Windows Resource Protectionエラーを徹底解説!誤検出から本当の破損までの対処法

パソコンを使っていて、なんとなく調子が悪いと感じるときに頼りになるのがシステムファイルの整合性をチェックするコマンドです。ところが、いざ「sfc /scannow」を実行してみると「Windows Resource Protection found corrupt files but was unable to fix some of them.」と表示されて戸惑うことがあります。かくいう私も同じ状況に直面し、原因を探って試行錯誤を重ねてきました。ここでは、そのエラーの正体や、修復にトライする際に押さえておきたいポイントを余すところなく紹介していきます。

目次

Windows Resource Protectionエラーの概説

Windows Resource Protectionエラーは、システムファイルの破損や整合性の問題が原因となり、sfc /scannowを実行した際に「Windows Resource Protection found corrupt files but was unable to fix some of them.」というメッセージを返す状態を指します。実際のところ、ログを確認すると破損箇所が見当たらなかったり、DISMコマンドで修復完了と表示されても再度同じメッセージが出るケースは珍しくありません。

Windows Resource Protectionの役割

Windows Resource Protectionは、重要なシステムファイルやレジストリキーが不正に書き換えられたり、破損したりしないよう監視する仕組みです。Windowsの安定動作を担う根幹部分を守るため、破損しているファイルを検知すると修復を試みたり警告を表示するのが主な働きです。sfc /scannowは、そのWindows Resource Protectionの仕組みを利用してシステムファイルをチェックし、自動修復を行おうとします。

一時的なロックが原因になる場合も

システムファイルが別のプロセスによってロックされていると、ファイルが書き換えられないために「修復できない」というメッセージが出る場合があります。実際にファイルが破損していなくても、タイミングによってロックが解除されずにエラーになることがあるのです。

エラーが出た際に確認すべき基本的なポイント

Windows Resource Protectionのエラーが出た場合、まずは以下の点を順番にチェックすることが大切です。特に、ログ解析やDISMコマンドによる修復状況を把握することで、実際にファイルが破損しているのか、あるいは誤検出なのかを見極めやすくなります。

CBS.logの内容を詳しく見る

sfc /scannowを実行すると、結果はCBS.logというログファイルにも記録されます。もし本当に修復不能なファイルがあるなら、該当ファイル名やエラーの内容が詳細に記録されているはずです。

CBS.logの保存場所

CBS.logは通常、以下の場所に保存されています。

C:\Windows\Logs\CBS\CBS.log

ログの最後の方に「Repairing file…」や「Failed to repair…」といった記述がないか確認し、何が原因となっているかを把握しましょう。

DISMコマンドでイメージを修復する

sfcで「修復ができない」と出たら、次に行うのがDISMコマンドによるWindowsイメージの修復です。

基本的なDISM実行例

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

このコマンドで「操作は正常に完了しました」と表示されれば、システムに含まれる破損イメージは修復されている可能性が高いです。追加で「/Source」を指定して、別のソースからクリーンなファイルを参照させる方法もありますが、それも正常に完了しているのであれば、ほとんどの場合深刻な破損は起きていないと考えられます。

実際に私が遭遇したケース

以前、サードパーティ製のウイルス対策ソフトを導入した直後にsfc /scannowを試したら修復不可のエラーが出ました。原因を探ると、そのウイルス対策ソフトがシステムファイルの検出に影響を及ぼしていたようです。無効化して再度sfcを実行したところ、一切エラーが出なくなりました。同じように何か常駐プログラムが影響していることもあるので、心当たりがあればチェックしてみると良いでしょう。

実際には問題がない可能性もある

エラー表示を目にすると焦ってしまいがちですが、特にログを見ても破損の痕跡がない場合や、DISMコマンドで「修復完了」と出る場合には、実害がないこともしばしばあります。

動作に支障がなければ無視できることが多い

Windows自体がスムーズに動いており、アップデートの適用やソフトウェアのインストールで問題がないのであれば、エラーの表記だけが残っているケースも珍しくありません。私自身も何度か「修復できませんでした」というメッセージを見ましたが、ログ上で問題が確認できず、システムにも異常がないまま通常どおり利用できた経験があります。

定期的に動作チェックを行い、実用上の支障が出ていないかを確認しましょう。

誤検出の背景にある仕組み

Windowsは多くのプロセスが同時に動作しており、それぞれがシステムファイルを使用しています。何らかのプロセスがシステムファイルをロックしていて、sfc /scannowやDISMでうまくアクセスできなかった場合、実際には破損していないファイルを「修復できない」と誤検出することがあります。

ただし、全てが誤検出とは限りません。動作がおかしかったり、頻繁にBSOD(ブルースクリーン)が発生するなどの症状がある場合は、単なる誤検出と断定せず慎重に調査する必要があります。

追加で行っておきたい対処法

万が一のリスクに備えるため、以下のような追加対策を考慮することが望ましいです。システムファイル破損の原因は多岐にわたるため、複合的にチェックをすることでトラブルを最小限に抑えられます。

Windowsアップデートを最新に保つ

Windowsアップデートには、ファイル整合性の不具合を修正するパッチや、セキュリティホールをふさぐ修正プログラムが含まれています。特に、エラーが出たタイミングで未適用のアップデートが多数ある場合は、アップデートを実施するだけで解消することもあります。

アップデート確認手順

設定 -> 更新とセキュリティ -> Windows Update -> 更新プログラムのチェック

最新の状態にしてから再度sfc /scannowを試し、状況が変化するかどうかを見極めてみましょう。

常駐アプリケーションの影響を疑う

ファイル監視機能やレジストリ保護機能がある常駐ソフトは、システムファイルへのアクセスを妨げることがあります。ウイルス対策ソフトやファイアウォール、バックアップソフトなど、リアルタイムで監視・制御を行うタイプのアプリケーションを一時的に停止して再度試すことで原因が特定できる場合があります。

トラブルシューティングを整理する

実際の操作手順を一覧にまとめることで、エラー対応の流れを把握しやすくなります。ここでは、一例として代表的なステップを表にまとめています。

ステップ 操作内容 確認するポイント
1 Windows Updateを最新にする 未適用のパッチがないか
2 常駐ソフトを一時停止 セキュリティソフトや監視ツールの影響
3 sfc /scannow実行 CBS.logの最終行をチェック
4 DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth 結果が正常終了かどうか
5 再度sfc /scannow実行 前回との相違点を確認

この流れを試して、ログ内容に変化がない場合はほぼ誤検出の可能性が高く、システムの実用面で問題が出ていないならば深刻に考えなくても大丈夫なケースが多いです。

システムの安定性を保つ工夫

日頃からシステムを安定して使うための心がけも大切です。大容量のソフトウェアを頻繁にインストール・アンインストールする環境だと、ファイルの整合性が乱れやすいとも言われています。以下のような習慣を持つと良いかもしれません。

余分なアプリケーションを削除する

使わないソフトウェアやツールをアンインストールしておくことで、更新管理やファイル監視の複雑さを減らすことができます。

定期的にドライバを更新する

特にグラフィックドライバはOSとの連携が深いため、古いバージョンを使っているとWindowsアップデートとの相性問題を起こすことがあります。ドライバ更新は面倒ですが、安定動作のために不可欠です。

本当に破損が疑われる場合の最終手段

どうしても修復が進まず、システム動作に支障が出始めたら、Windowsの復元やクリーンインストールなども視野に入れておくべきです。

システムの復元ポイントから戻す

Windowsアップデート前や問題が生じる前に作成された復元ポイントがある場合は、それを使ってシステム状態を巻き戻すことができます。重大な更新によってファイルの整合性が乱れた可能性があるなら、まずは復元ポイントから戻す方法を検討してみましょう。

復元ポイントの利用手順

スタートメニューで「復元」を検索
-> 「回復」を選択
-> 「システムの復元を開く」
-> 復元したい日時を選択して実行

システムファイルだけでなく、設定面も巻き戻されるため、どのタイミングの復元ポイントを使うかは注意が必要です。

クリーンインストールの検討

最終的にどうにもならない場合、OSのクリーンインストールで環境を再構築するのが確実です。時間と手間はかかりますが、不要なソフトウェアを整理したり、ドライバを最新の状態にそろえたりする良い機会にもなるため、長期的には安定稼働に寄与することがあります。

私は、どうしてもシステムの挙動がおかしかったときにクリーンインストールを実施しました。バックアップの手間はかかりましたが、インストール後は嘘のように問題が減り、動作も軽くなって快適に使えています。

まとめと見守りのすすめ

Windows Resource Protectionのエラー表示は、焦りを生む一方で実際には深刻な破損が起きていないケースも多いです。ログを詳しく確認し、DISMやWindowsアップデートで特に問題が見つからないなら、ひとまず気にしすぎずシステムを使い続けるという選択肢もあります。もちろん、頻繁に不具合が出たりブルースクリーンが多発する場合は慎重に原因を追求すべきですが、ただの誤検出が長期間にわたって表示されることも珍しくありません。

システムメンテナンスの基本としては、定期的なバックアップとWindowsアップデート、そしてセキュリティソフトの適切な利用です。これらを押さえておけば、万が一のトラブル時にも比較的短時間で復旧が行えます。

最終的には、Windowsが快適に動作しているかどうかが最も重要な指標です。sfc /scannowやDISMが完了しているのにエラー表示が続く場合は、ファイルのロックや微妙なタイミングによる誤検出である可能性が高いので、大きく動揺せず様子を見守ってみてはいかがでしょうか。

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