パソコンでMicrosoft Teamsを利用していると、チームのアイコンをカスタマイズしたいと考える場面は多いものです。しかし、新しいTeamsアプリでは旧Teamsとは操作手順が大きく変わり、慣れないうちは戸惑ってしまう方もいらっしゃるでしょう。ここでは、新旧Teamsでのチームアイコン変更方法や、旧Teamsのアイコンを新Teamsで継続利用するための具体的なアプローチについて詳しく解説していきます。
新アプリと旧アプリで変わったアイコン設定の違いとは
新しいTeamsアプリと旧Teamsアプリでは、チームアイコンの変更方法そのものが異なっています。旧Teamsではあらかじめ用意されていたアイコン一覧から気軽に選べたのに対し、新Teamsではパソコンなどから画像をアップロードする形式へと変わりました。ここでは、なぜ変更が行われたのか、旧Teamsと新Teamsでどんな違いがあるのかをチェックしてみましょう。
旧Teamsのアイコン設定の特徴
旧Teamsアプリでは、下記のような操作によってチームアイコンを変更することができました。
- チームの管理画面へアクセスし、「アイコンを変更」ボタンをクリック
- 事前に用意されているアバター一覧から好きなものを選択
- 保存ボタンを押して変更を確定
Microsoft公式が用意した複数のアイコンが一覧表示され、チームのイメージに合わせやすい図柄を即座に当てはめられるという特徴がありました。チームイメージを素早く決めたい場合など、見た目だけを簡単に整えるには便利でした。
新Teamsのアイコン設定の特徴
一方、新しいTeamsアプリでは、基本的には自分のパソコンなどローカル環境にある画像をアップロードしてアイコンを設定する方式に移行しています。設定手順のイメージは下記のとおりです。
- チームの管理画面から「編集」や「アイコン変更」のオプションを選ぶ
- 「画像をアップロード」ボタンをクリック
- ローカルPC上のファイルブラウザを使い、好きな画像を選択
- 画像をアップロードし、プレビューが表示されたら適宜トリミングや拡大縮小を行い保存
自由度が高い分、自分好みのアイコンを用意できる魅力がありますが、従来のアイコン一覧が表示されないため、簡単に選びたいだけのユーザーにはやや不便を感じる場合もあるでしょう。
旧Teamsで使われていたアイコンを新Teamsで引き続き使う方法
新Teamsアプリから直接、従来のアイコン一覧を呼び出すことはできません。しかし、少し工夫をすることで旧Teamsのアイコンを再利用したり、同じ図柄をそのまま新Teamsへ持ち込んだりすることが可能です。ここでは2つの具体的なアプローチをご紹介します。
方法1: 旧Teamsアプリから画像をダウンロードして新Teamsへアップロード
旧Teamsがまだ利用できる環境にある場合は、旧Teamsの方から一度アイコンを保存してしまえば、それを新Teamsにアップロードする形で利用できます。手順は以下のとおりです。
- 旧Teamsアプリにアクセス
新Teamsを起動している場合は、画面上部にあるトグルスイッチをオフにすることで旧Teamsへ切り替えることができます。まだ旧Teamsが利用可能なうちに操作を行いましょう。 - 旧Teamsのチーム設定画面でアイコンを保存
チームの設定画面に入り、現在使われているチームアイコンを右クリックなどで「画像として保存」します。ファイル名や保存場所を忘れないように注意しましょう。 - 新Teamsアプリでアップロード
再度、新Teamsアプリに切り替え(トグルスイッチをオン)し、チームの管理画面で「アイコンを編集」または「画像をアップロード」のボタンをクリック。先ほど保存した画像ファイルを指定すれば、旧Teamsで使用していたアイコンがそのまま設定できます。
旧Teamsのアイコンは Microsoft のアバター一覧として提供されているものですが、一度画像ファイルとして保存してしまえば、新Teamsの「画像をアップロード」機能で利用することができるわけです。ただし、アイコン一覧の中には著作権の関係でダウンロードできない場合も考えられます。通常は問題なく保存できますが、念のため社内ポリシーや利用規約には気を配りましょう。
ダウンロードした画像ファイルの扱いに注意
ダウンロードしたアイコンは自由に使えるわけではなく、あくまで社内コミュニケーション用に利用するのが望ましいです。誤って他のプロジェクトや外部サイトなどに流用しないよう、保存場所や利用範囲に気を配る必要があります。
方法2: TeamsのWeb版から旧Teamsと同様のアイコンを選択
Teamsは、デスクトップ版アプリだけでなくWebブラウザ上でも利用できます。ブラウザ版のTeams(Web版)では旧Teamsと同様、あらかじめ用意されている従来のアイコン一覧から選ぶオプションが表示される場合があります。
- Web版Teamsにアクセス
ブラウザでMicrosoft TeamsのWeb版(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/log-in)へアクセスし、利用したいチームを選択します。 - チーム設定画面へ移動
チーム名の右にある「…(省略記号)」をクリックし、「チームを管理」を選びます。すると管理画面がポップアップまたは別タブで開きます。 - 「既存のアバターから選ぶ」オプションを利用
設定タブ内に「既存のアバターから選ぶ」というボタンがあれば、従来のアイコン一覧が表示されます。好みのアイコンを選択して保存しましょう。画像をアップロードする操作も同じ画面から実施できます。
Microsoftが展開している環境によってはWeb版においても新仕様に切り替わっている場合がありますが、まだ旧Teamsのアイコン選択機能が活きているケースも少なくありません。Web版でアバター一覧が利用できるようであれば、こちらを使うのが手っ取り早い方法です。
アイコンを変更する際の推奨画像仕様と注意点
実際にアイコン画像をアップロードする際は、ファイル形式や解像度、サイズなどにも気を配る必要があります。特に表示領域が小さいため、解像度が低すぎるとぼやけたり、逆に解像度が高すぎるとアップロードに時間がかかったりすることもあります。ここでは推奨画像仕様と注意点をまとめました。
推奨画像仕様表
以下の表は、一般的にTeamsのチームアイコンとして使う際に考慮したい仕様をまとめたものです。
項目 | 推奨内容 | 備考 |
---|---|---|
画像形式 | PNG / JPEG | 背景透過のアイコンを使いたい場合はPNGがおすすめ |
解像度 | 300×300ピクセル程度 | 高解像度すぎると容量が大きくなるため適度に |
容量 | 1MB以下推奨 | 大きすぎるとアップロードに時間がかかる |
アスペクト比 | 1:1 (正方形) | 長方形の場合はトリミングされることが多い |
推奨サイズをオーバーするとどうなる?
推奨サイズを大幅に超えた画像でもアップロードは可能ですが、Teamsが自動的にトリミングや縮小を行う場合があります。その結果、意図しないレイアウト崩れや画質低下を招くことがありますので、事前に画像加工ソフトなどで調整しておくと安心です。
アイコンの著作権やライセンスに関する注意
チームアイコンとして利用する画像には、著作権や商標権が付随している可能性があります。社外とのやり取りが発生するチームの場合、利用する画像の権利関係をきちんとクリアしているか確認することが大切です。特に以下のような点に注意しましょう。
- ネットから取得した画像をそのまま利用すると著作権侵害のおそれがある
- 企業ロゴを利用する場合は社内規定やブランドガイドラインを確認
- 商用利用や二次利用が認められていない素材を不用意に使わない
旧Teamsが使えなくなった場合の対処法
将来的には、旧Teamsのサポートが段階的に終了し、完全に新Teamsへ移行することが予定されています。そうなったとき、「旧Teamsでしか確認できなかったアイコン一覧がもう使えない!」と焦ることがないよう、事前に対策しておきましょう。
旧Teamsのアイコンを先にまとめてダウンロード
旧Teamsが利用できるうちに、気になるアイコンをまとめて「画像として保存」しておくのがおすすめです。以下のようなフォルダ構成で管理しておくと、チームアイコンとして使いたいときにすぐに見つけられます。
Teams_icons/ ├─ animals/ │ ├─ dog.png │ └─ cat.png ├─ office/ │ ├─ office_building.png │ └─ meeting.png └─ sports/ ├─ soccer_ball.png └─ baseball.png
もちろん、ファイル名は自分が分かりやすいように命名し、フォルダ分けも必要に応じて行ってください。一定数のアイコンをストックしておけば、後から新Teamsのどのチームでも自由に再利用できます。
Web版Teamsの利用可否を定期的に確認
Web版が旧Teamsのアイコン一覧を利用できる状態がいつまで続くかは、Microsoftのアップデート方針によって変わります。定期的にWeb版Teamsをチェックし、アイコン一覧がまだ表示されるか確認しておくとよいでしょう。
応用編: Teamsアイコンを自動変更する方法
企業内の多数のチームでアイコンを一括変更したい、あるいは特定のイベントやキャンペーンに合わせてアイコンを自動的に切り替えたい場合、Microsoft Graph APIやPowerShellスクリプトを組み合わせることで、自動化する方法も存在します。これはやや上級者向けですが、運用効率の向上に役立つ場面があります。
例: PowerShellとGraph APIを使ってチームアイコンを変更
以下はイメージコードですが、参考程度にご覧ください。実際に動かすには、Microsoft Graph APIの権限管理やクライアントID等の設定が必要です。
# 事前にMicrosoft Graph APIの認証を取得しておく必要があります
# Graph APIエンドポイント
$graphEndpoint = "https://graph.microsoft.com/v1.0/teams/{TeamID}/photo/\$value"
# アップロードしたい画像ファイルパス
$imagePath = "C:\TeamsIcon\new_icon.png"
# ヘッダーに認証トークンを付与
$headers = @{
"Authorization" = "Bearer $accessToken"
"Content-Type" = "image/png"
}
# PUTメソッドでアイコン画像をアップロード
Invoke-RestMethod -Uri $graphEndpoint -Method Put -Headers $headers -InFile $imagePath
このようにAPIを使った方法では、わざわざTeamsアプリの画面を開かなくても、コマンド一つで複数チームのアイコンを更新できます。ただし、権限やセキュリティ設定には十分気を配り、テスト環境で動作検証したうえで本番運用に移行するのが望ましいでしょう。
注意点: 自動化環境の保守
自動化したスクリプトが、Microsoft側の仕様変更で動かなくなる可能性もあります。定期的なメンテナンスやドキュメント管理を行い、担当者が変わってもシームレスに対応できる体制を整えておくことが大切です。
まとめ: 新Teams時代でもアイコン選択を自由に楽しもう
新しいTeamsアプリでは旧アプリのようなアイコン一覧が最初から表示されませんが、旧Teamsから画像をダウンロードしてアップロードする方法や、Web版Teamsを活用することで、従来のアイコンを引き続き使うことが可能です。また、アイコンを自前で用意することでデザインの自由度が上がるメリットもあります。
組織内でアイコンを統一したい場合は、先に一括で画像をストックしておくのがスムーズです。さらに、Microsoft Graph APIやPowerShellの知識があれば、大規模なアイコン変更を自動化できるポテンシャルもあります。
Teamsが進化していく中でも、チームの雰囲気を表す大切な要素としてアイコンを活用し、コラボレーションをより楽しく、効率的に進めていきましょう。
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