかるの?

会議終了直後にレポートが反映されることがほとんどですが、場合によっては10分程度のタイムラグが生じることがあります。ネットワーク状況やMicrosoft 365の負荷状況によって変動するため、会議終了からすぐにレポートが見当たらない場合は、少し待ってから再度確認してみてください。

レポートに抜けや重複がある場合は?

不具合で「一部の参加者が含まれていない」「同じユーザーが複数回記載される」といった問題が起こるケースがあります。こうした場合は以下の対処法を試してみましょう。

  • 最新のTeamsクライアントにアップデートする
  • ブラウザや別のデバイスから再取得を試す
  • 管理者に依頼してTeams管理センター側のレポートも確認する

環境依存の問題もあるため、最新版のクライアントを使用するのが望ましいです。

PowerShellやGraph APIで自動取得できるの?

公式に提供されているTeamsのGraph APIやPowerShellモジュールを活用すると、会議の参加状況データを自動で取得・処理する仕組みを構築できる場合があります。ただし、エンドポイントやAPIの仕様が変わる可能性もあるため、導入前にMicrosoftの最新ドキュメントを確認してください。

# 以下は一例であり、実行には環境設定や認証が必要です
# Graph APIをコールして会議参加レポートを取得する例

$tenantID = "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx"
$clientID = "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx"
$clientSecret = "********************"
$meetingID = "0000000-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx"

# トークンを取得
$tokenBody = @{
  grant_type    = "client_credentials"
  scope         = "https://graph.microsoft.com/.default"
  client_id     = $clientID
  client_secret = $clientSecret
}

$tokenResponse = Invoke-RestMethod -Uri "https://login.microsoftonline.com/$tenantID/oauth2/v2.0/token" -Method Post -Body $tokenBody
$accessToken   = $tokenResponse.access_token

# 参加者レポートエンドポイント例(仮)
$apiUrl = "https://graph.microsoft.com/v1.0/teams/meetings/$meetingID/attendanceReports"

$headers = @{ Authorization = "Bearer $accessToken" }

$reportData = Invoke-RestMethod -Uri $apiUrl -Method Get -Headers $headers

Write-Host $reportData

上記のようにスクリプトを組むことで、参加者レポートの自動取得や、組織内システムへの連携が可能となるケースがあります。
ただし、本格的に導入するには管理者権限やアプリ登録などの準備が必要になるため、運用ルールを明確に定めてから活用すると良いでしょう。

まとめ

Teams会議の参加者レポートは、主催者がデスクトップアプリを通じてアクセスできる限り、基本的に自動削除されることはありません。ただし、Teams管理センターからの参照に限っては30日間の期限が設けられています。主催者のアカウントが削除されてしまうとレポートそのものが失われるリスクがあるため、バックアップやデータ移行のルールづくりが大切です。
120名を超える大規模会議では取得できる情報に不具合が生じる場合もあるため、参加者数の把握やブレイクアウトルームの活用など、あらかじめ対策を練っておくと安心です。
レポートを活用すれば、会議出席状況の分析だけでなく、議論の活性度やチームの連携状況など、オンライン会議におけるさまざまな改善のヒントを得ることができます。ぜひ、上手に活用して効率の良いコミュニケーションと生産性の高い会議を実現しましょう。

コメント

コメントする