Surface Pro 8カメラが動作しない時の対処法【Intel TGL AVStreamエラーを解決】

Surface Pro 8でカメラが起動しなかったり、通話中にフリーズして困っていませんか?本記事ではWindows Helloの認証エラーやBSODなどを引き起こす可能性のあるカメラ不具合の原因と、その対処法を詳しく解説していきます。安定してカメラを利用できるようにするための手順や裏技も盛り込みました。

Surface Pro 8カメラ不具合の症状と背景

Surface Proシリーズの魅力のひとつは、内蔵カメラを使ったWindows Helloでの素早いログインや、高品質なビデオ通話を実現できる点です。しかし、Surface Pro 8ではカメラが突然動作しなくなったり、ライトが点灯しっぱなしで映像が出ないままフリーズしたりする報告が多く上がっています。さらに、この不具合が原因となってTeamsやZoomでの通話が途中で止まってしまう、もしくはWindows Hello自体がエラーを吐くなど、日常的な作業の妨げとなるケースもあります。

こういったカメラトラブルの裏には、多くの場合「Intel(R) TGL AVStream Camera」ドライバとWindowsアップデートの組み合わせ、あるいはファームウェアの不一致が影響していると言われています。Surface Pro 7や7+などの機種でも似た事例が報告されていますが、そこではドライバの新バージョン(例: 60.22000.5.15512)の適用によって改善がみられたとの声がある一方、Surface Pro 8ユーザーの間では同じような修正が十分に行き渡っていない、あるいは適用しても問題が解決しないという状況があります。

発生する代表的な症状

  • カメラのランプは点灯しているが、映像がまったく表示されない
  • TeamsやZoomなどのビデオ通話中にカメラ映像が途中で停止する
  • Windows Helloの顔認証が動作しなくなる
  • カメラ起動時にフリーズまたはBSODが発生する

これらの症状は、カメラデバイスそのものが認識されなくなったり、急にドライバがクラッシュしたりすることで起こると推測されます。

原因の詳細とドライバの問題

Surface Proシリーズのカメラは、単にハードウェアが故障しているだけでなく、以下のようなソフトウェア面の問題と深く関係しています。

Intel(R) TGL AVStream Cameraドライバの不安定性

Surface Pro 8に搭載されている「Intel(R) TGL AVStream Camera」は、Intelの最新世代CPU(コードネーム: Tiger Lake)に搭載された技術をベースとしています。高い処理性能を持つ一方で、Windowsの特定バージョンやアップデートとの相性問題が発生しやすいとされています。ドライバレベルでのエラーが起きると、カメラが検出されなくなる、あるいは起動しなくなるといった不具合を引き起こします。

Windowsアップデートとの組み合わせによるトラブル

Windows 11やWindows 10における累積アップデートやパッチの適用によって、カメラドライバとOSの間の通信がうまくいかなくなるケースがあります。特にSurface固有のファームウェアアップデートと時期がかぶると、一時的に互換性が保たれなくなることがあるようです。Microsoftが随時修正パッチをリリースしてはいるものの、すべての環境で完全に解決されていないのが現状です。

具体的なドライババージョンと報告内容

以下は一部で報告されているドライババージョンの例です。実際の端末や状況によって異なる場合がありますが、参考情報としてご覧ください。

ドライババージョン提供開始時期報告されている不具合・改善点
60.22000.5.13912 (例)2022年後半カメラが頻繁にフリーズ、Windows Helloが機能しなくなる事例が多発
60.22000.5.15512 (Surface Pro 7等)2023年前半一部環境でフリーズ改善。ただしSurface Pro 8では不具合解消の報告は少数
不明/カスタムビルド場合により異なるInsider Preview参加者などでテストされるが、安定性は端末によりまちまち

Surface Pro 7や7+では60.22000.5.15512へのアップデートで改善報告があった一方、Surface Pro 8はこのバージョンが公式にリリースされていなかったり、同バージョンを適用しても一部の不具合が残ってしまうという声があります。

基本的なトラブルシューティング手順

ここでは、初心者の方でも取り組みやすい、基本的な対処法をご紹介します。まずは下記の手順から順番に試してみることをおすすめします。

1. Windowsアップデートを最新に保つ

「設定」→「Windows Update」でアップデートを確認し、最新の更新プログラムがある場合はすべてインストールしましょう。再起動が必要な場合も多いので、あわせて実行してください。カメラの問題はOSとドライバの組み合わせで発生するため、Windowsを最新状態に維持することで新たに提供された修正パッチを適用できる可能性があります。

2. カメラアプリのリセット

Windows標準のカメラアプリが正常に動作しない場合、アプリ側の設定が破損していることも考えられます。以下の手順でカメラアプリをリセットしてみてください。

  1. 「設定」→「アプリ」→「インストール済みアプリ」→「カメラ」を選択
  2. 「詳細オプション」をクリック
  3. 下部にある「リセット」ボタンを押す

これにより、カメラアプリの設定は初期化されます。

3. プライバシー設定の確認

カメラアプリにアクセスするための権限が誤ってオフになっている場合、カメラが起動しません。以下の手順でプライバシー設定を確認しましょう。

  1. 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「カメラ」を開く
  2. 「アプリがカメラにアクセスできるようにする」がオンになっているか確認
  3. 個別のアプリごとのアクセス許可も確認し、必要に応じてオンにする

4. ドライバの再インストールまたは更新

デバイスマネージャーからドライバの更新を試す方法も効果的です。

  1. 「スタートボタンを右クリック」→「デバイスマネージャー」を開く
  2. 「カメラ」または「システム デバイス」の項目にある「Intel(R) TGL AVStream Camera」を右クリック
  3. 「ドライバーの更新」を選択し、更新がないかチェック

もし更新が見つからない場合、Microsoft公式サイトやSurface公式ページから提供されている「Surface Pro 8用ドライバパック」をダウンロードし、手動で適用する方法もあります。

一時的対処策:ドライバの無効化/有効化バッチスクリプト

長期的には根本的な対策が必要ですが、急いでカメラを使いたい時に「ドライバの無効化→有効化」を行うと、再起動なしでカメラが復旧することがあります。デバイスマネージャーを開いて手作業で行うのは面倒なので、バッチファイルにまとめてしまう方法をご紹介します。

バッチファイルの例

以下のコードを「camera_reset.bat」などの名前で保存し、管理者権限で実行してください。

```bat
@echo off
if not "%1"=="am_admin" (powershell start -verb runas "%~f0" am_admin & exit /b)
wmic path Win32_PnPEntity where "name='Intel(R) TGL AVStream Camera'" call disable
wmic path Win32_PnPEntity where "name='Intel(R) TGL AVStream Camera'" call enable

“`

このバッチを実行することで、カメラドライバを無効→有効にリフレッシュできます。タスクバーにショートカットを置いておけば、フリーズ時にすぐ復旧できて便利です。ただしあくまで「一時的」な対策であり、これで問題が完全に解決するわけではない点に注意してください。

ファームウェアとドライバの新バージョンを待つ重要性

Surface Pro 7/7+では、カメラ関連のドライバ更新やファームウェアアップデートで不具合が大幅に改善した事例が報告されています。Surface Pro 8に関しても、今後Microsoftから新しいドライババージョンやファームウェアがリリースされる可能性が高いです。

アップデートを定期的にチェックする

Windows Updateの「オプションの更新プログラム」や、Surface公式サイトに掲載されるドライバ更新情報をこまめに確認しましょう。特にSurface向けのファームウェアアップデートは定期的に提供されることが多く、カメラだけでなくシステム全体の安定性を高める役割を果たしています。

更新内容に着目する

提供されたアップデートの内容に「Improves camera stability」といった記載がある場合は要チェックです。適用後に再起動を行い、カメラの挙動が改善しているかテストしてみましょう。

その他の回避策と検討点

カメラドライバの不具合はソフトウェアアップデートで解消することが望ましいですが、直ちに完全な修正が来ない場合は以下の方法で代替策を検討するのも手です。

1. Windows Helloを一時的にオフにする

Windows Helloの顔認証機能がカメラの起動に影響を与えているケースがあります。以下の手順で一時的にWindows Helloを解除し、状況が改善するか試してみてください。

  1. 「設定」→「アカウント」→「サインイン オプション」を開く
  2. 「顔認証 (Windows Hello)」の項目をオフにする、または削除する

その後、カメラアプリやTeamsなどでカメラが使えるかどうか確認します。

2. 外付けWebカメラの使用

業務でどうしてもビデオ通話やオンライン会議を行わなければならない状況で、Surface内蔵カメラの不具合が頻発する場合は、外付けのWebカメラを導入するのも賢明です。USB接続のカメラであれば、Surface固有のドライバに依存することなく利用できるため、緊急回避として有効です。

3. Windowsの特定バージョンやパッチのロールバック

最新アップデートを適用した結果、かえってカメラが不安定になってしまったというケースも報告されています。そのような場合、トラブルシューティングとして、更新プログラムを一時的にアンインストールやロールバックする方法があります。ただし、ロールバックするとセキュリティ面のリスクが生じる可能性が高いので、十分に注意してください。

最終的な対応:公式サポートへの連絡

以上の手順をすべて試してもカメラが正常に戻らない、あるいはBSODが頻発してシステム全体が不安定になるような場合は、Microsoft公式サポートへの問い合わせをおすすめします。ライブチャットや電話サポートを通じて、ドライバやファームウェアの詳細な状態を確認してもらったり、最終的にハードウェアの交換対応が必要と判断される可能性もあります。

サポート時の注意点

サポートに連絡する際は、以下の情報を事前にまとめておくとスムーズです。

  1. Surface Pro 8のシリアル番号
  2. 現在インストールされているWindowsのバージョン(例: Windows 11 22H2など)
  3. 適用しているドライバのバージョン(「Intel(R) TGL AVStream Camera」のプロパティから確認可能)
  4. これまでに試した対処法とその結果

まとめ

Surface Pro 8のカメラが動作しない、頻繁に停止するなどの問題は、「Intel(R) TGL AVStream Camera」ドライバとWindowsアップデートの相性が大きく関わっていると考えられます。一時的にはドライバの無効化/有効化バッチスクリプトで凌ぐことが可能ですが、根本的な解決には新しいドライバやファームウェアがリリースされるのを待つ、あるいはMicrosoftサポートでの検証が必要となるケースもあります。

ドライバやOSを常に最新状態に保ち、定期的に更新情報を確認することはもちろん、外付けWebカメラの導入やWindows Helloの一時オフなどの対策も視野に入れながら、日々の業務に支障が出ないように工夫していきましょう。

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