Teams Plannerのデスクトップ版で完了タスクが表示されない不具合と対処法

Microsoft Teams のデスクトップアプリ版で Planner を利用すると、完了済みタスクが一向に表示されず、困っている方も多いのではないでしょうか。本記事では、その原因や具体的な対処策を整理し、よりスムーズにタスク管理を進めるためのヒントをわかりやすくご紹介します。

Teams Plannerデスクトップアプリで完了済みタスクが表示されない問題とは

Teams 上の Planner は、チーム内でのタスク管理を一元化できる便利なツールです。しかしながら、一部のユーザーから「完了済みタスクが「完了」バケットやチャート画面に表示されない」「ブラウザ版では見えるのに、デスクトップアプリ版では消えている」といった報告が寄せられています。こうした現象が起こると、チーム内の進捗状況を正しく共有できず、作業効率の大きな低下につながりかねません。

現象の概要

  • デスクトップアプリの Teams から Planner を開くと、完了済みタスクがリストに表示されない
  • フィルターを解除したはずなのに、再度アプリを開き直すと「未着手」や「進行中」だけに絞り込まれ、完了済みが非表示になる
  • ブラウザ版の Microsoft Teams や Planner では正常に完了タスクが表示される

このように、「表示自体はできるが、何度も設定し直さなければいけない」という点でユーザーの生産性が損なわれています。

影響と困るポイント

Planner を使ってプロジェクト管理を行う場合、完了済みタスクを参照しながら振り返りを行うことはとても重要です。過去のタスク内容を踏まえ、どこで遅延が発生したか、どのような課題があったのかなどを分析することで、次のプロジェクトの成功につながります。

しかしながら、この表示バグがあるとデスクトップアプリ上で完了済みタスクを確認できないため、わざわざブラウザ版に切り替えるか、フィルター設定を頻繁に変更し直さなければならず、余計な手間が発生します。

具体的な事例

  • タスクの再発注
    仕入れや購買に関するタスクを完了したが、後日同じような発注が必要になることが分かり、過去の完了タスクを参考にしたい。しかし、デスクトップアプリ上では該当タスクが見当たらず、履歴を確認するのに時間がかかった。
  • 他メンバーの振り返り
    チームメンバーの成果を評価するとき、過去にどのタスクを担当し、どのようなスケジュールで完了させたのかを振り返りたいが、完了済みタスクが表示されず参考にできない。

こうした例は、チーム全体の生産性やコミュニケーション品質にも影響を及ぼします。

考えられる原因

この問題は、ユーザーの個別環境の設定ミスだけでなく、Teams デスクトップアプリ特有の挙動・バグが大きく関わっていると考えられています。特に次のような要因が指摘されています。

フィルター設定に関する問題

Planner には、進捗状況や優先度、ラベルなどでタスクをフィルタリングする機能があります。タスクが表示されない場合、多くは「完了済み」にフィルターがかかっていないか、あるいは「未着手」「進行中」だけに絞り込まれてしまっていることが原因です。
しかし、単なるフィルターの設定ミスであれば、クリアや再設定で解決します。問題は、設定を保存してもデスクトップアプリを開き直すと元に戻ってしまうという点です。

Teams デスクトップアプリ内のバージョン不具合

Teams や Microsoft 365 へのアップデートは頻繁に行われていますが、デスクトップアプリ版は一部のバージョンにおいてバグが埋め込まれたまま配布されることがあります。最新の更新を適用しても直らない場合、Microsoft 側がまだ根本的な原因を特定できていない、または修正パッチをリリースしていない可能性があります。

キャッシュや一時ファイルの影響

Teams のデスクトップアプリは、動作を軽快にするためにキャッシュを利用しています。これが何らかの形で Planner 画面のフィルター設定に影響を与え、正しく反映されないケースもあるようです。ただし、キャッシュ削除や再インストールで解決しない事例も多く、根本的な修正には至らない場合がほとんどです。

対処策と暫定的な解決方法

現時点で、完了済みタスクが表示されない問題に対してユーザーが取れる対策は、いくつか限られています。完璧な解決には至らないこともありますが、業務を止めないための暫定的な方法として活用してみてください。

フィルター解除で回避する

Planner の画面右上にある「フィルター」アイコンをクリックして、以下のような手順で完了済みタスクも含めた状態に戻すことが可能です。

手順例

  1. Teams デスクトップアプリで任意のチャネルを開き、「Planner」タブを選択
  2. 右上にある「フィルター」アイコン(逆三角形のような形)をクリック
  3. [Progress](進捗)のプルダウンに「Completed」(完了)を含むようにチェック
  4. あるいは「Clear All」(すべてクリア)を選択し、絞り込みをリセット

以上の操作を行うと、一時的には完了済みタスクがリストやチャートに表示されるようになります。しかし、Teams アプリを閉じて再度開き直すと、またフィルターが元に戻ってしまうという報告が多数あり、根本解決ではありません。

ブラウザ版の Planner を使用する

現時点で、最も手堅い回避策はブラウザ版の Planner を利用することです。ブラウザ版の Planner であれば、完了済みタスクがデフォルトで正しく表示されるケースが多く、フィルター設定も保持されやすい傾向があります。

  • ブラウザで Teams を使用する
    Edge や Chrome、Firefox などから Teams にサインインし、同様に Planner タブを開く
  • Planner Webアプリに直接アクセスする
    Microsoft 365 のポータル(https://portal.office.com など)から Planner にアクセスし、対象のプランを開く

この方法なら、当面は完了タスクを含めた状況をスムーズに確認できます。ただし、デスクトップアプリ版を主に使いたいという方にとっては煩わしさが残るのも事実です。

アプリの再インストールやキャッシュクリア

一部のユーザーは、Teams デスクトップアプリの再インストールやキャッシュクリア、Microsoft 365 のアカウント再ログインを試してみることで、症状が改善したとの報告もあります。
ただし、この方法で直るかどうかは環境依存の要素が大きく、必ずしも有効とは限りません。「ダメ元」で試す価値はありますが、確実な解決策とは言えないのが現状です。

下記はキャッシュクリアの一例を示す PowerShell コマンドです。効果は保証されませんが、Teams の挙動が重い、または他にも不具合がある場合に試す価値があります。

# PowerShellを管理者権限で起動して実行
$TeamsCachePath = "$ENV:APPDATA\Microsoft\Teams"
Write-Host "Closing Microsoft Teams..."
Get-Process Teams -ErrorAction SilentlyContinue | Stop-Process

Write-Host "Clearing Teams cache..."
Remove-Item -Recurse -Force "$TeamsCachePath\Cache"
Remove-Item -Recurse -Force "$TeamsCachePath\GPUCache"
Remove-Item -Recurse -Force "$TeamsCachePath\databases"
Remove-Item -Recurse -Force "$TeamsCachePath\IndexedDB"
Remove-Item -Recurse -Force "$TeamsCachePath\Local Storage"

Write-Host "Cache cleared. Please restart Microsoft Teams."

上記スクリプトを実行した後、PC を再起動してから再び Teams にサインインし、Planner の動作を確認してみましょう。

Microsoft への報告と今後の展望

ユーザーコミュニティのフォーラムや Microsoft サポートに多くの報告が寄せられていることから、Microsoft もこの不具合を認識していると思われます。実際にアップデートの履歴を見ても、Planner 関連のバグ修正が散見されることがありますが、依然として根本解決に至っていないケースが存在します。
こうした状況から、早期の正式修正やアップデートを期待する声は依然として高まっており、利用者としても不具合再現手順や環境情報を細かく提出することで修正を促進することができます。

問題解決に向けたヒント

問題が解消されるまでは、以下のような運用上の工夫で業務への影響を最小限に抑えることが可能です。

  1. 重要なタスクは完了直後にブラウザ版で確認する
    デスクトップアプリで完了処理をした後、念のためブラウザ版で完了リストに追加されているかをチェックします。
  2. チーム内での情報共有を徹底する
    「完了済みタスクがデスクトップアプリ上では見えない場合がある」という事実を周知し、承認や確認のフローを見直します。
  3. レポート機能やエクスポートを活用する
    Planner のデータを Excel にエクスポートして集計やレポートを行うことで、タスクの進捗を別の視点から確認できます。

表で見る主な対処法とメリット・デメリット

以下は、主な対処法を一覧にした表です。自分の環境や運用に合わせて、最適な方法を選んでください。

対処法メリットデメリット
フィルターの解除即時的に完了タスクが表示されるTeams を開き直すたびに設定がリセットされる
ブラウザ版の Planner 利用常に完了タスクが表示されやすく、安定しているデスクトップアプリの利便性が損なわれる
アプリ再インストール稀にバージョンやキャッシュの不具合を解消できる可能性がある時間がかかる上、解決しないケースが多い
キャッシュクリア他の不具合があれば併せて改善する可能性がある効果がない場合も多く、操作が煩雑
Microsoft へバグ報告公式に修正を促し、将来的な解決につながる即時に解決するわけではない。フィードバック対応には時間がかかる場合がある

Q&A

Q1. フィルター解除してもすぐに元に戻ってしまうのはなぜ?

A1. デスクトップアプリ特有のバグで、設定がセッションをまたいで保持されない現象が報告されています。Microsoft も認識しているようですが、現時点では公式な修正が行われていません。


Q2. ブラウザ版に切り替えたくない場合はどうする?

A2. 完全な解決策はありませんが、一時的にフィルターを再度手動でクリアするか、PC のキャッシュを削除して挙動が改善するか試してみるとよいでしょう。


Q3. Office 365 グループごとの Planner を一括で管理するには?

A3. ブラウザ版の Planner や Microsoft 365 ポータルから複数のグループやプランを参照し、状況に応じてフィルターを活用する方法が最もシンプルです。デスクトップアプリで不具合がある場合でも、Web上であれば比較的スムーズに一括管理ができます。


Q4. いつ頃までに修正される見込み?

A4. Microsoft が修正を確約しているわけではありませんが、ユーザーフィードバックが多い不具合は優先度が高くなる傾向があります。定期的にアップデート情報をチェックし、改善があればコミュニティや公式アナウンスで共有されることが多いので注視しましょう。

まとめ

Teams Planner デスクトップアプリで「完了済みタスクが表示されない」という問題は、多くのユーザーが不便に感じており、実際の業務にも大きな影響を及ぼします。デスクトップアプリにおけるフィルター不具合やバージョン固有のバグが原因とされており、再インストールやキャッシュクリアといった基本的な方法では解消されないケースがほとんどです。
最も安定して完了済みタスクを確認できる方法は、現時点ではブラウザ版の Planner を利用することです。デスクトップアプリをどうしても使用する場合は、毎回フィルターを解除する手間を惜しまない、もしくは問題が修正されるまで待つしかありません。また、Microsoft へ具体的な再現手順やスクリーンショットなどを添えて報告することで、修正のスピードが上がる可能性もあります。
この問題はあくまでもデスクトップアプリにおける不具合の一例であり、Microsoft 365 のサービス全体が使いにくいわけではありません。業務効率を落とさないためにも、ブラウザ版や他の機能を上手に活用しながら作業を継続しつつ、公式アップデートをチェックして早期の改善を期待しましょう。

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