Microsoft Storeからアプリをダウンロードしようとした際に「0x89235106」というエラーコードが表示され、ストアがオフライン状態と認識されてしまう現象は、ネットワーク設定やシステム構成に起因する場合が多いです。本記事では、DNS変更やTLS有効化、クリーンブートなどの対処方法を中心に、幅広い原因と解決策をわかりやすく解説していきます。
- Microsoft Storeエラーコード「0x89235106」の概要
- 原因と対処策を理解する
- 対処方法1:DNS設定の変更
- 対処方法2:TLS 1.0~1.2の有効化
- 対処方法3:クリーンブートの実行
- 対処方法4:時刻・日付の設定を確認
- 対処方法5:Windows Updateの適用
- 対処方法6:Microsoft Storeアプリの再登録(再インストール)
- 対処方法7:WSResetツールでキャッシュをリセット
- 対処方法8:セキュリティソフトやファイアウォールの確認
- 対処方法9:DISMやSFCでシステムファイルを修復
- 対処方法10:ネットワーク環境の切り替え
- エラー「0x89235106」解消のための対策一覧表
- まとめ
Microsoft Storeエラーコード「0x89235106」の概要
Microsoft Storeがエラーコード「0x89235106」を表示する場合、Windowsがストアサーバーとの通信を正しく確立できていない可能性があります。実際にはインターネットに接続しているのに「オフライン状態」と判断され、Minecraftやその他のアプリがダウンロードできない状況です。原因としては、DNSの不具合、TLSプロトコルの問題、セキュリティソフトによるアクセスブロックなど、多岐にわたります。ここからは具体的な対処方法を順を追って見ていきましょう。
原因と対処策を理解する
Microsoft Storeがオフライン状態になり、エラー「0x89235106」が発生する場合、大きく分けて以下のような原因が考えられます。
- DNS設定が原因でストアサーバーと通信できない
- WindowsのTLS設定が無効になっておりセキュリティプロトコルの交渉に失敗している
- 常駐アプリやサービスとの競合によりストアが正常に動作しない
- セキュリティソフトやファイアウォールの誤検出・制限
- Windows自体の不具合(ストアアプリの破損など)
- 日付や時刻の設定がずれている
- Windows Update未適用によるシステムの不整合
それぞれの要因に対して、設定の見直しや再インストールなど、多角的なアプローチが必要です。以下では、代表的な対処方法を順に解説します。
対処方法1:DNS設定の変更
DNSが原因で通信が不安定になるケース
DNSサーバーが応答しない、またはDNSの設定が正しくない場合、Webページやクラウドサービスへの接続がうまくいかず、Microsoft Storeに限らずオンラインゲームや各種アプリでも不具合が発生しがちです。特に初期設定のままだとISP(インターネットサービスプロバイダ)のDNSを使っており、まれに混雑や応答遅延で問題が起こることがあります。
DNS変更の手順
- 「コントロール パネル」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」→「アダプターの設定の変更」を開く。
- 利用しているネットワークアダプターを右クリックして「プロパティ」を選択。
- 「インターネット プロトコル バージョン4(TCP/IPv4)」を選択し、「プロパティ」をクリック。
- 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択し、以下の例のように設定する。
- Google Public DNS: 8.8.8.8 / 8.8.4.4
- Level 3 DNS: 4.2.2.1 / 4.2.2.2
- 「OK」でウィンドウを閉じ、設定を反映。再起動もしくはネットワークアダプターを一度無効→有効にする。
DNSを変更すると、ストアやブラウザの通信が安定しやすくなります。もしDNSを変更しても効果が感じられなければ、他の対策もあわせて実施してみましょう。
対処方法2:TLS 1.0~1.2の有効化
暗号化通信の不備でMicrosoft Storeが接続不可に
Microsoft Storeを含め、WindowsのさまざまなサービスはTLS(Transport Layer Security)を使って通信を保護しています。Windowsの設定でTLSが無効化されていると、一部のオンラインサービスに接続できなくなることがあります。特に企業環境でセキュリティポリシーが厳しく、古いTLSを無効にしている場合などに起こりやすいです。
TLS設定の確認・有効化手順
- 「Windowsキー + R」を押し、「inetcpl.cpl」と入力し、インターネットのプロパティを開く。
- 「詳細設定」タブをクリック。
- 「TLS 1.0を使用する」「TLS 1.1を使用する」「TLS 1.2を使用する」にチェックが入っていない場合は有効化する。
- 「適用」→「OK」をクリックして設定を反映させる。
設定変更後はPCを再起動するとより確実です。また、企業ネットワークなど独自の証明書管理を行っている環境では、セキュリティ管理者と相談しながら設定を変更しましょう。
対処方法3:クリーンブートの実行
常駐アプリやサービスによる競合を排除
常駐アプリやバックグラウンドで動作するサービスの中には、Windowsの標準機能と競合を起こすものがあります。特にセキュリティソフト、VPNクライアント、ネットワークモニタリング系アプリなどはMicrosoft Storeの通信を遮断する場合があります。クリーンブートでは、最小限の構成でWindowsを起動するため、問題の原因を切り分けるのに役立ちます。
クリーンブート手順
- 「Windowsキー + R」で「msconfig」と入力し、「システム構成」を起動。
- 「サービス」タブから「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを入れる。
- 「すべて無効」をクリックして、サードパーティ製サービスを無効化。
- 「スタートアップ」タブで「タスク マネージャーを開く」を選択。
- 表示されるスタートアップ項目をすべて無効にし、タスクマネージャーを閉じる。
- 「OK」をクリックして再起動する。
クリーンブート後にMicrosoft Storeを起動し、エラーが解消するか確認します。解消した場合は、再度サービスやスタートアップを1つずつ有効にし、どのアプリやサービスが競合を引き起こしているのかを特定してください。
対処方法4:時刻・日付の設定を確認
システムクロックの不一致による認証エラー
意外と見落としがちなのが、Windowsの時刻や日付がずれているケースです。オンライン認証を行う際、SSL証明書の期限などと照合するため、時刻や日付が正確でないと「オフライン」と判断されることがあります。以下の手順でWindowsの時刻設定を確認し、必要なら自動同期を有効にしましょう。
Windowsの時刻を自動同期させる手順
- 「スタート」ボタンから「設定」を開く。
- 「時刻と言語」→「日付と時刻」を選択。
- 「時刻を自動的に設定する」をオンにする。
- 「今すぐ同期」をクリックして、正しい時刻と同期。
対処方法5:Windows Updateの適用
システムコンポーネントの欠落による影響
Windows Updateが最新ではない場合、Microsoft Storeのコンポーネントや関連するサービスが古く、エラーが発生することがあります。特に大規模アップデートが行われた後に、インストールが途中で止まっていると不整合が生じやすいです。
- 「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」から手動で最新の更新プログラムをチェック
- 更新プログラム適用後は再起動し、ストアを再度確認
更新プログラムにはストアアプリの更新や修正が含まれることがあるため、定期的にWindowsを最新の状態に保つことが望ましいです。
対処方法6:Microsoft Storeアプリの再登録(再インストール)
アプリケーション自体の破損を修復
Microsoft Storeアプリそのものが壊れていたり、キャッシュが破損していたりすると、エラーコード「0x89235106」が出る場合があります。この場合、Windowsが用意している再登録コマンドを使うことで、ストアアプリをクリーンな状態に戻すことができます。
再登録のPowerShellコマンド
Get-AppxPackage -allusers *WindowsStore* |
Foreach {Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register "$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml"}
実行後はPCを再起動し、ストアを開き直してエラーが解消されたかを確認します。なお、このコマンドは管理者権限のPowerShellを起動して実行する必要があります。
対処方法7:WSResetツールでキャッシュをリセット
ストアキャッシュが原因のトラブル対処
Microsoft StoreにはWSReset.exeという公式のキャッシュリセットツールが用意されています。これを使うとストアのキャッシュだけを簡単にクリアできます。
- Windowsの検索バーに「WSReset.exe」と入力する。
- 出てきた実行ファイルを右クリックで「管理者として実行」。
- 黒い画面がしばらく表示された後、自動的にストアが起動。
これだけで問題が解消するケースもあります。WSResetはストアのキャッシュをリセットするだけですので、他のアプリや設定に影響を与えません。
対処方法8:セキュリティソフトやファイアウォールの確認
通信ブロックが潜む場所を探す
サードパーティ製のセキュリティソフトやファイアウォール、VPNツールなどが原因で、Microsoft Storeの通信がブロックされているケースは少なくありません。ウイルス対策ソフトの「保護機能」の一部がMicrosoft Storeや関連サービスの通信を誤判定することもあります。
設定見直しのチェックポイント
- セキュリティソフトのファイアウォール設定で、Microsoft Storeまたは「WinStore.App.exe」などがブロックされていないか
- VPNクライアント使用中の場合、VPNをオフにしてStoreに接続できるか試す
- ルーターのファイアウォール設定で特定のポートが閉じられていないか
一時的にセキュリティソフトを停止するなどして問題の切り分けを行い、原因が特定できたらソフトの例外設定やルール作成でStoreへのアクセスを許可すると解決しやすいです。
対処方法9:DISMやSFCでシステムファイルを修復
システムファイルの破損や不整合をチェック
Windowsのシステムファイルが壊れていると、Microsoft Storeに限らずさまざまな機能に不具合が出る可能性があります。以下のコマンドを順に実行することで、システムファイルを修復し問題解決に繋がる場合があります。
コマンド例
DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth
sfc /scannow
これらを管理者権限のコマンドプロンプトやPowerShellで実行し、完了後に再起動します。DISMコマンドはWindowsイメージを修復し、SFCはシステムファイルをスキャン・修復します。修復後にStoreの挙動を確認してください。
対処方法10:ネットワーク環境の切り替え
Wi-Fiから有線、または別回線への移行で問題切り分け
場合によっては、Wi-Fi環境でのみエラーが発生し、有線接続では発生しないという事例もあります。プロバイダ側の設定やルーター設定による制限などの可能性を探るためにも、別のネットワーク環境でMicrosoft Storeを試すと、問題の原因箇所を絞りやすくなります。
エラー「0x89235106」解消のための対策一覧表
以下に主な対策を表にまとめました。気になる項目から取り組んでみてください。
対策 | 手順概要 | 効果/注意点 |
---|---|---|
DNS設定変更 | Google Public DNS等へ切替 | ネットワーク経路を安定化 |
TLSの有効化 | inetcpl.cpl → 詳細設定 → TLSを有効 | 暗号化プロトコルの正常化 |
クリーンブート | msconfigで最小構成起動 | 常駐ソフトとの競合排除 |
時刻・日付の確認 | 設定 → 日付と時刻 → 自動同期 | 認証エラーの回避 |
Windows Update | 更新とセキュリティから手動更新 | 最新版のコンポーネント適用 |
Storeアプリ再登録 | PowerShellで再インストール | ストア自体の破損修復 |
WSReset.exe | キャッシュのリセット | ストアの一時ファイル削除 |
セキュリティソフト確認 | ファイアウォール設定やVPN確認 | 通信ブロックを解除 |
DISM/SFC | システムイメージとファイル修復 | OSの破損を修復 |
ネットワーク変更 | Wi-Fi→有線、別回線へ切り替え | 回線自体の問題を切り分け |
まとめ
Microsoft Storeでエラーコード「0x89235106」が発生しオフラインと認識されてしまう場合、多角的な原因を排除するアプローチが求められます。DNSを切り替えるだけでも改善することがありますし、TLS設定やクリーンブート、さらにStoreアプリ自体の再登録などを実行することで復旧につながるケースが多いです。また、Windowsの時刻や日付、Windows Updateの適用状態、セキュリティソフトの設定など、基本的なポイントをこまめにチェックすることがトラブル回避の近道です。ぜひ本記事で紹介した対処法を一つずつ試し、Microsoft Storeを再び快適に利用できる環境に戻しましょう。
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