Windowsで指紋認証が表示されない問題の対処方法

PCのログイン画面で指紋認証が表示されない問題は、特にセキュリティを重視するユーザーにとって大きな問題です。この問題が発生すると、従来のパスワード入力に戻らざるを得ず、不便かつ安全性が低下する可能性があります。この記事では、指紋認証が表示されず、指紋の登録や削除もできない場合の具体的な対処方法を段階的に解説します。

目次

システムの再起動

指紋認証が表示されない問題が発生した場合、最初に試すべき対処方法はシステムの再起動です。再起動によって一時的な不具合やエラーが解消されることがあります。

手順

  1. スタートメニューを開きます。
  2. 「電源」アイコンをクリックします。
  3. 「再起動」を選択します。

再起動後、指紋認証が正常に表示されるか確認してください。これで問題が解決しない場合、次のステップに進みます。

デバイスマネージャーで確認

指紋認証デバイスが正常に動作しているか確認するために、デバイスマネージャーをチェックします。デバイスマネージャーでバイオメトリックデバイスの状態を確認し、問題がある場合はドライバの再インストールを試みます。

手順

  1. 「Windowsキー + X」を押してメニューを開き、「デバイスマネージャー」を選択します。
  2. 「バイオメトリックデバイス」または「生体認証デバイス」の項目を探します。
  3. デバイスを右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択します。
  4. 確認ダイアログが表示されたら「アンインストール」をクリックします。
  5. コンピューターを再起動します。
  6. 再起動後、自動的にドライバが再インストールされるか、手動でデバイスマネージャーから「ハードウェア変更のスキャン」を実行します。

再インストールが完了したら、指紋認証が再び表示されるか確認してください。これでも問題が解決しない場合、次の手順に進みます。

サインインオプションの確認

指紋認証が機能するためには、「Windows Hello フィンガープリント」が有効になっている必要があります。設定画面からサインインオプションを確認し、正しく設定されているかチェックします。

手順

  1. 「Windowsキー + I」を押して「設定」アプリを開きます。
  2. 「アカウント」を選択します。
  3. 左側のメニューから「サインインオプション」を選びます。
  4. 「Windows Hello フィンガープリント」が有効になっているか確認します。

有効にする方法

  1. 「Windows Hello フィンガープリント」オプションが無効になっている場合、「セットアップ」ボタンをクリックします。
  2. 画面の指示に従って指紋を再登録します。

これで指紋認証が表示されるか確認してください。問題が解決しない場合は、次のステップに進みます。

レジストリエディタで指紋データの削除

レジストリエディタを使用して指紋データを削除することで、指紋認証の問題を解決できる場合があります。この方法では、レジストリ内の設定を変更するため、慎重に操作してください。

手順

  1. 「Windowsキー + R」を押して「実行」ダイアログを開きます。
  2. 「regedit」と入力して「OK」をクリックし、レジストリエディタを開きます。
  3. 以下のパスに移動します:
   HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Biometrics
  1. 「Biometrics」キーの下に「Enabled」という名前の値が存在するか確認します。存在する場合は、その値をダブルクリックして開き、値を「0」に変更します。
  2. レジストリエディタを閉じて、コンピューターを再起動します。

注意点

  • レジストリの編集は慎重に行ってください。誤った変更を行うとシステムに影響を及ぼす可能性があります。
  • この方法で問題が解決しない場合、次のステップに進みます。

TPMの情報削除

TPM(Trusted Platform Module)の情報を削除することで、指紋認証の問題が解決する場合があります。ただし、TPMの情報を削除するとPIN情報や暗号化ディスクのキーも削除されるため、事前に暗号化解除を行うことを強く推奨します。

手順

  1. 暗号化解除の準備
  • BitLockerなどでドライブが暗号化されている場合、先に暗号化を解除します。
  • 暗号化解除手順は、コントロールパネルの「システムとセキュリティ」から「BitLocker ドライブ暗号化」を選び、「BitLockerを無効にする」をクリックして進めます。
  1. UEFI BIOS設定にアクセス
  • コンピューターを再起動し、起動時に「F2」や「Del」などのキーを押してUEFI BIOS設定に入ります(キーはPCメーカーによって異なります)。
  1. TPM管理画面に移動
  • BIOS設定画面で「Security」または「セキュリティ」タブを探し、「TPM Configuration」や「TPM Security」などの項目を見つけます。
  1. TPM情報のクリア
  • 「Clear TPM」または「TPMのクリア」を選択し、確認画面が表示されたら指示に従ってクリアを実行します。
  1. 再起動
  • 設定を保存してBIOSから退出し、コンピューターを再起動します。

注意点

  • TPMの情報をクリアすると、TPMに関連する全てのデータが削除されます。事前に重要なデータのバックアップを取ってください。
  • これで問題が解決しない場合は、次のステップに進みます。

メーカーサポートに問い合わせ

指紋認証デバイスのドライバを最新のものに更新することも、問題解決の一助となります。PCメーカーの公式サイトからドライバをダウンロードし、更新を行ってください。問題が解決しない場合は、メーカーのサポートに問い合わせます。

手順

  1. 公式サイトでドライバを検索
  • PCメーカーの公式サイトにアクセスします。
  • サポートまたはドライバのダウンロードページを探し、PCの型番を入力します。
  • 最新の指紋認証デバイスドライバをダウンロードします。
  1. ドライバのインストール
  • ダウンロードしたドライバのインストーラを実行し、画面の指示に従ってインストールを完了します。
  • インストール後、コンピューターを再起動します。
  1. メーカーサポートに問い合わせ
  • ドライバの更新でも問題が解決しない場合、PCメーカーのサポートに問い合わせます。
  • 問い合わせの際には、問題の詳細(発生時期、試した対処法など)を伝えます。

問い合わせのポイント

  • 問題が発生している状況を具体的に説明します。
  • 問題解決のために試した手順をリストアップします。
  • PCの型番やシリアル番号など、必要な情報を事前に準備します。

メーカーサポートからの指示に従って追加の対処を行うことで、問題が解決する可能性があります。

その他の提案

指紋認証が表示されない問題の対処法として、別の指での登録やPINリセットなど、追加の方法も試してみてください。これらの方法で問題が解決する場合があります。

別の指で登録する

指紋認証デバイスが「似た指が登録されている」と表示する場合、別の指で登録を試みてください。新たに指紋を登録することで問題が解決することがあります。

手順

  1. 「Windowsキー + I」を押して「設定」を開きます。
  2. 「アカウント」→「サインインオプション」を選択します。
  3. 「Windows Hello フィンガープリント」の「追加」をクリックし、別の指で登録します。

PINリセットができない場合

PINリセットができない場合、WinBioDatabaseを削除して新規作成を試みます。

WinBioDatabaseの削除手順

  1. 「Windowsキー + R」を押して「実行」ダイアログを開きます。
  2. 「services.msc」と入力して「OK」をクリックし、サービス管理ツールを開きます。
  3. 「Windows Biometric Service」を右クリックして「停止」を選択します。
  4. エクスプローラーで以下のフォルダに移動します:
   C:\Windows\System32\WinBioDatabase
  1. 「WinBioDatabase」フォルダ内のすべてのファイルを削除します。
  2. 「Windows Biometric Service」を再起動します。

会社や学校のPCの場合

会社や学校のPCで指紋認証が表示されない場合、管理部門に相談して設定が無効化されていないか確認します。管理者がセキュリティポリシーの一環として指紋認証を無効化している場合があります。

手順

  1. IT管理部門に連絡し、指紋認証が有効か確認します。
  2. 必要に応じて管理者権限を持つアカウントで操作を行います。

これらの追加対処方法を試しても問題が解決しない場合、引き続きメーカーサポートや専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

指紋認証が表示されない問題は、さまざまな原因が考えられますが、適切な手順を踏むことで解決することができます。以下のステップを試すことで、多くの問題が解決するはずです:

  1. システムの再起動 – 一時的な不具合を解消するためにPCを再起動します。
  2. デバイスマネージャーで確認 – デバイスドライバを確認し、必要に応じて再インストールします。
  3. サインインオプションの確認 – Windows Hello フィンガープリントの設定を確認し、有効化します。
  4. レジストリエディタで指紋データの削除 – レジストリエディタで指紋データを削除し、再起動します。
  5. TPMの情報削除 – UEFI BIOS設定でTPM内の情報を削除しますが、事前に暗号化解除を行います。
  6. メーカーサポートに問い合わせ – 最新のドライバをインストールし、問題が解決しない場合はメーカーサポートに問い合わせます。
  7. その他の提案 – 別の指での登録やPINリセット、管理部門への相談を行います。

これらの手順を順に試しても問題が解決しない場合、専門家の助けを借りることを強く推奨します。具体的なPCの型番や詳細情報を提供することで、より効果的なサポートを受けることができます。

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