新しいMicrosoft TeamsでGPUハードウェアアクセラレーションを無効化する方法と注意点

低スペックのパソコンでMicrosoft Teamsを使っていると、画面のチラつきや動作の重さに悩んでしまうことがあります。特に、新しいTeams(WebView2ベース)では「GPUハードウェアアクセラレーションをオフにする」設定が見当たらず困るケースも少なくありません。そこで今回は、旧Teamsで利用できたGPU無効化オプションの代替策として、WebView2の引数指定やEdgeの設定などを活用する方法をご紹介します。安定したパフォーマンスと快適な操作環境を手に入れるために、ぜひ最後までチェックしてみてください。

新しいTeamsにおけるGPUハードウェアアクセラレーションの背景

新しいMicrosoft TeamsはWebView2技術をベースとして動作するため、旧Teams(Electronベース)とは設定ファイルやシステム環境が大きく異なります。かつてのTeams Classicには設定画面から「GPUハードウェアアクセラレーションを無効化する」オプションが存在しており、これをオフにするだけで簡単にGPUを使わないモードに切り替えができました。しかし、新しいTeamsには同等のトグルスイッチが見当たらず、低スペックPCで画面がブレたり、入力が遅延したりといった問題を抱えてしまう方が増えているのです。

そもそもGPUハードウェアアクセラレーションとは?

GPUハードウェアアクセラレーションは、映像や画像処理に関する負荷の一部をGPU(グラフィックス処理装置)にオフロードして、CPUの負荷を軽減する仕組みです。通常は、GPUを活用することでグラフィックス描画がスムーズになり、Teamsの画面共有やビデオ会議も高速化される可能性があります。一方で、GPUドライバの相性や端末スペック、ネットワーク環境などによっては、かえって描画不良やパフォーマンス低下を引き起こすこともあり、環境に左右されやすい点がデメリットとなります。

新しいTeamsで無効化オプションが見当たらない理由

新しいTeamsでは設定画面が大きく変更され、従来のElectronベースで利用していた内部の設定ファイルやUI構成が刷新されました。その結果、ユーザーインターフェイス上で直接GPUアクセラレーションを制御するオプションが消滅しています。現在、Microsoftから公式に案内されている無効化手段はなく、ユーザーが自力でレジストリや環境変数を使う方法や、設定ファイルを編集する回避策がコミュニティなどで共有されている状況です。

GPUハードウェアアクセラレーションを無効化する主な方法

新しいTeamsにおいては、以下のような手段でGPUハードウェアアクセラレーションを無効化できる可能性があります。それぞれの方法には利点・欠点があるため、自分の環境やニーズに合わせて適切なものを試してみましょう。

方法1:WebView2の引数を指定(環境変数またはレジストリ)

新しいTeamsはWebView2を利用しています。WebView2(Microsoft Edgeのランタイム)はChromiumベースであり、ブラウザの起動時引数(コマンドラインオプション)を受け付けます。そこで、WebView2に渡す引数として--disable-gpuを指定することでGPUアクセラレーションをオフにする、という回避策が知られています。

1. コマンドプロンプト(管理者権限)で環境変数を設定する

以下のコマンドを実行することで、WEBVIEW2_ADDITIONAL_BROWSER_ARGUMENTSという環境変数に--disable-gpuをセットできます。Teams起動時にこの環境変数が読み込まれれば、GPUアクセラレーションをオフにする効果が期待できます。

setx WEBVIEW2_ADDITIONAL_BROWSER_ARGUMENTS --disable-gpu

上記を実行後、PCを再起動またはTeamsを再起動し、GPUに関する動作が変わるかどうかを確認しましょう。なお、管理者権限がない場合はユーザー単位での設定になるため、必要に応じて管理者に相談してください。

2. レジストリで設定する例

コマンドではなくレジストリを直接編集する方法もあります。環境変数は下記のレジストリキーに格納されるため、そこにWEBVIEW2_ADDITIONAL_BROWSER_ARGUMENTSを手動で作成してもOKです。

  • ユーザー単位の環境変数:
  HKEY_CURRENT_USER\Environment
  • システム全体の環境変数:
  HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\Environment

両方またはいずれかのレジストリキーに下記の文字列値を追加してください。

"WEBVIEW2_ADDITIONAL_BROWSER_ARGUMENTS" = "--disable-gpu"

設定後はPCを再起動してからTeamsを起動し、GPUアクセラレーションが無効になっているかを確認します。ただし、Microsoft公式ドキュメントでは「WebView2のブラウザ引数は将来的に保証されるものではない」と言及されています。そのため、この方法は今後のアップデートで使えなくなる可能性もある点には注意が必要です。

方法2:desktop-config.jsonの編集

旧Teams(Electronベース)では%APPDATA%\Microsoft\Teams\desktop-config.jsonを編集することで"disableGpu": trueのように設定し、GPUハードウェアアクセラレーションをオフにできました。新しいTeamsでも同様のJSONファイルが存在するとの報告があり、一部のユーザーはこれを編集して効果があったと主張しています。

  • JSONファイルの場所(一例):
  %APPDATA%\Microsoft\Teams\desktop-config.json
  • 編集手順:
  1. Teamsを完全に終了する(タスクトレイにも常駐させない)。
  2. desktop-config.jsonをバックアップしてからテキストエディタで開く。
  3. "disableGpu": falseとなっていればtrueに書き換える(項目自体がない場合は追加)。
  4. 保存したらTeamsを再起動し、GPU動作に変化があるかを確認する。

しかし、新しいTeamsではこの設定ファイル自体がアップデート時に再生成される、または設定が反映されないケースも散見されます。あくまでも「効く場合がある」と認識し、バックアップをしっかり取った上で試してみてください。

方法3:Microsoft Edgeのハードウェアアクセラレーションをオフにする

新しいTeamsはWebView2(Microsoft Edgeのエンジン)を利用しています。Edge本体の設定でハードウェアアクセラレーションを無効にすると、Teamsの挙動にも影響がある場合があるため、一度試してみる価値があります。

  1. Microsoft Edgeを起動し、「設定」を開く。
  2. 左メニューから「システムとパフォーマンス」を選択。
  3. 「利用可能な場合はハードウェアアクセラレーションを使用する」のスイッチをオフにする。
  4. EdgeとTeamsを再起動し、描画の改善やCPU使用率の変化を確認。

この設定でTeams側のGPU処理がすべて切れるわけではありませんが、一部の環境では画面チラつきやブレが軽減されたという報告があります。

方法4:Windowsのグラフィックス設定でTeamsを「省電力」に設定する

Windows 10およびWindows 11では、アプリごとにグラフィックス設定を制御できる機能があります。Teamsを省電力モードに指定すると、専用GPUを使わず内蔵GPUや低負荷モードで動作させることができ、結果としてGPUアクセラレーションを抑制する形になります。

  1. Windowsの「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィックス設定」を開く。
  2. 「アプリの選択」で「デスクトップアプリ」を選び、「参照」からTeamsの実行ファイルを指定する。
  3. 追加したTeamsを選び、「オプション」ボタンをクリックして「省電力」を選択。
  4. 設定を保存し、Teamsを再起動してパフォーマンスの変化を確認する。

環境によっては、この方法だけで大幅に改善される場合もあります。一方で、外部GPU(NVIDIAやAMD)を搭載している端末では最適なドライバ設定が必要になることもあるため、グラフィックスドライバの設定画面でもTeamsの優先度を省電力側に切り替えると効果が出やすいでしょう。

各方法の利点と注意点

以下に、主な4つの方法を比較した表をまとめました。自分の環境やリスク許容度に合わせて、最も適した手段を検討してみてください。

方法利点注意点
WebView2引数指定・比較的簡単に設定可能
・幅広い環境で再現性がある
・将来のアップデートで動作しなくなるリスク
・レジストリ編集は慎重に
desktop-config.json編集・旧Teamsの手法が活かせる
・ファイルのバックアップで簡単に元に戻せる
・新しいTeamsでは設定が反映されない可能性
・アップデートで上書きのリスク
Edgeの設定をオフにする・ブラウザ設定をオフにするだけで試せる
・手順がわかりやすい
・完全にTeamsのGPUを無効化できるかは環境依存
・Edge自体の描画性能も低下する可能性
Windowsグラフィックス設定・OS標準機能で安心感がある
・Teams以外のアプリにも同様の手法が活用可能
・設定できるのはGPU負荷を抑制する程度
・外部GPU使用環境だとドライバの追加設定が必要になる場合も

GPUハードウェアアクセラレーションをオフにする際のポイント

GPUを無効化すると多少の安定性向上が期待できますが、その分ビデオ会議や画面共有のパフォーマンスが落ちる可能性もあるため、運用にあたっていくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。

1. PCのスペックやドライバの更新状況をチェック

PC自体のスペックやGPUドライバが古いと、意図せずに描画不具合を起こしている場合もあります。ハードウェアアクセラレーションをオフにする前に、ドライバの更新やWindows Updateを最新状態にしておくと、改善が見込めるケースもあるので試してみましょう。

2. 大規模なビデオ会議が多い場合はパフォーマンス面に注意

GPUアクセラレーションを無効にすると、ビデオ会議中にCPU使用率が高くなり、全体的な動作が重くなる可能性があります。特に、大人数のオンライン会議や長時間の画面共有を多用するユーザーは、設定変更後のパフォーマンスを実際の利用シナリオで十分テストしてください。

3. チーム内での情報共有を忘れずに

組織やチームでTeamsを使っている場合は、GPUアクセラレーションを無効化することでトラブルが解決したり逆にパフォーマンスが落ちたりすることがありえます。設定変更は個人の判断で実施できるものの、チーム内で情報共有し、問題が生じたときにすぐに対処できるようにしておくと安心です。

よくある疑問とトラブルシューティング

Q1. オフにしても違いがわからない場合は?

A1. 端末構成によっては、GPUアクセラレーションをオフにしても目立った差が出ないことがあります。また、Teamsのバージョンによっては設定が反映されていない可能性もあります。管理者権限での設定やレジストリ、WebView2引数の確認を改めて行い、Teamsを完全に終了(タスクキル)した上で再起動してみてください。

Q2. GPUを無効にしたら映像が荒くなる・カクつく

A2. GPUオフによってCPU負荷が上がったり、ソフトウェアレンダリングでの映像処理に切り替わるため、ビデオ品質が下がる可能性があります。高画質でビデオ会議を行う必要がある場合は、本当にGPU無効化が必要かどうか再検討してみてください。

Q3. Microsoft Teamsの設定画面でオフにできるようになる予定はある?

A3. 現時点では公式にアナウンスされていませんが、ユーザーからの要望は強く、今後のアップデートで追加される可能性は否定できません。定期的にMicrosoftのドキュメントやアップデート情報をチェックすることをおすすめします。

まとめと今後の展望

新しいMicrosoft Teamsでは、旧TeamsのようにUI上の設定でGPUハードウェアアクセラレーションを無効化する方法が提供されていません。しかし、WebView2用の引数(環境変数・レジストリ設定)やdesktop-config.jsonの書き換え、Microsoft Edgeの設定やWindowsのグラフィックス設定といった回避策を組み合わせることで、実質的にGPUの利用を制限することが可能です。

ただし、これらの方法はいずれも「将来のアップデートで動作しなくなる可能性がある」「操作ミスによるリスクがある」「パフォーマンスが逆に低下する場合もある」といった懸念点を伴います。大規模会議やビデオチャットの多用など、実運用で影響が出そうな場合はテスト環境で事前に試すなど、慎重なアプローチが望ましいでしょう。今後、Microsoftが公式オプションを復活させたり改善策を提供したりする可能性もあるため、定期的に最新情報をチェックしておくと安心です。

追加のヒント:関連する設定の最適化

GPUハードウェアアクセラレーションをオフにする以外にも、TeamsやPC全体のパフォーマンスを最適化できるポイントがあります。

キャッシュのクリアや不要ファイルの削除

Teamsは長期間使用しているとキャッシュファイルが蓄積し、動作を重くする原因となることがあります。定期的にTeamsのキャッシュをクリアしたり、PCの不要ファイルをクリーンアップすることで、リソースが確保できる場合があります。

ネットワーク帯域の確保

Teamsはインターネット回線の帯域状況によっても動作が左右されます。大きなファイルをダウンロードしている、クラウドストレージと同期しているなど、回線を圧迫するタスクが裏で走っていると、ビデオ会議や画面共有で映像や音声が乱れる原因になることがあります。ネットワーク利用状況を見直して改善を図りましょう。

PCの放熱対策

ノートPCや薄型PCは熱がこもりやすく、負荷がかかるとサーマルスロットリング(発熱による性能低下)を起こす場合があります。GPUアクセラレーションオフ以前に、適切な冷却パッドを使う、ファンの排気口を塞がないようにするなど、放熱対策を行うのも大切です。

結論

新しいMicrosoft TeamsでGPUハードウェアアクセラレーションを無効にするには、現状公式にサポートされている手順がないため、環境変数やレジストリ、設定ファイルの編集、EdgeやWindowsの設定などを組み合わせて対処するしかありません。低スペック端末での動作改善や描画不具合の軽減が期待できますが、デメリットもあるため自己責任で試す必要があります。将来的に公式オプションが復活する可能性もあるので、アップデート情報やMicrosoftドキュメントを確認しながら柔軟に対応していきましょう。

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