パソコンの起動時に現れるBIOSパスワード画面に戸惑ったことはありませんか。大切なノートPCなのに、自分だけでは先に進めず焦る瞬間は誰にでも起こり得るものです。ここでは、Razer Blade 15 Base Model (Early 2021) RZ09-0369を例に、BIOSパスワードの仕組みや解除・リセットの手順、注意点をわかりやすく解説します。
BIOSパスワードとは何か
Razer Blade 15に限らず、BIOSパスワードはパソコンの起動やシステムの根幹部分を守るために存在します。パソコンを起動すると、Windowsが立ち上がる前にBIOSやUEFI(BIOSの新しい形態)が動作し、ハードウェアの初期化やOSの読み込み準備を行います。この根幹部分にパスワードを設定しておくと、何かしらの理由でOSが起動できなくなったり、他人に自由に触られたりするリスクを抑えられます。
Razer Blade 15のようなゲーミングノートPCでの役割
Razer Blade 15 Base Model (Early 2021) RZ09-0369は、高性能なパーツが詰め込まれたゲーミングノートPCです。性能の高さゆえに、BIOS設定でファンの回転数や電圧、起動デバイスの順序などを変更できる場合があります。こうした設定を誤って変更すると、システムが不安定になることもあります。そのため、大切なパソコンだからこそ、BIOSパスワードを設定してセキュリティを強化する手段が用意されているのです。
WindowsのパスワードやPINとの違い
BIOSパスワードを忘れてしまう人の中には、Windowsのログイン情報と混同しているケースが少なくありません。以下のように区別するとわかりやすいです。
項目 | 役割 | 認証タイミング |
---|---|---|
BIOSパスワード | ハードウェアレベルの設定や起動自体を保護する | 電源投入直後 (Windows起動前) |
Windowsパスワード / PIN | OSへのログイン認証 | Windows読み込み後 |
Microsoft アカウント | Microsoftサービスの利用や設定の同期 | Windowsログイン時やオンラインサービス利用時 |
これらはそれぞれ独立しているため、BIOSパスワードを設定していない限りは求められません。逆に言えば、何らかのタイミングでBIOSパスワードを登録してしまった場合は、Windowsの情報では代替できないので注意が必要です。
インストール時に自動設定はされない
Windows 10をインストールするときに、強制的にBIOSパスワードが設定されるということは通常ありません。もしBIOSパスワードが求められるなら、それは手動で設定したか、あるいは店頭やサポートセンターなど第三者が設定した可能性があります。
身に覚えがないときのトラブル例
実際に自分自身の記憶になく、起動時にパスワードを求められることが発生する事例があります。たとえば、購入時にショップが動作確認を行う過程で設定してしまう、初期セットアップ代行を頼んだときに何らかの理由でパスワードを設定されたまま引き渡されるなど、人為的な原因が考えられます。

私自身、昔中古で購入したノートPCでBIOSパスワードが初期から仕込まれていて、まったく知らないパスワードが設定されていたことがありました。結局メーカーサポートへ連絡し、特定手順で解除してもらった経験があります。
BIOSパスワードが解除できない場合の対処方法
Razer Blade 15 Base Model (Early 2021)でBIOSパスワードが不明になったら、慌てずにいくつかのステップを踏んでみましょう。
1. Razer公式サポートへの問い合わせ
メーカーサポートへの連絡は最も確実かつ推奨される方法です。機種ごとに異なる手順が存在するため、下手に自己流で試してしまうと最悪の場合、PCが起動しなくなるリスクもあります。Razerでは、公式サイトからサポートページにアクセスし、シリアル番号や製品登録を行って具体的な手順を教えてもらえる可能性があります。
サポート依頼の前に準備しておきたい情報
・PCのシリアル番号
・購入時期や購入証明(レシートや領収書など)
・BIOSパスワードが不明になった経緯
・実施した対処方法の記録
メーカー側が事情を把握しやすくなるので、やり取りがスムーズになります。
2. 一般的な解除手順の試行
Razerのサポート情報などをもとに、一部のBIOSではキー入力のシーケンスによって設定画面に入る手順が公開されています。例えば、下記のような操作が紹介されることがあります。
Razerサポートで案内されるキー操作例
手順1
ノートPCの電源が完全に切れた状態で電源ボタンを1回押します。
手順2
続けてDeleteキーを連打(10回程度)してみます。
手順3
その後、順番に以下のキーを押してみます。
・Deleteキー (1回)
・左矢印キー (1回)
・下矢印キー (4回)
・Enterキー (2回)
・上矢印キー (4回)
・Enterキー (2回)
これらは特定のBIOSバージョンで開発者がデバッグ用に入れている隠し操作のようにも見えます。とはいえ、こうした裏技が必ず機能するわけではありません。うまくいかない場合は、他の手段に切り替えましょう。
3. CMOSリセットやマザーボードのジャンパピンを利用
デスクトップPCではCMOSクリア用のジャンパを切り替えたり、BIOSのバックアップ電池を取り外してリセットしたりする手法が知られています。しかし、Razer Blade 15のようなノートPCは内部レイアウトが独自で、分解も容易ではありません。分解の手順を誤ると、筐体やケーブルを破損させる危険性があります。
メーカー保証との兼ね合い
ノートPCの分解は保証外となる可能性が高いため、メーカーサポートへ相談せずに勝手に分解すると、有償修理の対象になるかもしれません。どうしても自力でのCMOSクリアを試す場合は、自己責任で行うとともに、機種の分解手順や部品配置を十分に調べる必要があります。
BIOSパスワードを適切に管理するためのヒント
トラブルを未然に防ぐためにも、BIOSパスワードの設定や管理は慎重に行いましょう。ここでは、BIOSパスワード運用のポイントをいくつか紹介します。
1. 設定時のパスワードはメモやパスワードマネージャーで保管
Windowsパスワードと違って、パスワードを忘れた場合にリセットメールが届くわけではありません。大事なパスワードであるほど、わかりやすい場所に紙で保管するか、信頼できるパスワード管理サービスを利用しましょう。ただし、紙に書いた場合は紛失のリスクもあるため、厳重に保管が必要です。
2. BIOSを変更するときは慎重に
BIOSの設定変更は多くのリスクを伴います。特に電源管理やサーマル管理など高度なオプションに手を入れると、PCが不安定になる可能性があります。安全策として、変更を行う前に設定をバックアップできるならバックアップを作成し、少しずつ調整してみるのが望ましいです。
3. ほかのユーザーにPCを貸す際はロックダウンを
第三者にRazer Blade 15を一時的に貸すとき、ユーザーアカウントの作成やWindowsのゲストモード使用で済むことがあります。しかし、もしもBIOSレベルの設定に触れられたくない場合はBIOSパスワードをあらかじめ設定しておくと安心です。
BIOSパスワードを忘れないための小さな工夫
身近にある管理ツールを活用
最近はスマートフォンやタブレットにインストールできる多機能なパスワード管理アプリが増えています。Windowsパスワードや他サービスのログイン情報に加え、BIOSパスワードも一元管理しておくと、忘れたときにすぐ参照できます。



以前は私も紙ベースでパスワードを管理していましたが、外出先で急に必要になったりして困ることがありました。今はスマホの管理ツールに全てを入れているので安心感が段違いです。
定期的にメンテナンスやバックアップ
BIOSの更新(アップデート)は不具合修正やセキュリティ強化のために行われることがあります。その際、BIOSパスワードがどうなるかを把握しておきましょう。メーカーによってはアップデート時にパスワードの初期化が行われる場合もありますが、Razerの場合はそうならないケースが多いかもしれません。いずれにしても、こまめにパスワード情報を見直す癖をつけると安全です。
事例:Razer Blade 15のトラブル体験
ここでは、架空の事例を通じてよくあるBIOSパスワードトラブルとその対処を具体的にイメージしてみましょう。
事例1:店頭で初期セットアップをしてもらった場合
・家電量販店でPCを購入し、店員さんに初期設定を依頼。
・店員さんがセキュリティのためにBIOSパスワードを設定。
・本人にその情報がしっかり伝わっていなかったため、後日BIOSに入れなくなるトラブル発生。
・購入店に確認したところ、設定したパスワードを控えておらず、最終的にRazerサポートに連絡して解除方法を教えてもらった。
事例1から学ぶポイント
第三者が設定する場合はしっかり確認を行い、パスワードの控えを受け取ることが大切です。販売店独自のサポートパックでBIOSパスワードの管理を行っている場合もあるので、念のため初期設定時点で確認しておきましょう。
事例2:複数ユーザーで共同利用していた場合
・サークルや研究室などで、共有のRazer Blade 15を使っていた。
・あるユーザーが「間違ってBIOS設定に入らないように」と思い独自にパスワードを仕込んだ。
・そのユーザーが卒業や退職でいなくなり、パスワードを訊く手段が失われる。
・保証期間はまだ残っていたが、パスワードを思い出す手掛かりがないため、やむなくメーカーにリセットを依頼する羽目に。
事例2から学ぶポイント
共同利用や複数人で扱うPCの場合は、共有資産としての管理ルールを設ける必要があります。特にBIOSのような重要部分にパスワードをかける場合は、必ず他の責任者がバックアップとして記録する体制を整えておくべきです。
BIOSパスワードにまつわるQ&A
Q1: BIOSパスワードを間違えて何度も入力しているとどうなる?
通常はロックアウトの回数制限が設けられているBIOSもありますが、回数に達すると再起動が必要になったり、一定時間ロックがかかったりする場合があります。むやみに試し続けるよりも、原因を確かめることが先決です。
Q2: CMOSリセットボタンがある機種なら簡単にパスワード解除できる?
一部のデスクトップマザーボードや、ビジネス向けのノートPCにはCMOSリセットボタンがあるかもしれません。しかし、Razer Blade 15のようなゲーミングラップトップではそういった物理ボタンが備わっていないことが多く、分解や特別な工程が必要です。
Q3: BIOSパスワードをかけるメリットは大きい?
セキュリティ上のメリットは大いにあります。特に、外出先に持ち歩くノートPCの場合、万が一盗まれても簡単にBIOSからドライブを抜き取り、別のOSを起動されにくくなる利点があります。ただし、パスワードを忘れたときのリスクを考慮して運用することが重要です。
安全にRazer Blade 15を使い続けるための心得
1. 怪しいツールや裏技は使わない
ネット上には「BIOSパスワードを簡単に解除できるツール」「有料で解除キーを発行するサービス」などが見つかる場合があります。こうしたツールにはマルウェアが仕込まれているリスクがあり、データ流出やシステム破壊につながる恐れがあるため注意が必要です。
2. パスワードの再設定を伴うBIOSアップデート情報に注意
メーカーが提供するBIOSやUEFIのアップデート情報を確認し、どのような変更が含まれているかを把握しましょう。パスワードがリセットされる、または変更の必要があるケースもまれに報告されています。Razer公式のアップデート情報を見逃さないことが大切です。
3. BIOSの設定管理者をひとりに限定しない
共有PCの場合は、複数人が同じBIOSパスワードを管理しなければならないシーンがあるかもしれません。人為的ミスでパスワードを忘れるリスクを分散するためにも、最低2名はパスワードを知っている状態が望ましいです。
まとめ: 正確な管理と公式サポートが鍵
BIOSパスワードはWindowsやアカウントのパスワードとは違い、解除や再設定が非常に困難になる可能性があります。Razer Blade 15 Base Model (Early 2021) RZ09-0369のように高性能なゲーミングノートPCでは、特殊な分解手順や限定的なサポート情報が必要になるケースもあるため、まずは公式サポートに連絡し、確実な手順を案内してもらうのが最善の方法です。
また、PCを安全に活用し続けるためには、パスワードの厳重な管理と定期的なメンテナンスが欠かせません。普段から少しの工夫を積み重ねることで、煩雑なトラブルを避けることができるでしょう。



私もBIOSパスワードのトラブルをきっかけに、PCの管理全般を見直した経験があります。パスワードの整理が進むと、自分が何をどこまで設定しているか把握できて安心感がぐっと増しますよ。
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