Surface Pro 9を外部モニターやキーボード・マウス中心で使っていると、誤って内蔵ディスプレイのタッチが反応してしまうことがあります。本記事では、タッチ操作が必要ない環境で快適に作業できるよう、タッチスクリーンをオン/オフする具体的な手順とポイントを詳しく解説します。
Surface Pro 9のタッチスクリーンをオフにする必要性
Surface Pro 9は高い性能と携帯性を兼ね備え、ビジネスやプライベートなど幅広いシーンで活躍する2in1デバイスです。タッチ操作ができる利便性は非常に魅力的ですが、外部モニターとキーボード・マウスを利用しているときは、実はタッチ操作が邪魔になるシーンも考えられます。以下のような状況が挙げられるでしょう。
- タブレットとして使用しないデスクトップ環境では、タッチ機能を使う機会がほとんどない
- 画面に手が触れていないのに反応してしまう誤操作が発生する
- プレゼンや会議などで外部ディスプレイに出力している際に、意図せずSurface本体の画面にタッチしてしまう
こうした状況が続くと作業効率が下がるだけでなく、誤操作によってデータの削除や設定の変更につながる可能性もあります。そのため、必要に応じてタッチスクリーンをオフにできれば、より快適にSurface Pro 9を活用できるでしょう。
標準機能では自動オフができない理由
Surfaceシリーズを含むWindowsデバイスで、特定の状況に応じてタッチ機能を自動的にオフにする仕組みは現時点では実装されていません。Microsoftが提供しているWindowsの標準機能や設定画面の範囲では、手動でオン/オフの切り替えを行うのが基本です。
これはWindowsの汎用性の高さと関係しています。Windows搭載デバイスは多種多様で、すべての利用シーンを想定し、自動制御の仕組みを提供することは容易ではありません。たとえば、マルチモニターでもタッチ操作をメインで利用したいユーザーがいたり、タブレットスタイルとラップトップスタイルを頻繁に切り替えるユーザーがいたりします。そこでWindowsは、デバイス管理をユーザーの意図でカスタマイズできるよう、ドライバーやデバイスマネージャーを通じて個別にオン/オフを行う形式を採用しています。
タッチスクリーンを簡単にオン/オフするショートカットの作り方
とはいえ、デスクトップ環境でタッチが不要なときに、わざわざデバイス マネージャーを開いて設定を切り替えるのは少し面倒です。そこで、ショートカットを作成しておけばワンクリックでタッチ機能を無効化したり、有効化したりできるようになります。ここではその手順を詳しく見ていきましょう。
1. デバイス インスタンス パスの取得
まずは、タッチスクリーンを管理しているドライバーの固有情報を取得するために、デバイス インスタンス パスを調べます。
- 「スタート」ボタン、またはWindowsキーを押し、「デバイス マネージャー」を起動します。
- 「ヒューマン インターフェイス デバイス(Human Interface Devices)」を展開し、「HID準拠タッチスクリーン(HID-compliant touch screen)」を右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「詳細」タブに切り替え、プロパティのドロップダウンリストから「デバイス インスタンス パス」を選びます。
- 表示された値をメモやテキストファイルなどにコピーしておきます。この値はショートカットでデバイスを指定するときに使用します。
取得したデバイス インスタンス パスは、デバイスごとに異なる英数字や「VEN_」「DEV_」などの文字列が含まれたものになっているはずです。
2. タッチスクリーンを無効化するショートカットの作成
次に、先ほどコピーしたデバイス インスタンス パスを使って、タッチスクリーンを無効化(オフ)するショートカットを作成します。以下の手順に沿って進めてください。
- デスクトップの何もないところを右クリックして、「新規」→「ショートカット」を選択します。
- 「項目の場所を入力してください」と表示される欄に、以下のコマンドを貼り付けます。ただし、
<デバイス インスタンス パス>
には前の手順でコピーしたパスを入れてください。C:\Windows\System32\pnputil.exe /disable-device "<デバイス インスタンス パス>"
- 「次へ」をクリックし、ショートカットの名前をわかりやすく「タッチOFF」などに設定してから、「完了」をクリックします。
これで、デスクトップ上に「タッチOFF」のショートカットが作成されます。まだ実行はできますが、次に紹介する方法で管理者権限を設定しておくことでスムーズに無効化が行えるようになるので、続けて設定を行いましょう。
3. タッチスクリーンを有効化するショートカットの作成
タッチ機能を再び使いたいときのために、同様にタッチスクリーンを有効化するショートカットも作成しておくと便利です。手順はほとんど同じですが、コマンドのパラメータが異なります。
- 再度デスクトップを右クリックし、「新規」→「ショートカット」を選択します。
- 「項目の場所を入力してください」の欄に、以下のコマンドを貼り付けます。もちろん、
<デバイス インスタンス パス>
を取得した値に差し替えてください。C:\Windows\System32\pnputil.exe /enable-device "<デバイス インスタンス パス>"
- 「次へ」をクリックし、ショートカットの名前を「タッチON」などにして「完了」をクリックします。
この作業を終えると、タッチOFFとタッチONの2つのショートカットがデスクトップに並ぶことになります。
4. 管理者権限で実行できるように設定
pnputilコマンドを実行するためには、通常「管理者として実行」する権限が必要です。ショートカットを作成しただけでは、毎回右クリックメニューから「管理者として実行」を選択する手間がかかります。そこで、あらかじめショートカットのプロパティで設定しておくと便利です。
- 「タッチOFF」「タッチON」それぞれのショートカットを右クリックして、「プロパティ」を選びます。
- 「ショートカット」タブを選択し、「詳細設定」をクリックします。
- 「管理者として実行」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。
- 「プロパティ」画面も「OK」で閉じます。
これでショートカットをダブルクリックするだけで、管理者権限で自動的に実行されるようになりました。タッチ機能が不要なときは「タッチOFF」、再度使いたいときは「タッチON」ショートカットを実行すれば切り替えが完了します。
実行例とトラブルシューティング
実際にショートカットを使ってタッチスクリーンを無効化・有効化するときの流れや、起こりうる問題の対処法を押さえておきましょう。
実行手順の例
操作 | 結果 |
---|---|
「タッチOFF」ショートカットをダブルクリック | 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」といったユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログが表示される |
「はい」を選択 | pnputil.exeコマンドが実行され、タッチスクリーンが無効化される |
「タッチON」ショートカットをダブルクリック | 再度UACのダイアログが出るので「はい」を選択すると、タッチスクリーンが有効化される |
タッチOFFが成功すると、Surfaceの内蔵画面をタッチしても操作が反応しなくなるはずです。再度有効化したいときは、同じ手順で「タッチON」をクリックするだけでOKです。
トラブルシューティング
もしもコマンドがうまく動作しない場合、以下の点を確認してみてください。
- 管理者権限が適切に付与されているか
ショートカットのプロパティ→詳細設定の「管理者として実行」にチェックが入っているかを確認しましょう。 - デバイス インスタンス パスが正しく入力されているか
全角スペースや誤字があると、コマンドが認識されません。取得したパスを再チェックしてみてください。 - 別のHID準拠タッチスクリーンがある場合
複数のタッチ機能が認識されている場合は、別のデバイス インスタンス パスを使用しているかもしれません。すべてのHIDデバイスのプロパティを確認し、適切なパスを選択しましょう。
それでも解決しない場合は、ドライバーの再インストールやWindowsのアップデート状況を確認すると良いでしょう。稀にWindows側のドライバー関連の不具合で正しく制御できないケースもあるので、トラブルシューティングとしてはデバイスドライバーの更新や再インストールも検討してください。
タスクスケジューラやPowerShellでの自動化
標準機能としては自動切り替えをサポートしていませんが、ユーザーが工夫すればある程度の自動化は可能です。たとえば以下のような方法が考えられます。
タスクスケジューラを使った時間帯制御
タスクスケジューラを活用すると、特定の時間帯に「タッチOFF」コマンドを実行し、別の時間帯に「タッチON」コマンドを実行するといったスケジュール制御が可能です。たとえば日中の作業時間帯は外部モニターを使うからタッチオフにしておいて、夜間は通常のタブレットモードに戻したい、といった運用を設定できます。
PowerShellスクリプトとイベントトリガー
もう少し高度な自動化を行いたい場合は、PowerShellスクリプトを作成してpnputilコマンドを呼び出す方法があります。さらに、Windowsのイベントログをトリガーに自動実行するように設定すれば、「外部ディスプレイが接続されたらタッチオフ」「外部ディスプレイが切断されたらタッチオン」のような運用も可能になります。ただし、この方法はある程度のスクリプト知識や管理者権限の設定、イベントログを扱うスキルが必要となります。
Microsoft フィードバック ハブへの要望送信
Surface Pro 9を含むWindowsデバイスで、状況に応じて自動的にタッチスクリーンをオフにする標準機能が欲しい方は、Microsoftが提供する「フィードバック ハブ」への要望送信が推奨されています。フィードバックを送ることで、将来的にWindowsのアップデートやSurface製品の機能追加に反映される可能性があります。
フィードバックの送り方
- スタートメニューや検索バーから「フィードバック ハブ」を起動します。
- 「新しいフィードバックを追加」を選択します。
- カテゴリや詳細を記入し、具体的に「外部ディスプレイ使用時にタッチスクリーンを自動的にオフにしたい」という要望を記載します。
- 送信すると、同様の要望や問題を抱える他のユーザーの票が集まることで、開発チームへの影響度が高まります。
ユーザーコミュニティからの要望が多ければ、将来のアップデートで実装される可能性が高まるため、積極的にフィードバックを送ることはメリットがあります。
まとめ:必要なときだけ簡単にタッチを切り替えよう
Surface Pro 9の優れた携帯性とタッチ操作は、タブレットとしてもノートPCとしても活躍する魅力があります。しかし、外部モニターを使ったデスクトップ環境ではかえってタッチが邪魔になるケースも。そんなときは、手動切り替え用のショートカットを作成して、タッチ操作のオン/オフを素早く行えるようにしておきましょう。
一度設定しておけば、誤操作によるストレスから解放され、環境に応じて快適な作業モードへ即座に移行できます。さらに自動化したい場合は、タスクスケジューラやPowerShellスクリプトなどの追加手段を検討してみても良いでしょう。Microsoft フィードバック ハブを利用してユーザーの声を届ければ、近い将来、標準機能として実装される可能性もあります。便利なSurface Pro 9を、より自分好みにカスタマイズして、スマートなワークスタイルを実現してみてください。
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