WindowsでNVIDIA・AMD GPUがコード43エラーを起こす原因と対処法

パソコンを使っていて、グラフィックドライバーが突然エラー43を吐き出し、NVIDIAやAMDのGPUが認識されなくなると非常に困りますよね。Windows 11やWindows 10で多くの方が直面するこの問題は、ドライバーやBIOS、あるいはGPU自体に原因が潜んでいることが少なくありません。

コード43エラーとは何か

コード43エラーとは、Windowsのデバイス マネージャー上で「Windowsがこのデバイスを停止しました (コード43)」と表示されるものを指します。主にグラフィックカードやUSBデバイスなどで報告されることが多い症状です。特にグラフィックカードの場合、タスク マネージャーや各種設定画面でGPUが正しく認識されず、ゲームや動画編集などGPUを使う作業に支障をきたすことがあります。

よくある症状

– エラー43の表示でデバイスが正常に稼働しない
– NVIDIA Control Panel(もしくはAMDの設定画面)が起動しない
– ドライバーを入れ直してもエラーが消えず、ループ状態になる
– Windows UpdateやGeForce Experienceから最新ドライバーにしても解決しない
– ノートPCの場合、内蔵GPU(Intel UHDなど)との競合らしき事象が起こる場合もある

ユーザー事例

過去に私が組み立てパソコンを使っていたとき、ある日突然Windows上でグラフィックカードが認識されなくなりました。デバイス マネージャーを確認するとコード43が表示されていたため、まずはドライバーを再インストールしたりBIOSを初期化したりと、いろいろ試行錯誤してみました。しかしどうにも改善せず、最終的にはGPUを別のパソコンでテストしたところ、やはり認識されないことが判明。ハードウェア故障が原因だったとわかったのです。こうしたケースは意外と多く、ソフトウェアを疑い続けても直らない場合には、物理的な故障を真っ先に検討する必要があります。

一見ソフト的なエラーにも思えますが、実際にカードそのものの不具合が隠れているケースは多いです。私も最初はWindowsやBIOS設定ばかり疑っていましたが、結局はカード交換で解決しました。

コード43エラーが起きる主な原因

Windowsを含むPC環境では、さまざまな要因が絡み合ってコード43エラーが発生します。ここでは代表的な原因をいくつか挙げます。

ハードウェア故障

– グラフィックボード上のメモリやGPUコアの損傷
– 基板のコンデンサや抵抗が故障している
– ノートPCの場合、マザーボード全体の故障がGPU動作に影響することもある

ドライバーの不整合や破損

– 異なるバージョンのドライバーが重複インストールされ競合
– アップデート途中でエラーが発生し、ドライバーの一部が破損
– GeForce ExperienceやWindows Update経由でのインストール失敗など

BIOSやファームウェアの問題

– 古いBIOSが新しいGPUに対応しておらず、誤認識する
– BIOS設定で内蔵GPUを優先しており、外部GPUを正しく読みに行かない
– 特定のマザーボードで、PCIeスロットの設定に不備がある

電源関連のトラブル

– 電源ユニット(PSU)の容量が足りないか、劣化して供給が不安定
– 6ピンや8ピンの補助電源ケーブルの接触不良
– GPUに十分な電力が供給されずエラーを出す場合がある

こういった原因を特定せずに、ソフトウェア更新のみで何度も試してしまうと時間を浪費しがちです。

コード43エラーの解決策

ここからは具体的なアプローチを段階的に見ていきましょう。もちろん環境や症状によって差はありますが、大まかな流れとして参考にしてみてください。

1. BIOS設定の確認と更新

1.1 BIOSを初期化する

初期化方法はマザーボードやノートPCのメーカーごとに異なりますが、基本的にはBIOSメニュー内で「Load BIOS Defaults」のような項目を選ぶだけでリセットできます。デスクトップPCの場合はCMOSクリアジャンパーを用いてリセットすることも可能です。

1.2 BIOSのバージョンを最新にする

メーカーのサポートサイトから最新BIOSをダウンロードしてアップデートすることで、GPU関連の不具合が修正されるケースがあります。実際、PCIeスロットの認識バグや高性能GPUに合わせた更新などが行われていることもあるので、古いままのBIOSを使っている場合は要チェックです。

BIOS更新は多少リスクもありますが、メジャーなメーカーの最新バージョンであればトラブルが解消される可能性は高いです。万が一の停電などに備えてノートPCはバッテリー残量を十分に、デスクトップならUPS(無停電電源装置)で保険をかけると安心です。

2. ドライバーのクリーンインストール

2.1 セーフモードでのアンインストール

ドライバーファイルの競合や破損を完全に除去するため、Display Driver Uninstaller(通称DDU)を使うのがおすすめです。以下のステップで実行します。

1. Windowsをセーフモードで起動
2. DDUを起動し、現在のGPUドライバーを完全削除
3. PCを再起動して通常モードでログイン
4. NVIDIAやAMDの公式サイトから最新ドライバーをダウンロードして再度インストール

2.2 ドライバーバージョンを下げる

最新版が常に安定しているわけではないため、一度古いバージョンへ戻してみることも有効です。過去には、新しいドライバーが特定のGPUモデルやWindowsのビルドで相性問題を起こし、エラー43につながるという報告があります。

3. Windowsのシステム修復

3.1 修復インストール(アップグレードインストール)

Windowsのシステムファイルが破損している可能性がある場合、修復インストールを行うことで問題が解決することがあります。大きなデータを残したままOSファイルだけを上書きするやり方なので、比較的リスクは低めです。

3.2 クリーン インストール

最終手段として、OSを丸ごとクリーン インストールするという方法もあります。ソフトウェア的な問題ならほぼ解消できますが、それでも改善しなければハードウェアの故障を疑うべきでしょう。

OSのクリーン インストール後に正常認識されたケースは、実際に何度も見られます。

ノートPCの場合に考えられる注意点

ノートPCでは、独立したGPUだけでなく、IntelやAMDの統合グラフィック(内蔵GPU)が同居していることが多いです。このため設定やドライバーの競合でトラブルが生じることがあります。

内蔵GPUドライバーとの干渉

– 内蔵GPUドライバーをアンインストールしたら一時的に認識された
– しかし再起動で再びドライバーが復活し、またコード43が出る

こうしたループに陥る場合、ソフトウェア的な原因の可能性もありますが、何度試しても再発する場合にはやはり物理故障の疑いが高くなります。

ノートPCは構造上、特定のGPUだけ交換するのが難しく、マザーボード交換に至るケースも珍しくありません。修理コストが高額になることもあるため、メーカー保証が生きているうちに点検してもらうのが無難です。

デスクトップPCなら物理チェックも重要

デスクトップPCの場合は、GPUを別のマシンに差し替えたり、PCIeスロットを変えて試すなど、ハードを直接確認できるメリットがあります。

電源(PSU)のチェック

電源ユニットが劣化し、十分な電力を供給できない場合は、意外にもコード43エラーにつながることがあります。特に高性能GPUを搭載しているほど消費電力が増えるため、容量不足やコネクタの接触不良に注意してください。

GPUの差し直し・スロット変更

PCIeスロットが複数あるマザーボードなら、別のスロットにGPUを差し込んでみるだけでも動作状況が変わることがあります。ホコリや接触不良が原因の場合、これだけで改善したという事例も存在します。

デスクトップPCの場合、掃除を怠ってスロット内にホコリが溜まっていると冷却効率が落ちるだけでなく、物理的な接触不良も起こしやすいです。

ソフトウェアとハードウェアの切り分け方法

コード43エラーは、ソフトウェアとハードウェアのどちらの不具合でも起こり得ます。そこで、原因を切り分けるためのポイントを整理してみましょう。

切り分け項目確認・対処の要点結果の判断
ドライバー再インストールDDUで完全削除→最新版または安定版をインストール解消→ソフト的問題の可能性大
変化なし→次の手順へ
BIOS初期化・更新Load BIOS Defaults→最新版に更新解消→BIOS設定・互換性問題
変化なし→次の手順へ
Windows修復/再インストール修復インストール→クリーン インストール解消→OS側の問題
変化なし→ハード故障の疑い
他PCでGPUをテスト可能なら友人やショップのPCで試す他PCでもエラー→GPU故障ほぼ確定
他PCで正常→マザーボードや電源を再チェック

上記の手順を踏むことで、問題の所在をスッキリ把握しやすくなります。私も最終的に他のPCでテストして、ハード故障と断定できたので無駄な出費を抑えられました。

最終的にはハード故障の可能性が高い

コード43エラーは、実際にハードウェア故障であることが少なくありません。特にGPU内部のメモリや回路にトラブルが起きると、Windowsが正常に動作を止めてしまい、エラー43を提示することが多いのです。ドライバーやOSの再インストールで改善しない場合は、早めに修理や交換を検討しましょう。

保証期間を確認する

– 自作PC向けのグラフィックカードには、1~3年ほどのメーカー保証がついていることが多い
– ノートPCのメーカー保証期間中であれば、修理依頼すると交換やマザーボードごと交換してもらえることがある

修理費用と交換の判断

– 修理費用が高額になる場合、新しいGPUを購入したほうがコストパフォーマンスが良い場合もある
– ノートPCだと交換が難しく、マザーボードごと交換になるケースがある

私の知り合いは、5年ほど前のGPUが故障して修理に出そうとしましたが、保証切れのため交換料金が高額に。結局、新しいカードに買い替えて性能向上も図ることができたと話していました。

まとめ

コード43エラーが発生したときは、まずソフトウェア的な方法(ドライバーやBIOSの更新、Windowsの修復など)を丁寧に試してみるのがおすすめです。もしそれでも改善しない場合は、グラフィックカードそのものの故障を疑い、別のPCでのテストやメーカーへの修理依頼を検討しましょう。特にノートPCはGPU交換が難しく、修理コストがかさむ可能性があるため、早い段階で保証などを確認しておくと安心です。

コード43エラーを機にPC内部の状態をじっくり見直すと、意外なトラブルやパフォーマンス低下の原因を発見できることもあります。これを機会にホコリ掃除や電源ユニットの見直しなども行ってみましょう。

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