パソコンで仕事や学習を進めるうえで、Microsoft Teams(職場または学校アカウント版)をスムーズに活用したいと思うことは多いのではないでしょうか。特に頻繁に起動する場合、デスクトップ上にショートカットを置いておくとワンクリックでアクセスできるため作業効率が上がります。しかし、プライベート用の旧Teamsとは異なるインストール先や起動方法で戸惑うケースもあります。本記事では、Teams(職場または学校アカウント版)のショートカットを作成する具体的な手順や、なぜ新Teamsが必要なのかなど、導入から実践までを詳しく解説します。
旧Teamsと新Teams(職場または学校アカウント版)の違い
旧Teams(プライベートアカウント版)は、個人用のMicrosoftアカウントを用いて利用するケースが多かったかと思います。対して、新Teams(職場または学校アカウント版)は、Microsoft 365やAzure ADと紐づけられて運用されることが一般的です。ここでは、旧Teamsを使っていた方が新Teamsに移行する際につまずきがちなポイントを整理します。
アップデートが必要と表示される問題
旧Teamsを起動すると「アップデートが必要です」や「新しいTeamsをお試しください」のようなメッセージが表示されることがあります。これはMicrosoftが段階的に提供している新Teamsへの移行を促す表示です。旧Teamsは基本的に利用が制限される状況が生じる可能性があり、事実上、新Teams(職場または学校アカウント版)を使わざるを得ないケースが増えています。
インストール場所が異なる
新Teamsは、旧Teamsとまったく同じフォルダ構成にはならない場合があります。たとえば、旧Teamsがユーザープロファイル配下(C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Teams\current
など)にインストールされていたのに対し、新Teamsは別の場所(C:\Program Files\Microsoft Teams
など)や、Microsoft 365アプリケーションの一部としてインストールされる場合があります。
こうしたフォルダ構成の違いが、利用者が「どこに実行ファイルがあるのか分からない」という混乱の原因になりやすいです。
ショートカットを作成する基本手順
本題となる「ショートカットをどうやって作成するのか」について、最も簡単な方法はWindows標準の「新規ショートカット作成」を利用することです。通常なら、実行ファイル(.exe)を直接指定する手段が一般的ですが、Teams(職場または学校アカウント版)では実行ファイルを探すのが手間になるケースもあります。そこで活用できるのが msteams:/
というURL形式です。
Windows標準のショートカット作成機能を使う
デスクトップ上で右クリック → 「新規作成」 → 「ショートカット」と進むと、ショートカットの作成ウィザードが立ち上がります。以下の手順を参考にしてください。
ショートカット作成手順
- デスクトップ上で右クリックし「新規作成」→「ショートカット」を選択
これで「項目の場所を入力してください」という画面が表示されます。 - 「項目の場所を入力してください」の欄に
msteams:/
と入力する
ここで従来であれば.exe
ファイルのパスを入力しますが、Teamsの場合、URLスキームであるmsteams:/
を使うと自動的にTeams(職場または学校アカウント版)が起動します。 - ショートカットの名前を決める
「次へ」をクリックするとショートカットの名前を入力する画面が表示されるので、分かりやすい名前を付けましょう。
例:
Teams(職場/学校用)
名前を指定したら「完了」をクリックします。
- デスクトップに作成されたショートカットを確認する
デスクトップにアイコンが作成されているはずです。ダブルクリックすると新Teamsが直接起動されます。
コマンドラインからもショートカットを生成する方法
よりシステマチックにショートカットを管理したい場合は、コマンドプロンプトやPowerShellを用いてショートカットを作成することも可能です。以下はVBS(Windows Script Host)を使った例です。
' create_teams_shortcut.vbs
Dim shell, desktopPath, link
Set shell = CreateObject("WScript.Shell")
desktopPath = shell.SpecialFolders("Desktop")
Set link = shell.CreateShortcut(desktopPath & "\Teams_WorkAccount.lnk")
link.TargetPath = "msteams:/"
link.WindowStyle = 1
link.IconLocation = "C:\Program Files\Microsoft Teams\current\Teams.exe, 0"
link.Description = "Teams(職場・学校アカウント用)ショートカット"
link.Save
上記のようなスクリプトを実行すれば、自動的にデスクトップへショートカットが作られます。実行ファイルのパスが確定している場合は、link.TargetPath
を C:\Program Files\Microsoft Teams\current\Teams.exe
などに書き換えることで直接のパス指定にも対応できます。
ショートカットの元ファイルを探す場合のポイント
既存のTeams(職場または学校アカウント版)の.exeファイルが見つかれば、そのパスを直接指定してショートカットを作成することも可能です。しかしバージョンや環境によっては、インストール場所がマシンごとに異なる場合があります。ここでは手動でexeファイルを探す際のポイントを紹介します。
スタートメニューからのアプローチ
スタートメニューで「Microsoft Teams(職場または学校)」や「Microsoft Teams」と表示されているアイコンを右クリックし、「その他」 → 「ファイルの場所を開く」を選択します。ここから一度「ショートカットのあるフォルダ」に飛び、それをさらに右クリックし、「ファイルの場所を開く」と進めると、最終的にexeファイルが格納された実フォルダを開けることがあります。
検索機能を活用する
Windowsのエクスプローラーで teams.exe
を検索してみる方法もあります。システム全体を対象に検索すると、複数の場所に同名ファイルがある可能性が高いですが、更新日時やサイズを頼りに「最新のTeamsであるかどうか」を見極めるとよいでしょう。
ショートカット作成で考慮すべきセキュリティと運用
Windowsでショートカットを作成するのは簡単ですが、セキュリティ上の観点からは以下の点に注意が必要です。
権限によるインストール制限
企業や学校のPCでは、通常のユーザー権限でアプリをインストールできない場合があります。仮にTeams自体がIT管理者によって導入・アップデートされる運用になっていると、ユーザーがexeファイルを直接参照しにくいことも考えられます。この場合は、IT管理者がショートカット配布を行う方法を検討するか、前述した msteams:/
を利用したショートカット作成が適切です。
グループポリシーでの一括管理
組織規模が大きい場合は、グループポリシー(GPO)を利用してWindowsのデスクトップにショートカットを一括で配布する手法もあります。IT部門が企業全体に対してTeamsのショートカットを配布・更新しやすくなる反面、ユーザーが自由にショートカットを編集できないように制限されるケースもあります。大規模運用では管理者に相談してみるとよいでしょう。
旧Teamsが不要になったらどうする?
旧Teamsを既に利用しなくなった場合、不要な通知やアップデート要求が煩わしく感じることもあるでしょう。以下の対応が考えられます。
アンインストールの前に確認
企業や学校用アカウントで運用されている場合、実は旧Teamsを残しておくことでトラブルシューティングに役立つこともあります。万一、新Teamsに不具合が生じた場合に一時的に旧Teamsでチャット履歴を参照できたり、特定機能を比較チェックしたりできることがあるからです。とはいえ、アプリケーションの競合や混乱を避けるため、本当に不要かどうか管理者と相談のうえで対応しましょう。
アンインストール手順
アンインストールする場合は、Windowsの「アプリと機能」画面から「Microsoft Teams(旧バージョン)」を選択して「アンインストール」を実行します。
また、ユーザープロファイル配下(%appdata%\Microsoft\Teams
など)に残るキャッシュデータや設定ファイルを削除すると、旧Teamsの残存ファイルを整理できます。ただし、これは完全に必要がなくなったと判断したときにのみ行いましょう。
よくあるトラブルシューティング
ここではTeamsのショートカットを作成・利用する際にありがちなトラブル例と、その対処方法をまとめます。
ショートカットから起動しても新Teamsにならない
- 原因1: パスの指定ミス
ショートカットのターゲットが旧Teamsのパスを指している場合、新Teamsではなく旧Teamsが起動してしまうことがあります。ターゲットをmsteams:/
に変更する、あるいは新Teamsのexeファイルを正しく指定しましょう。 - 原因2: キャッシュの問題
旧Teamsの残存キャッシュがあるとアイコンやスタートメニューの表示が旧Teamsのままになっているケースがあります。サインアウトやキャッシュクリアで改善する場合があります。
「会社または学校アカウントに切り替えてください」と表示される
- 原因: サインインに使っているアカウントが異なる
Teamsを起動した後、正しい職場または学校用のメールアドレス(Microsoft 365アカウント)でサインインしているか確認しましょう。一度プライベートアカウントからログアウトして、新しいアカウントでサインインする必要があります。
ショートカットをダブルクリックしても何も起きない
- 原因: ショートカットの設定不備
ショートカットファイル自体が壊れている場合や、ターゲットとなるexeやURLが誤っている可能性があります。再作成を試みてください。 - 原因: セキュリティソフトによるブロック
企業のPCではセキュリティソフトが不審なショートカットを起動させない場合があります。IT管理者またはセキュリティ設定を確認しましょう。
表によるショートカット作成・起動方法の比較
ショートカット作成の代表的な方法を簡単に表でまとめてみました。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
msteams:/ をターゲットに使用 | – 実行ファイルを探す必要がない – すぐに作成可能 | – OSやTeamsのバージョンによっては動作に依存性がある場合も – アイコンの設定が手動 |
exeファイルを直接ターゲットに指定 | – 動作が安定しやすい – バージョンを明確に指定可 | – exeファイルの所在を探す手間がある – アップデートでパスが変わる可能性がある |
スタートメニュー経由でショートカット作成 | – GUIで簡単に操作できる – 不要なミスが少ない | – スタートメニューに表示されない場合は使えない – 階層が深いと探しにくい |
それぞれ一長一短はありますが、手軽なのはやはり msteams:/
を使う方法と言えるでしょう。
Teamsを快適に使うための追加Tips
ショートカットを作成するだけでなく、日々の業務効率化を図るには他にもポイントがあります。
頻繁に使うチャットやチャネルをピン留めする
デスクトップへのショートカットとは別に、Teamsアプリ内でも特定のチャットやチャネルを優先表示にする「ピン留め」機能があります。重要なやり取りが行われるチームやチャットはピン留めしておくと、無駄なスクロールや検索が減るため、生産性が向上します。
通話やビデオ会議のためのカメラ・マイクのテスト
ショートカットから素早くTeamsを立ち上げられるようになっても、実際の会議や通話で音声・映像の不具合があると困ります。Teamsには「デバイステスト」機能があり、設定画面でカメラやマイクのチェックを行えます。定期的に動作を確認し、突発的なトラブルを未然に防ぎましょう。
通知設定の最適化
ショートカットで起動が速くなったとしても、通知が多すぎると結局業務が煩雑になります。Teamsの「通知設定」で、どのチャンネルやチャットで通知を受けるかを細かくカスタマイズすることがおすすめです。とくに大人数のチームに属している場合は、チャンネルごとに通知レベルをコントロールすると精神的負荷が大きく低減されます。
モバイルアプリと連携
デスクトップ環境とスマートフォン・タブレットのTeamsアプリを連携させると、外出先でもチャットや会議の通知を受け取れます。PCを離れていてもメッセージを確認できるため、緊急対応が求められる職種にとっては大きなメリットです。ショートカットだけでなく、スマホアプリもセットで使いこなすとさらに効率的です。
まとめ:ショートカットを活用して業務効率アップ
Microsoft Teams(職場または学校アカウント版)を使うにあたって、デスクトップにショートカットがあると非常に便利です。旧Teamsと新Teamsの混在が原因でショートカットを作りにくい方は、以下のポイントを押さえましょう。
- URLスキーム(msteams:/)を利用する
実行ファイルを探さなくても、簡単に新規ショートカットを作成可能です。 - スタートメニューから探してショートカットを作成
右クリックから「その他」→「ファイルの場所を開く」でexeファイルにたどり着ける場合もあります。 - 不要な旧Teamsは段階的に整理
トラブルシューティングのために残しておくか、一切不要であればアンインストールでPCをクリーンに。
ショートカットが用意できれば、タスクバーやデスクトップからワンクリックで新Teamsを起動でき、チャットや会議へのアクセスが素早くなります。さらに通知の調整やデバイステストなどの機能と組み合わせれば、チームコミュニケーションが一段とスムーズになるはずです。組織ごとのルールやセキュリティ要件を踏まえつつ、自分に合った方法でショートカットを作成してみてください。きっと作業効率がぐっと向上し、生産性アップに貢献することでしょう。
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