MSVCR120.dllやMSVCP120.dllが見つからないため、アプリケーションが起動できないエラーが発生することがあります。このエラーは、特定のVisual C++再頒布可能パッケージが不足しているか、破損していることが原因です。この記事では、エラーの詳細とその解決方法について説明します。最終的な解決策として、VC++のx86版をインストールする方法を紹介します。
エラーの概要
MSVCR120.dllやMSVCP120.dllエラーは、アプリケーションが起動時に必要なDLLファイルが見つからない場合に発生します。これらのファイルはVisual C++再頒布可能パッケージの一部であり、不足や破損が原因でエラーが発生します。この問題により、特定のプログラムが正常に実行できなくなります。
Visual C++ x64版の再インストール
MSVCR120.dllやMSVCP120.dllエラーの最初の対策として、Visual C++ x64版の再インストールを試みることが推奨されます。以下の手順で再インストールを行います:
- すべての既存のVisual C++ x64再頒布可能パッケージをアンインストールします。
- Microsoft公式サイトから最新のVisual C++ x64再頒布可能パッケージをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、再インストールします。
これにより、破損したDLLファイルが修復される可能性があります。しかし、この方法で解決しない場合もあるため、次の対策を試してください。
コマンドプロンプトでの修復コマンド
MSVCR120.dllやMSVCP120.dllエラーが発生する場合、システムファイルの修復を試みることが有効です。コマンドプロンプトを使用して、以下のコマンドを実行します:
SFC(システムファイルチェッカー)コマンド
sfc /scannow
このコマンドは、システムファイルの整合性をチェックし、破損したファイルを修復します。
DISM(Deployment Imaging Service and Management Tool)コマンド
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
このコマンドは、Windowsイメージを修復し、SFCコマンドで修復できない問題を解決します。
これらのコマンドを実行することで、システムの整合性を回復し、DLLエラーが解決する可能性があります。
システムの復元
MSVCR120.dllやMSVCP120.dllエラーが発生する前の正常な状態に戻すために、システムの復元を試みることができます。システムの復元は、Windowsが自動的に作成した復元ポイントを使用して、PCを以前の状態に戻します。
システムの復元手順
- スタートメニューを開く: 「スタート」ボタンをクリックします。
- 「システムの復元」を検索: 検索ボックスに「システムの復元」と入力し、「システムの復元の作成」を選択します。
- システムの保護を選択: 「システムの保護」タブをクリックし、「システムの復元」ボタンをクリックします。
- 復元ポイントを選択: エラーが発生する前の日付の復元ポイントを選択します。
- 復元の実行: 指示に従ってシステムの復元を実行します。
システムの復元により、エラーの原因となった変更を元に戻すことができますが、復元ポイントによってはインストールしたアプリケーションやドライバが影響を受けることがあります。
Windows Update
MSVCR120.dllやMSVCP120.dllエラーを解決するための一つの方法として、最新のWindows Updateを適用することが挙げられます。Windows Updateは、システムの安定性やセキュリティを向上させるために重要な更新プログラムを提供します。
Windows Updateの手順
- 設定を開く: 「スタート」ボタンをクリックし、「設定」アイコンを選択します。
- 更新とセキュリティを選択: 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- Windows Updateを選択: 左側のメニューから「Windows Update」を選択します。
- 更新プログラムの確認: 「更新プログラムの確認」ボタンをクリックします。
- 更新のインストール: 利用可能な更新プログラムが表示された場合は、指示に従ってインストールします。
Windows Updateを実行することで、システムファイルの修正や最新のバグフィックスが適用され、DLLエラーの解決につながる可能性があります。
最終的な解決策
VC++のx86版をインストールすることで、MSVCR120.dllやMSVCP120.dllエラーが解決する可能性があります。特に、該当のアプリケーションが32ビット版である場合、x86版が必要となります。以下の手順でインストールを行います。
VC++ x86版のインストール手順
既存のVisual C++ x86再頒布可能パッケージのアンインストール:
- 「コントロールパネル」 > 「プログラムと機能」から、既存のVisual C++ x86再頒布可能パッケージをアンインストールします。
Microsoft公式サイトからダウンロード:
- Microsoft公式サイトから最新のVisual C++ x86再頒布可能パッケージをダウンロードします。
ダウンロードしたインストーラーの実行:
- ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックし、インストールを実行します。
なぜx86版が必要なのか
アプリケーションが32ビット版の場合、対応するVC++ x86再頒布可能パッケージが必要です。これにより、アプリケーションが必要とする32ビット版のDLLファイルが提供され、エラーが解消されます。多くのアプリケーションが32ビット版として開発されているため、x86版のインストールが必須となる場合があります。
補足情報
MSVCR120.dllやMSVCP120.dllエラーは、再インストールによっても解決できる場合があります。他のアプローチも考慮することが重要です。
アプリケーションの再インストール
エラーが特定のアプリケーションに関連している場合、そのアプリケーションを再インストールすることで問題が解決することがあります。以下の手順を参考にしてください:
アプリケーションのアンインストール:
- 「コントロールパネル」 > 「プログラムと機能」から、該当のアプリケーションをアンインストールします。
再インストール:
- アプリケーションの公式サイトから最新バージョンをダウンロードし、再インストールします。
他のDLLエラーの対応方法
他のDLLエラーに遭遇した場合も、Visual C++再頒布可能パッケージのインストールや修復コマンドの実行が有効です。以下に一般的な対応方法を示します:
- DLLファイルのダウンロード:
- 信頼できるサイトから必要なDLLファイルをダウンロードし、適切なディレクトリに配置します。
- レジストリの修正:
- 特定のエラーについては、レジストリを手動で修正することが必要な場合があります。ただし、レジストリの編集はリスクを伴うため、慎重に行う必要があります。
これらの方法を組み合わせることで、DLLエラーの多くを効果的に解決できます。
まとめ
MSVCR120.dllやMSVCP120.dllが見つからないエラーは、Visual C++再頒布可能パッケージの不足や破損が原因で発生します。エラーの解決には、以下の対策を順に試してください:
- Visual C++ x64版の再インストール: 既存のx64版をアンインストールし、最新のx64版を再インストールします。
- コマンドプロンプトでの修復コマンド: SFCとDISMコマンドを実行してシステムファイルを修復します。
- システムの復元: エラー発生前の状態にシステムを復元します。
- Windows Update: 最新の更新プログラムを適用します。
- VC++ x86版のインストール: アプリケーションが32ビット版の場合、x86版をインストールします。
これらの対策を実行することで、DLLエラーを効果的に解決できます。特に、最終的な解決策としてVC++ x86版のインストールが有効であることが多いため、最初に試すことをお勧めします。問題が解決しない場合は、アプリケーションの再インストールや他のDLLエラーの対応方法も検討してください。
コメント