パソコンを起動すると自動的にTeamsが立ち上がる環境は便利ですが、いざデスクトップやタスクバーからすぐに起動したいと思った時にショートカットが見当たらず困ってしまうことがあります。特に「新しい Microsoft Teams」は通常のアプリ一覧からは簡単にショートカットを作成できず、戸惑う方も多いでしょう。そこで本記事では、シンプルかつ確実にTeamsのショートカットを作成する手順やトラブルシューティング、活用のヒントなどを豊富に解説します。
新しいMicrosoft Teamsのショートカットを作成できない問題とは
新しいMicrosoft Teamsでは、既存の(旧)Teamsと共存しているケースや、Microsoft Store経由でインストールされているケースが多く、通常のデスクトップアプリとは異なる扱いがされる場合があります。たとえば「アプリ一覧から右クリック→その他→ショートカットの作成」などの操作をしても、デスクトップにアイコンが生成されずに終わってしまうことがよく見受けられます。これは、Storeアプリの性質上、従来のWindows操作だけではショートカット作成がブロックされているためです。
なぜ「shell:appsfolder」を使う必要があるのか
Windowsが提供しているフォルダパス「shell:appsfolder」には、Storeアプリやプリインストールアプリ、従来のデスクトップアプリなど、システム上で認識されているアプリケーションが一括管理される形で格納されています。このフォルダを直接開くことで、それぞれのアプリケーションに対して従来通りの「ショートカットを作成」オプションが使用できるようになるのです。
旧Teamsとの混在環境における注意点
新しいMicrosoft Teamsの導入が始まったとはいえ、旧Teamsが残っているケースも少なくありません。アプリ一覧や「shell:appsfolder」には「Microsoft Teams」として二種類表示される場合があります。どちらが新しいTeamsなのか、アイコンや右クリックのプロパティ情報を見比べて判別し、正しい方のショートカットを作成しましょう。
ショートカットを作成する基本手順
実際に「新しい Microsoft Teams」のショートカットを作るには、以下の手順を実行します。手順通り進めれば、難しい設定を行わずともスムーズにデスクトップ上にアイコンが配置されるはずです。
ステップ1:shell:appsfolderを開く
- キーボードのWindowsキー + Rを同時に押します。
- 表示された「ファイル名を指定して実行」ダイアログの入力欄に「
shell:appsfolder
」と入力し、Enterキーを押します。 - 新しいウィンドウが開き、パソコンにインストールされているアプリが一覧表示されます。ここに「新しい Microsoft Teams」が含まれているか確認しましょう。
ステップ2:アプリを探して右クリック
- アプリが一覧表示された画面で、「Microsoft Teams」あるいは「New Microsoft Teams」らしきアイコンを探します。
- 見つけたら右クリックし、表示されるコンテキストメニューの中から「ショートカットの作成」を選びましょう。
- Windowsによっては「ショートカットをデスクトップに作成できません。デスクトップに作成しますか?」というメッセージが表示されます。これが出た場合は迷わず「はい」をクリックしてください。
ステップ3:ショートカットが生成されていることを確認
- デスクトップ画面に戻り、Teamsのアイコンが生成されているか確認します。
- アイコンが正しい(新しい)Teamsのものであることをダブルクリックなどで試してみましょう。
- 問題なく起動するようであれば作成は完了です。
よりスムーズに作業を進めるためのポイント
ショートカット作成は単純なように思えますが、アプリの種類やWindowsのバージョンによって細かい違いがあるため、事前に知っておくと便利なポイントがいくつか存在します。
ポイント1:アプリ名の確認
同じTeamsが2種類表示される場合や、名前が微妙に違う場合があります。「旧Teams」と「新しいTeams」が共存している場合は、以下の表のようにアイコンデザインや名称を比較すると判別しやすいです。
名前 | アイコン | インストール源 |
---|---|---|
Microsoft Teams | 紫色の「T」アイコン | Office 365 または手動インストール |
New Microsoft Teams (新しいアプリ) | より鮮やかな紫色、もしくは若干リニューアルされた「T」アイコン | Microsoft Store経由でのインストール、または企業向けプレビュー版 |
ポイント2:タスクバーへのピン留め
デスクトップへのショートカットだけでなく、タスクバーへのピン留めもよく利用される方法です。ショートカットが完成したら、以下の手順でより素早くTeamsにアクセスできるようになります。
- 作成したショートカットを右クリックして「その他のオプションを表示」(Windows 11の場合)を選択
- 「タスクバーにピン留めする」をクリック
これでタスクバーからワンクリックでTeamsを起動できるようになります。
ポイント3:グループポリシーやIntuneの活用
企業環境などで一括してTeamsのショートカットを展開したい場合、グループポリシーやIntuneなどの管理ツールを使ってショートカットを配布することも検討できます。社内標準としての運用を行う際には、IT部門が端末へ自動でTeamsのショートカットを作成し、ユーザーごとにばらつきがないように整備しておくとスムーズです。
ショートカット作成に関するトラブルシューティング
環境によっては、意図しないトラブルが生じる場合があります。ここではよくある問題と対処法を紹介します。
トラブル1:「shell:appsfolder」でアプリが見つからない
- 原因:Teamsがインストールされていなかったり、アプリが正しく表示されない場合があります。
- 対処法:一度「Microsoft Store」や「Officeアプリ」からTeamsがインストールされているか確認し、インストールされていない場合は再度正しい手順でインストールしなおします。すでにインストールされている場合は、PCを再起動すると表示されることがあります。
トラブル2:デスクトップに作成したはずのショートカットが見当たらない
- 原因:Windowsの表示設定でデスクトップアイコンを非表示にしている可能性や、別のユーザープロファイル上で作成している可能性があります。
- 対処法:右クリックで「表示」→「デスクトップアイコンの表示」にチェックが入っているか確認してください。また、作業しているユーザーアカウントが正しいかどうかも見直しましょう。
トラブル3:ショートカットを起動してもエラーが出る
- 原因:Teamsのバージョンが更新されたり、インストールパスが変わった場合にショートカットのリンク先が無効化されることがあります。
- 対処法:Teamsをアンインストール後に再インストールし、新たにショートカットを作成しなおしてください。特にプレビュー版や開発版を利用している場合は、バージョンアップのタイミングが通常より頻繁になるため再作成の手間が増えることがある点に注意しましょう。
ショートカットのメリットとデメリット
メリット:ワンクリックでの起動が便利
常にTeamsを使用する方にとっては、ショートカットがあるだけで作業効率が上がります。デスクトップ上にアイコンがあれば、すぐにアプリを起動できるため、わざわざスタートメニューを開いてスクロールして…といった手間が省けます。タスクバーにピン留めしておけばさらに起動が迅速です。
メリット:カスタマイズ性が高い
ショートカットのファイル名を変更して、自分でわかりやすい名称にすることも可能です。また、アイコンを変更して独自のアイコンを設定すれば、デスクトップに多数のアイコンがあってもひと目でTeamsを認識できるようになり、作業がはかどります。
デメリット:バージョン依存でショートカットが無効化される可能性
Microsoft Teamsは頻繁にアップデートされる傾向があります。特に、新旧のTeamsが入り混じっている時期には、バージョンやインストールソースの違いでショートカットが壊れてしまうケースも少なくありません。その都度手動で再設定が必要になる可能性があります。
デメリット:複数アイコンで混乱することがある
旧Teamsと新しいTeamsの両方のショートカットを作成してしまうと、どちらをクリックすればよいのかわからず混乱する場合もあるので注意が必要です。不要な方をアンインストールするか、一方のみデスクトップに置くなどの工夫をしましょう。
コマンドプロンプトやPowerShellでのショートカット作成
GUI操作ではなく、コマンドラインベースでショートカットを自動作成したいシーンもあるでしょう。WindowsにはWScript.Shellを利用してショートカットを生成する方法があります。以下は簡単なPowerShellスクリプトの例です。
# ショートカットを作成するPSスクリプト例
$WScriptShell = New-Object -ComObject WScript.Shell
# ショートカットを置く場所とファイル名を指定
$ShortcutFile = "$Env:USERPROFILE\Desktop\NewTeams.lnk"
# 実行ファイルやURIを設定 (Storeアプリの場合パスが複雑になる場合あり)
$TargetPath = "C:\Program Files\WindowsApps\MicrosoftTeams_xxxx\Teams.exe"
$Shortcut = $WScriptShell.CreateShortcut($ShortcutFile)
$Shortcut.TargetPath = $TargetPath
$Shortcut.IconLocation = $TargetPath
$Shortcut.WindowStyle = 1
$Shortcut.Description = "新しいMicrosoft Teams"
$Shortcut.WorkingDirectory = "C:\Program Files\WindowsApps\MicrosoftTeams_xxxx"
$Shortcut.Save()
なお、Storeアプリはインストールパスが「C:\Program Files\WindowsApps\」配下になるなど、かなり特殊なフォルダ構成をとっています。またフォルダのアクセス権限も制限されているため、実行が失敗することもあります。実務でこの方法を選ぶ際は、必ず動作確認を十分に行ってください。
Teamsショートカットを活用する具体的なシナリオ
単にショートカットを作るだけでなく、それを業務効率化につなげるヒントをいくつか紹介します。
シナリオ1:社内チャットやオンライン会議の即時参加
Teamsは社内のコミュニケーションに広く使われているため、起動がワンクリックで行える状態は大きなメリットです。急な会議招集やチャット通知を受けた際、ショートカットから瞬時に起動できれば、機会損失を防ぎやすくなります。
シナリオ2:Windows起動時に自動的にTeamsを立ち上げない設定
多くの方がWindows起動と同時にTeamsが自動で立ち上がる設定をしているかもしれません。しかし、あえて自動起動を切っておき、必要なタイミングでショートカットから起動する方法も考えられます。パソコンの起動時間を短縮したい場合や、リソースを節約したい場合には有効です。
シナリオ3:ショートカットをカスタマイズしたランチャーに組み込む
Teams以外にも頻繁に使うアプリケーションがあるなら、ランチャーアプリを導入して作業効率を高める方法があります。Teamsのショートカットを登録しておけば、ランチャー呼び出し→Teamsアイコンクリックの2ステップで素早く立ち上げられます。大量のアプリを扱うパワーユーザーには特にオススメです。
シナリオ4:Teams関連ツールとのリンク
Teamsだけでなく、Power AutomateやSharePointなどMicrosoft 365の他のサービスと連携する機会が多い環境では、それぞれのショートカットをまとめて用意しておくと便利です。特にPower Automate DesktopのフローにTeamsの起動を組み込むことで、自動処理の一部としてTeamsを連動させるシナリオも考えられます。
まとめ
新しいMicrosoft Teamsは便利なコラボレーションツールですが、Microsoft Store経由のインストールが主流となった影響で、一般的な方法ではデスクトップやタスクバーにショートカットを作成しづらいという課題があります。しかし、「shell:appsfolder」を利用すれば、比較的容易にショートカットを生成できます。環境によっては旧Teamsと混同しやすいため、アイコンや名称をしっかり見極めることが大切です。また、ショートカットの活用法は多岐にわたり、ただアイコンができるだけではなく、業務効率化の大きな一助となります。コマンドラインやグループポリシーでの一括配布など、使う場面によって最適なアプローチを選択しながら、チームのコラボレーションをより円滑にしていきましょう。
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