Microsoft Teams Classic再インストールと新バージョンへの切り替え完全ガイド

人々がテレワークやオンラインミーティングを行う環境において、Microsoft Teamsは非常に重要なツールとして定着しています。しかし、新バージョン(通称「New Teams」)がリリースされて以降、「従来のClassic Teamsを引き続き使いたい」「新旧の切り替えがうまくできない」という声が多く聞かれるようになりました。そこで、本記事ではClassic Teamsのダウンロード状況と新バージョンへの移行、そして具体的な対処法や注意点までを詳しく解説していきます。

Microsoft Teams Classic版と新バージョンの概要

Microsoft Teamsのユーザーインターフェースやパフォーマンスを大幅に刷新した新バージョン(New Teams)は、チャットやミーティング管理の動作が高速化し、リソース使用量も軽減されているのが特長です。しかし、企業や学校などの組織単位で運用している場合、カスタムアプリとの互換性やシステムポリシーの都合により、従来のClassic版を使い続けたいという要望が少なくありません。また、操作感の違いに慣れないユーザーが、新バージョンから旧バージョンに戻したいと思うケースもあります。

Teamsのバージョンを切り替える方法や旧バージョンのダウンロードリンクは、以前は比較的簡単にアクセスできました。しかし、2024年以降のMicrosoftによる段階的なClassic Teamsの強制アンインストールや、2025年のサポート終了方針などが公表されたことに伴い、現在は公式ダウンロードページにアクセスしても新バージョンが提供されるのが一般的です。さらに、組織のテナント設定によっては、旧バージョンのインストール後すぐに新バージョンへ切り替わってしまうケースも多発しています。

Classic Teamsを使い続ける理由

Classic Teamsをあえて使い続ける理由は、大きく分けて以下のような点が挙げられます。

  • 独自のTeamsアドインやボットが新バージョンに未対応
  • 組織ポリシーや既存システムとの連携が旧バージョン前提
  • ユーザーが新UIに慣れず、従来の操作性を求めている
  • 最新機能ではなく安定性を重視したい

ただし、こうした需要に対しても、Microsoftは最終的に新バージョンへの移行を強く推奨しており、サポート終了が近づくにつれClassic版を継続利用するのはどんどん厳しくなってきています。

新バージョンが勝手にインストールされる仕組み

Microsoft 365(旧Office 365)を利用している環境では、自動アップデート機能がオンになっているケースが多く、組織管理者が特に設定変更を行わない限り、新バージョンのTeamsが検出されると自動で配信・インストールされます。通常、WindowsやMacのスタートアップ時に最新のクライアントを適用する形です。

加えて、Windows Updateのオプション機能を通じてTeamsが更新されたり、ユーザーが誤って新バージョンのインストーラーをダウンロードしてしまったりすることも少なくありません。そのため、「気づいたらClassicがアンインストールされていた」「トグルをオフにしてもすぐに新バージョンに戻ってしまう」という現象が発生しやすくなっています。

Classic Teamsのダウンロードリンクと現状

かつては下記のようなリンクから、Classic Teamsのインストーラー(MSI)を直接ダウンロードできましたが、現在は同じURLにアクセスしても新バージョンへ強制転送される、あるいは新バージョンのMSIがダウンロードされるケースが非常に多くなっています。

このように公式ドキュメントで紹介されているURLは、リダイレクト先が随時更新されているため、今から新たにClassic Teamsのインストーラーを入手することは難易度が高いのが現状です。

バージョン固定のMSIを直接ダウンロードする方法

一部のユーザーは、以前から保持している古いMSIファイル(例:Teams_windows_x64.msiなど)を使って再インストールを試みることがあります。具体的には下記のようなリンク構造です。

https://statics.teams.cdn.office.net/production-windows-x64/1.7.00.XXXX/Teams_windows_x64.msi

XXXXの部分に特定バージョン番号を当てはめてダウンロードする仕組みですが、すでにMicrosoftのサーバー側で古いバージョンの提供が終了していたり、ダウンロードできてもインストール時にエラーが出ることが多くなっています。また、成功しても組織のポリシーによってログインが拒否されたり、起動後に即アップデートが走り、新バージョンに切り替わってしまう場合もあるため、長期間使用できる保証はありません。

表:主なダウンロードエラーの原因と対処

エラーの種類原因対処例
404 Not Foundバージョンがサーバーから削除された別のバージョン番号を試す、またはMicrosoftサポートに問い合わせ
インストール時エラーOS環境の不一致、権限不足、組織ポリシー管理者権限で実行、ポリシー設定の確認
起動直後に強制アップデート自動更新が有効で新バージョンが配信済自動更新機能をオフにする(推奨されない)

Classic Teamsから新バージョンへの強制移行の背景

Microsoftは2024年4月頃から本格的なClassic Teamsのサポート終了に向けた準備を進めており、段階的に以下のような施策を実施しています。

  • テナント全体のポリシーでClassic版の自動アンインストールを実行
  • 個別の端末でClassic版のインストールが検知されると即座にアップデートを適用
  • 新規ユーザーに対しては新バージョンのみを配信

これにより、古いTeamsを継続利用していたユーザーがある日突然「Teamsが起動しない」「新バージョンしか使えない」状態に陥る事例が多発しています。また、組織ごとに切り替えスイッチが無効化される場合もあり、ユーザー側で手動でClassic版を起動しようとしてもエラーが出るなど、事実上使えなくなる状況になっています。

サポート終了は2025年を予定

最新の情報では、2025年にはClassic Teamsのサポートが終了し、以降は完全に新バージョンへ移行する方針が発表されています。つまり、それまでの間は一部の旧バージョン利用が許される場合もありますが、Microsoftが提供する更新プログラムやテナントポリシーの変更によって、いつ強制的に新バージョンへ移行させられてもおかしくない状況です。

企業や学校などの組織で利用している場合は、IT管理者が「今後の移行スケジュール」や「既存システムの対応状況」を明確にしておくことが重要です。また、ユーザーは日頃からOffice 365やMicrosoft 365の管理者からのアナウンスをチェックし、突然使えなくなる事態を避けるためにも早めの準備を心掛けましょう。

切り替えスイッチのトラブルと解決策

新バージョンがインストールされている環境では、通常Teamsの画面上部や設定画面に「新バージョンを試す/Classicに戻す」といったトグルスイッチが表示されます。このスイッチをオフにすることで、理論上は旧Teamsに戻れるはずですが、以下のようなトラブルが多く報告されています。

  1. スイッチをオフにしても自動的に新バージョンが起動してしまう
  2. Classic版がすでにアンインストールされており、実行ファイルが存在しない
  3. 一度切り替えに成功しても、次回起動時にまた新バージョンが立ち上がる
  4. 組織ポリシーによってスイッチ自体が表示されない

根本的な解決策:新バージョンへの移行準備

こうしたトラブルの根本的な原因は、Microsoftの移行方針と組織側のポリシー設定が噛み合っていないことにあります。すでに旧バージョンが推奨されなくなっているため、ユーザーが自己判断でClassicに戻そうとしても、システム側が再び新バージョンをインストールしようとするのです。最終的な解決策としては、以下の流れを検討するのがおすすめです。

  1. 組織のIT管理者と相談し、新バージョンで必要なアドインやワークフローが動作するように調整
  2. ユーザーに新バージョンの操作方法を周知し、移行トレーニングを行う
  3. やむを得ずClassicを利用する場合は、短期的な対応策と割り切り、長期的には新バージョンへシフトする計画を立てる

Mac版におけるClassic Teamsの状況

Windows版に比べ、Mac版のMicrosoft Teamsは過去バージョンのアーカイブがさらに少なく、公式ドキュメントにあるダウンロードリンクも新バージョンへリダイレクトされることがほとんどです。特に企業管理のMac環境では、Jamf Proなどの管理ツールを使ってアプリの配信が行われるケースが多いため、ユーザー個別で旧バージョンをインストールするのは極めて困難です。

もしMacで旧バージョンを一時的に利用したい場合は、以下のような方法を試すことが考えられます。

  • 組織管理者からClassic Teamsのインストーラーを提供してもらう
  • 独自に保持している旧バージョンのPKGまたはDMGファイルをインストール
  • 自動更新をオフにした上でアプリを起動(非推奨)

ただし、Windows版同様、組織ポリシーやMicrosoftのサーバー設定によってすぐに新バージョンへアップデートされる可能性が高いため、長期間使い続けるのは難しいでしょう。

組織や管理者が取るべきアクション

Classic Teamsから新Teamsへの切り替えに伴う混乱を最小限に抑えるには、組織の管理者が早めに情報収集と対応策を整えることが重要です。以下のステップを参考にするとよいでしょう。

1. 移行ポリシーの明確化

Microsoft 365管理センターやTeams管理センターで、新バージョンの配信ポリシーや強制移行のスケジュールを確認します。テナントごとに移行タイミングが異なる可能性があるため、自組織がいつ切り替え対象になるのか把握しておきましょう。

2. アドインやボットの検証

すでにClassic版に依存しているアドインやボットがある場合、新バージョンで問題なく動作するか検証を行います。動作しない場合はアップデートや置き換えを検討し、早めにユーザーへ周知します。

3. ユーザートレーニングとガイドライン作成

新バージョンのTeamsはUIが変わったり、操作性が若干異なる部分があります。操作マニュアルやトレーニング資料を作成し、ユーザーに周知しておくことで混乱を減らせます。特に、チャット画面やミーティング管理画面など、日常的に使う機能の違いは明確に説明すると良いでしょう。

4. 更新ポリシーの制御

万一、まだClassic Teamsの利用が必要な場合、管理センターの更新ポリシーを一時的に調整して自動更新を遅らせる方法も考えられます。ただし、これは組織全体のセキュリティや最新機能の利用に影響を及ぼすため、リスクとメリットをよく検討して判断してください。

ユーザーが個人でできる対処法

もし管理者の方針とは別に、どうしても個人的にClassic Teamsを再インストールしたい場合、以下のような対処法を試してみることが考えられます。

1. 古いインストーラーの確保

過去にTeamsをインストールした際のMSIファイルやPKGファイルを保管していた場合、そのファイルを利用すればインストール自体は一時的に可能な場合があります。ただし、ログイン時にエラーが発生したり、即座に新バージョンに更新される可能性が高いため、長期的な利用は期待できません。

2. 組織のIT管理者に相談

個人利用であっても、アカウント自体が組織の管理下にある場合は、Teamsのダウングレードがテナントポリシーで禁止されていることがあります。そのため、独断でインストーラーを入手しても使えない可能性があるので、まずは管理者に相談してみましょう。

3. Microsoftサポートへ問い合わせ

どうしても新バージョンが正常に動作しない、互換性の問題で業務に支障が出るといった場合は、Microsoftサポートに連絡するのも一つの手です。サポートチケットを発行して事情を説明すれば、一時的に旧バージョンの利用を認めてもらえる場合もあります。ただし、その際でも最終的には新Teamsへのアップグレードが推奨されるため、期限が限られることが多いです。

今後の見通しとまとめ

Classic TeamsはすでにMicrosoftの主力製品ではなく、新バージョン(New Teams)の方に開発リソースが集中しています。今後も段階的に旧バージョンのダウンロードリンクは削除され、テナント単位の強制移行も進められる見込みです。特に2024年以降は、組織によっては突然Classicが使えなくなるケースが増えると考えられます。

長期的に見れば、Classic版を使い続けるリスクは年々高まり、企業や教育現場での運用継続は事実上困難になるでしょう。そのため、最終的には新Teamsへの移行を前提に、アドインや業務システムの互換性問題を解消し、ユーザーに十分なトレーニングを行うことが不可欠です。

一時的な対処として、新Teamsの動作環境に問題がある場合は、適切なサポート窓口や管理者への相談を通じて、OSバージョンアップやハードウェアの更新を含む総合的な対策を検討しましょう。Microsoftとしても、より高機能かつ軽量なTeamsクライアントを提供するために努力を続けており、今後のバージョンではさらなる最適化が期待されています。

ポイントまとめ

  • Classic Teamsの公式ダウンロードは実質的に停止されつつあり、リンクは新バージョンへリダイレクトされる
  • 旧バージョンの再インストールに成功しても、組織ポリシーやサーバー側設定で新バージョンに切り替わる可能性大
  • 2024年以降の段階的な強制移行と2025年のサポート終了スケジュールに注意
  • どうしてもClassic版が必要な場合は、一時的な対応にとどめ、最終的には新Teamsへの移行を前提とする

まとめと今後のおすすめ対応

Microsoft Teamsは、リモートワークやオンライン学習などの場でなくてはならないソフトウェアに成長しました。一方で、新バージョンへの移行は大幅なアップデートによるメリットがある反面、旧バージョンを使い慣れたユーザーにとっては戸惑いが大きいのも事実です。特に組織として運用する場合、カスタムアプリケーションやボットとの互換性問題、セキュリティ対策、ユーザーへの周知徹底など、様々な課題を乗り越える必要があります。

しかしMicrosoftの方針は明確で、今後は新Teamsがメインストリームとなり、Classic版はサポート終了へ向けて段階的に姿を消していきます。リンク切れ、アンインストールの強制、アップデートの自動適用などによって、ユーザーが任意にClassic版を維持するのはほぼ不可能に近い状況になるでしょう。したがって、以下のポイントを踏まえて早めの移行準備を進めることが重要です。

  1. 社内で動作確認を行い、新Teamsで不具合のあるアドインを早期にアップデート
  2. ユーザーの操作教育やQ&A対応などの体制を整え、スムーズに移行できるよう準備
  3. 移行時期やリスクを社内で共有し、突然のダウンやトラブルを回避

もし現在「どうしてもClassic版を使いたい」という状況であっても、あくまでも一時しのぎの手段として考え、近い将来に新Teamsへ完全移行できるよう計画を立ててください。Microsoftからの正式アナウンスやサポート情報を常にチェックし、最新の移行ガイドラインに沿って対策を講じることが、トラブルを最小限に抑える鍵となるはずです。

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