「We’ve run into an issue」エラーが消えない!Teamsを復旧するためのWebView2再インストールガイド

Microsoft Teamsを起動しようとして「We’ve run into an issue」というエラーが表示されると、突然業務がストップして困ってしまうものです。特にデスクトップ版を愛用している方にとっては、原因がわからないままだと苛立ちが募ります。そこで今回は、このエラーの主な原因と具体的な対処法を徹底解説します。

「We’ve run into an issue」エラーの概要と原因

Microsoft Teamsのデスクトップ版を立ち上げようとした際に表示される「We’ve run into an issue」というメッセージは、単純にネットワークやTeams自体の不調だけが原因とは限りません。エラー文をよく読むと「Edge WebView2が必要」とも受け取れる場合があり、実際にはWebView2のインストールが失敗している、あるいはファイルが破損していることが原因であるケースが報告されています。

背景:WebView2とTeamsの関係

Teamsをはじめ、Microsoft 365関連の新しいアプリはWebView2という仕組みを活用してUIや機能の一部を動かしています。WebView2はMicrosoft Edgeのレンダリングエンジン(Chromiumベース)を利用し、デスクトップアプリ内でウェブ技術を扱うためのランタイムコンポーネントです。

  • TeamsがWebView2を必要とする理由
  • OneDriveやOutlookなどほかのMicrosoft 365系アプリとの共通基盤
  • Windowsの更新状況やアカウント関連の設定にも依存する部分がある

WebView2が存在しない、もしくは破損してしまうと、Teamsが起動時に必要なUI描画やコンポーネント呼び出しが行えず、エラーが起きる可能性が高まります。

最初に試しておきたい基本的な確認事項

Teamsのエラーに直面した場合、いきなりWebView2を疑う前に、以下のポイントを押さえておくとスムーズに原因切り分けができます。

1. Web版Teamsでログインできるか確認

デスクトップ版のみが不調で、Web版(例えばChromeやEdgeなどのブラウザ)からは正常にアクセスできる場合、ネットワークやアカウントが原因ではない可能性が高いです。特定の環境設定、ローカルのファイル破損やキャッシュに起因するエラーを疑うべきです。
逆にWeb版でもサインインがうまくいかない場合は、ネットワーク障害やアカウントの権限設定、あるいはMicrosoft 365サービス側の一時的な不具合も考慮する必要があるでしょう。

2. Windowsの更新状態をチェック

Windowsのバージョンやアップデートが古いままだと、Teamsが要求するコンポーネントやセキュリティ環境が整っておらず、エラーの原因となる場合があります。特にWebView2はWindows UpdateやMicrosoft Edgeのバージョンの影響を受けることが多いので、Windows Updateを最新にすることで問題が解決するケースがあります。

3. アカウントの状態を再確認

Windowsに職場または学校アカウントとして組織のアカウントを紐付けている場合は、一度アカウントを解除して再接続するのも有効な方法です。「設定」→「アカウント」→「職場または学校アカウント」から、現在接続されているアカウントを解除し、再度サインインしなおすと、認証トークンやキャッシュ周りがリフレッシュされることがあります。

根本的な原因と解決策:WebView2の再インストール

Teamsのエラーを起こしている要因の多くは、WebView2自体が破損している、あるいは正しくインストールされていないことです。以下ではWebView2を巡る問題と対処手順を詳しく解説します。

WebView2破損の可能性

実際にWebView2のランタイムはWindows上で「既にインストール済み」と表示されていても、一部のファイルが壊れていることがあります。特にTeamsだけでなく、他のアプリケーションでも「We’ve run into an issue」に類似するエラーが連鎖的に発生し始めた場合、WebView2の破損を疑ってみる価値があります。

WebView2のアンインストールと再インストール手順

WebView2の再インストールによって問題が解決するケースが報告されています。具体的には以下の流れで実施します。

  1. アンインストール
  • 「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」を開き、「Microsoft Edge WebView2 Runtime」を探します。
  • 一覧から選択し「アンインストール」を実行します。
  • 稀に表示されない場合は、別途PowerShellや外部ツールを用いるか、レジストリを確認して存在をチェックするとよいでしょう。
  1. 再インストール
  • Microsoftの公式ページから「Microsoft Edge WebView2 Runtime」をダウンロードします。
  • ダウンロードした実行ファイルをダブルクリックし、案内に従ってインストールを進めます。
  • インストール中にエラーが出る場合、セキュリティソフトの干渉やWindows Update待ちなどの状況がないか確認してください。
  1. PCの再起動とTeamsの再起動
  • WebView2の再インストールが完了したら、一度Windowsを再起動することでレジストリや環境変数などが正しく反映されるようにします。
  • 再起動後、Teamsを起動し問題なくサインインできるか確認します。

PowerShellでアンインストールを行う例

以下はWebView2が「アプリと機能」の一覧に表示されない場合や、GUI操作に不安がある方向けの例です。PowerShellを管理者権限で起動して、以下のようにコマンドを実行するとインストール済みパッケージを検索できます。

Get-AppxPackage *WebView2*

上記でパッケージ名が確認できたら、以下のようにアンインストールします(パッケージ名は環境によって異なりますので、実際に表示されたものを指定してください)。

Remove-AppxPackage <該当するパッケージ名>

この手順は状況によってはサポートされない場合もあるため、まずは通常の「アプリと機能」からの操作を試した上で行うと安心です。

Teamsのキャッシュ削除による不具合解消の可能性

WebView2と同時に、Teams特有のキャッシュフォルダーを削除すると、エラーの解消につながる場合があります。すでに%appdata%\Microsoft\Teamsフォルダーを削除している方もいると思いますが、それ以外にも特定のサブフォルダーをピンポイントで消去すると効果的なことがあります。

削除が推奨されるフォルダー

  • %appdata%\Microsoft\teams\application cache\cache
  • %appdata%\Microsoft\teams\blob_storage
  • %appdata%\Microsoft\teams\databases
  • %appdata%\Microsoft\teams\GPUcache
  • %appdata%\Microsoft\teams\IndexedDB
  • %appdata%\Microsoft\teams\Local Storage
  • %appdata%\Microsoft\teams\tmp

これらのフォルダーは、Teamsが内部的に使用するキャッシュ領域であり、破損したデータが残っていると起動エラーやサインインの不具合を誘発することがあります。
削除時にはTeamsを終了させてから行うとファイルロックされにくく、スムーズに作業が進みます。

キャッシュ削除作業を安全に行うポイント

  1. Teamsを完全に終了する(タスクトレイやタスクマネージャーから終了確認)。
  2. 対象フォルダーをバックアップする(念のため外部ドライブや別フォルダーにコピー)。
  3. フォルダーごと削除またはフォルダー内のファイルを一括削除する。
  4. 再度Teamsを起動し、正常に動作するか確認する。

「互換モードで実行」の活用

Windows 10やWindows 11でTeamsがうまく動作しない場合、あえて「互換モード」で起動させるのもひとつの手段です。

  • Teamsのショートカットアイコンを右クリックして「プロパティ」を開く。
  • [互換性]タブを選択し「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックを入れる。
  • Windows 8やWindows 7など、別バージョンを指定してTeamsを起動してみる。

互換モードは通常あまり推奨されませんが、特定の環境依存問題を回避できる場合があります。ただしこの方法は根本解決ではなく、一時的な措置として捉えましょう。

アカウントの再接続でトークンエラーを解消

Windowsに職場または学校アカウントを紐付けていると、Teamsの認証まわりで不具合を起こすケースがあります。

  • 「設定」→「アカウント」→「職場または学校アカウント」で、対象アカウントを一度解除する。
  • PCを再起動後、再度同じ画面からアカウントを追加する。
  • Teamsを起動し、再ログインする。

この操作により、Windows側のシングルサインオンのトークンリフレッシュが行われ、エラーが解消する可能性があります。

エラーメッセージの改善要望と対処法の周知

現状、Teamsのエラー画面で「WebView2をインストールせよ」とアナウンスされる場合があります。しかし、実際には「WebView2が既にインストール済みかつ破損している」状況が考えられるため、ユーザーにとっては混乱のもとになっています。
今後、エラーメッセージが「WebView2が破損している可能性があるので再インストールを推奨」のような文言に変更されることで、ユーザーが最適な対処に素早くたどり着くことが期待されます。Microsoftに要望を出す場合は、Teamsの「ヘルプ」や「フィードバック」機能を活用するとよいでしょう。

ユーザー間での情報共有の大切さ

Microsoft 365系アプリは常にアップデートが続き、新しい機能や修正が入る一方で、予期せぬ不具合が生じる可能性もあります。実際にトラブルに見舞われたユーザー同士が情報を共有することで、素早い解決策を得られる場合があります。

  • Microsoft Tech CommunityでのQ&A閲覧や投稿
  • 社内IT部門や同僚との情報交換
  • SNSやフォーラムでのケース報告

エラーが発生した場合でも、慌てずにまず情報収集し、類似のケースや解決事例を探してみましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: WebView2を再インストールしてもエラーが消えない場合は?

A: Windows自体のファイルが破損しているか、Teamsのインストール自体に問題がある可能性も考えられます。以下の追加対処を試みるとよいでしょう。

  • システムファイルチェッカー(SFC /scannow)を実行してWindowsのファイル破損を修復
  • DISMコマンドでWindowsイメージを修復
  • Teamsをアンインストール後に関連フォルダーを完全削除し、再インストール

Q2: Edge(ブラウザ)での表示は正常なのにTeamsだけおかしい理由は?

A: ブラウザのEdgeとWebView2 Runtimeは似て非なる存在です。Edgeブラウザ自体が正常でも、WebView2のインストールコンポーネントが別バージョンや破損状態になっている場合があります。バージョンの整合性をとるために、一度アンインストール&再インストールを行ってください。

Q3: 互換モードで動作させるのは安全なの?

A: 基本的に問題ありませんが、互換モードは一時的な対応です。Windowsのセキュリティ更新やTeamsのバージョンアップによっては再び不具合が生じる可能性があります。根本的な解決を目指す場合は、WebView2の健全性確認やTeams自体の再インストールを優先してください。

トラブルシューティングを成功させるためのポイント

これまで紹介した対処法を試す際、以下の点を押さえておくと失敗リスクを下げられます。

  1. バックアップと復元策の用意
    システムの復元ポイントを作成しておくと、万が一設定変更が裏目に出た際でも元に戻しやすくなります。
  2. 逐一再起動を挟む
    インストールやアンインストール、キャッシュ削除など大きな変更を行ったら、面倒でもWindowsを再起動するようにしましょう。変更が即座に反映されず、再起動を要することがあります。
  3. 公式ドキュメントの参照
    Microsoftの公式サポートページには、TeamsやWebView2に関する最新情報が掲載されています。新しいバージョンで不具合が修正されている場合もありますので、開発元の情報を随時チェックしましょう。
  4. エラーコードやログの確認
    Teamsエラー画面には具体的なコードが表示されない場合がありますが、WindowsのイベントビューアやTeamsのログ(ユーザーデータフォルダー内に生成される場合もある)を確認するとヒントが得られることがあります。

まとめ:WebView2の再インストールで根本解決を目指そう

「We’ve run into an issue」というメッセージでTeamsが使えなくなると、ビデオ会議やチャット、ファイル共有など業務の要となる機能が大きく制限されてしまいます。単純な再インストールやキャッシュ削除だけでは解決しない場合、WebView2の破損が本命の原因かもしれません。
WebView2をいったんアンインストールし、最新版を再インストールしてからWindowsを再起動するだけで、嘘のように問題が解決する例も多く見受けられます。キャッシュフォルダーの削除やアカウント設定の見直しなど、複数のアプローチを組み合わせることで、長引くエラーを断ち切ることが可能です。
また、エラーメッセージ自体がわかりにくいケースも指摘されていますが、ユーザーからの要望が多ければMicrosoftが改善してくれる余地は十分あります。今回紹介した内容を参考に、まずはご自身の環境で試せる対処法から取り組んでみてください。エラーが解消し、再び快適にTeamsを使えるようになることを願っています。

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