Surface Laptop Go 2の再起動ループを解決する方法

突然の再起動ループやブルースクリーンが頻発すると、パソコンに重要なデータを残している場合などは非常に焦ってしまいますよね。Surface Laptop Go 2で生じるエラーは、回復キーの入力を求められたり、インストールの途中で再起動が繰り返されるなど、複雑な状況に陥ることが少なくありません。ここでは問題解決の糸口となるさまざまな対処法をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

Surface Laptop Go 2の再起動ループが発生する原因と症状

Surface Laptop Go 2において、「再起動が予期せず行われました…Windowsのインストールを続行できません…」といったエラーが繰り返し表示される再起動ループは、多くのユーザーにとって厄介な問題です。ここでは主な原因と症状を簡単に整理します。

主な原因

  • Windowsアップデートの不具合:更新プログラムが途中で失敗し、回復環境とOSの設定が整合性を失うことがあります。
  • ドライバやファームウェアの問題:ハードウェアに合わないドライバ、もしくはSurface本体のファームウェアエラーが影響している可能性があります。
  • ビットロッカー関連の不備:回復キーの入力を求められる場面で適切に処理されず、OSが正常に起動できなくなるケースがあります。
  • ハードディスクやメモリの物理的故障:ストレージやメモリ、その他ハードウェアに異常があると、ループが延々と続くことがあります。

具体的な症状

  • 起動時にブルースクリーン(エラー画面)が頻発:複数回再起動を経てもBlue Screen of Death(BSOD)が表示され、先に進めない。
  • 回復キー入力画面が出たり消えたりする:ビットロッカーの回復キーを求められるが、正しく入力できずに再起動ループにはまる。
  • 「再起動が予期せず行われました…」のエラー:初期設定(OOBE)の画面やインストール途中から先へ進めなくなる。
  • ノイズが混じる画面表示:画面に縞模様やブロックノイズが出るなど、グラフィック関連の異常が疑われるケースも存在。

対処法その1:ビットロッカー回復キーを確認する

「回復キーを入力してください」という画面が表示された場合、適切な回復キーを入力することで通常の起動に戻れる可能性があります。まずは以下の手順を試しましょう。

Microsoftアカウントから回復キーを確認する

Surface Laptop Go 2では、標準でビットロッカーがオンになっている場合があります。回復キーは自分のMicrosoftアカウント上に自動で保存されているケースがあるので、以下の手順で確認してください。

  1. 別のデバイス(スマホや他のPC)で Microsoftアカウントのデバイス管理ページ にアクセス。
  2. 該当するSurface Laptop Go 2の情報を開き、回復キーの一覧を表示。
  3. 表示された回復キーをメモし、Surface本体の回復画面で入力する。

回復キーが不明な場合

組織で管理されているデバイスの場合は、管理者が回復キーを保管している可能性があります。個人使用でどうしても回復キーが見つからない場合は、Microsoftサポートに問い合わせるか、最終的にクリーンインストールを検討せざるを得ないこともあります。

対処法その2:セーフモードやWindows回復環境(WinRE)への起動

回復キーを入力しても先に進めない、あるいは回復キーの入力を求められない場合は、セーフモードやWindows回復環境(WinRE)を活用してシステムを修復する方法があります。

WinREを起動するためのキー操作

Surface Laptop Go 2でWinREを起動するには、以下のような操作を試してみましょう。

  • 電源ボタン+音量アップボタン:電源投入時に同時押ししていると、一部のモデルで回復環境に入ることがあります。
  • 強制的に再起動を繰り返す:電源を入れてWindowsのロゴが出たら強制シャットダウンし、これを数回繰り返すと自動的に回復環境が立ち上がることがあります。

WinREが起動したら行いたい操作

WinREの画面で「トラブルシューティング」→「詳細オプション」と進むと、以下のメニューを利用できます。

  1. スタートアップ修復:システムが起動できない原因を自動的に診断して修復します。
  2. システムの復元:以前に作成していた復元ポイントがあれば、その時点の状態に戻すことが可能です。
  3. コマンドプロンプト:手動でレジストリを編集したり、修復コマンドを実行したりできます。

対処法その3:レジストリエディタを使った初期設定(OOBE)の強制進行

「再起動が予期せず行われました…Windowsのインストールを続行できません…」というエラーから先に進めない場合に有効とされるのが、レジストリエディタを用いた強制的な初期設定(OOBE)の進行です。自己責任にはなりますが、次の手順が成功すると再びセットアップ画面をやり直すことができます。

レジストリエディタで値を変更する手順

  1. Shift + F10キーでコマンドプロンプトを開く:エラー画面が表示された状態でキーボードのShiftとF10を同時に押します。
  2. 「regedit」と入力してレジストリエディタを起動:コマンドプロンプトが起動したら、regeditと入力しEnterキーを押します。
  3. 以下のレジストリキーを編集:
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\Status\ChildCompletion
    ここに含まれるsetup.exeStateといった項目の値を3に変更します。
  4. レジストリエディタを閉じる:編集が終わったらレジストリエディタを閉じ、コマンドプロンプトでexitと入力してウィンドウを閉じます。
  5. エラー画面に戻って「OK」をクリック:再起動後、正常に初期設定(OOBE)が続行されるかを確認します。

コード例:レジストリ操作(参考)

reg add "HKLM\SYSTEM\Setup\Status\ChildCompletion" /v setup.exe /t REG_DWORD /d 3 /f reg add "HKLM\SYSTEM\Setup\Status\ChildCompletion" /v State /t REG_DWORD /d 3 /f

上記のようにreg addコマンドを使えば、コマンドプロンプトのみで値を変更することも可能です。レジストリエディタを開けない場合やスクリプトを用いる場合には活用できます。

この対処法のリスク

  • レジストリの誤った編集はシステムをさらに不安定にする恐れがあります。
  • 作業前に可能な限りデータのバックアップをとっておくことが推奨されます。
  • 問題がハードウェアやファイルシステムの破損に起因している場合、この方法だけでは解決しない可能性もあります。

対処法その4:USBインストールメディアからのクリーンインストール

上記の方法を試してもまったく改善しない場合、Windowsのインストールメディア(USB)を作成してクリーンインストールを行うのも選択肢の一つです。時間や手間はかかりますが、OSの状態を根本的にリセットできるため、ソフトウェア的な問題であれば解決が期待できます。

インストールメディアを作成する

  1. 別のPCを用意:正常に動作しているWindows 10またはWindows 11搭載PCが必要です。
  2. Microsoft公式サイトへアクセス:Windows 10/11 メディア作成ツール」をダウンロードし、起動します。
  3. USBドライブを準備:最低8GB程度の容量があるUSBメモリを用意し、ツールの指示に従ってインストールメディアを作成します。

Surface Laptop Go 2でのクリーンインストール手順

  1. USBメディアをSurfaceに接続:電源を切った状態でUSBポートに挿します。
  2. 起動メニューを選択:電源ボタンを押した直後にキーボードのF12Escなどを連打し、ブートメニューに入ります。(機種によっては電源ボタン+音量ボタンの組み合わせを試す必要があります。)
  3. USBからブートする:表示されたメニューでUSBメモリを選択し、Windowsのセットアップ画面を起動します。
  4. 言語や時刻などを選択:初期設定画面で日本語や地域、キーボード配列などを設定します。
  5. インストール場所の選択:必要に応じてドライブをフォーマットし、Windowsを新規インストールします。
  6. ライセンス認証:Microsoftアカウントと紐付けされているデジタルライセンスがあれば、自動的に認証される場合が多いです。

クリーンインストール時の注意点

項目内容
バックアップクリーンインストールするとデータがすべて消去されるため、事前にデータをUSBメモリや外付けHDDに保存しておきましょう。
ネットワーク環境必要なドライバやWindows Updateを実行するために、インストール後にWi-Fiなどネット接続ができる環境を用意しましょう。
インストール完了後念のためWindows Updateをすべて実行し、最新の状態にしておくことが望ましいです。Surface用のドライバとファームウェアはMicrosoft公式サイトからダウンロード可能です。

対処法その5:ハードウェアチェックやサポートへの問い合わせ

ソフトウェア的な解決策を試しても症状が改善しない場合、ハードウェアトラブルが疑われます。Surface Laptop Go 2はコンパクトな設計のため、ユーザー自身で部品交換や修理を行うのは難易度が高いです。以下の点を確認しながら、最終的にサポートや購入元へ問い合わせることを検討しましょう。

自己診断の手順

  • バッテリーやACアダプタの状態:電源周りが不安定だとOSが正常に動作しないことがあります。
  • 周辺機器の取り外し:USBハブ、外部ディスプレイなどが接続されている場合、まずはすべて取り外して再起動してみます。
  • メモリ診断ツール:Windowsの「メモリ診断ツール」や第三者製のツールを使用してメモリの故障をチェック。
  • ストレージの健康状態:SSDのSMART情報を確認できるツールや、Surface診断ツールを活用してエラーが出ていないかを確認します。

修理・交換の保証状況

Surface Laptop Go 2は購入時期や購入形態によって保証内容が異なりますが、基本的にはMicrosoft公式サポートによる修理や交換対応が可能です。保証期間内であれば無償修理を受けられる可能性があるため、以下を事前にチェックしてください。

  • 購入時の領収書や保証書
  • Microsoft Complete等の延長保証に加入しているか

保証が切れていても、有償で修理を依頼できる場合があります。まずはサポート窓口に状況を詳しく伝え、適切な手順を案内してもらいましょう。

まとめ:段階的な対処で復旧を目指そう

  • まずは回復キーの確認やWinREからの修復を試みる。
  • 「再起動が予期せず行われました…」ループが続くなら、レジストリエディタで初期設定を強制進行する。
  • どうしても解決しない場合は、USBインストールメディアからクリーンインストールを実施。
  • 物理的な故障が疑われる場合や問題解決が難しい場合は、修理サポートや問い合わせを検討する。

再起動ループから抜け出すのは簡単ではありませんが、正しい手順を踏むことで復旧の可能性は十分にあります。Surface Laptop Go 2は小型軽量ながら高いパフォーマンスを持つ魅力的なデバイスです。トラブル時に適切に対処できれば、今後も長く活躍してくれるでしょう。

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