Windowsをインストールしようとして、突然ドライブのパーティションに関するエラーが出ると驚きますよね。私も初めてこのエラーを目にしたときは、せっかく新しいSSDを用意したのにどうすればいいのかと戸惑いました。しかしMBRからGPTに変換すれば、スムーズにWindowsをインストールできます。今回はその具体的な手順と注意点についてお話しします。
MBRからGPTに変換する背景と基本的な理解
Windowsインストール時に「Windows can’t be installed on drive 0 partition 2」というエラーが出る場合、MBR形式のディスクが原因となっていることが多いです。MBRは古い形式のパーティションスタイルで、最新のUEFIブートモードなどが活用しづらい場合があります。一方でGPTは大容量のディスクに対応し、パーティション数の制限も緩やかです。そのため今後の拡張や運用を考慮すると、GPTへの移行を選択しておくほうが安心できるケースが増えています。
MBRとGPTの違い
MBR(Master Boot Record)とGPT(GUID Partition Table)はそれぞれディスクのパーティション情報の管理方式です。大きく異なる点をまとめると以下のようになります。
項目 | MBR | GPT |
---|---|---|
対応ディスク容量 | 2TBまで | 2TBを超える大容量にも対応 |
パーティション数 | 基本的に4つまで | 制限が緩く複数設定可能 |
互換性 | レガシーBIOSで使用 | UEFIで使用(レガシーBIOSでも一部運用可能) |
信頼性 | ブート領域が壊れると起動不可になることも | パーティションテーブルのバックアップがあり安全 |
知っておきたいGPTのメリット
GPTではバックアップ用のパーティションテーブルを複数箇所に保有しており、万が一ディスクの一部が破損しても復旧のチャンスがあります。また、容量が大きいハードディスクやSSDを使うときにGPTが推奨されることが多いです。
Windowsインストールでエラーが起きる理由
「Windows can’t be installed on drive 0 partition 2」の意味
これはWindowsのインストーラーが示すエラーで、現在のパーティションスタイル(MBRやGPT)がUEFIブートやシステム要件と適合していないときに発生することがあります。UEFIでブートする設定になっているにもかかわらず、MBRのディスクを使おうとしている場合などは代表的な例です。
BIOS・UEFI設定の確認
Windowsをインストールする際、マザーボードの設定でUEFIを利用する形になっている場合は、GPTディスクである必要があります。もしレガシーBIOSモードでMBRディスクのまま行いたい場合はインストール可能ですが、最近はUEFIが主流なのでGPT変換が推奨されます。
MBRからGPTへ変換する前の準備
バックアップの重要性
GPTへの変換作業ではディスクの全データを消去することになります。Windowsインストール自体のトラブルも考慮すると、大切なデータをしっかりバックアップしておくことが不可欠です。
外付けHDDやクラウドを活用
移行前に外付けハードディスクやクラウドストレージに重要ファイルをコピーしておきましょう。私も以前、何とかなるだろうと軽い気持ちで作業を始めたら、途中でディスクのパーティションがまっさらになり、予想外のデータまで消えてしまった経験があります。それ以来、必ず必要なデータのバックアップは抜かりなく取るように心がけています。

以前、私がイラストの仕事をしていたとき、外付けHDDを持っていなかったので、クラウドに必死で原稿データをアップロードした苦い思い出があります。少し手間にはなりましたが、そのおかげでデータを失わずに済みました。
MBRからGPTへの変換手順
Windowsインストールメディアを用意する
変換にはWindowsインストールメディア(USBメモリまたはDVD)を使うのが一般的です。Windowsインストール画面のコマンドプロンプトからdiskpartコマンドを実行するからです。事前にMicrosoft公式のメディア作成ツールなどを使ってUSBインストーラを準備しておきます。
ISOイメージのダウンロードと作成
1. Microsoft公式サイトからWindows 10やWindows 11のISOイメージをダウンロード
2. メディア作成ツール(Media Creation Toolなど)でブータブルUSBを作る
インストールメディアが準備できたらPCをUSBブートで起動し、セットアップ画面まで進みましょう。
diskpartコマンドを使った変換手順
コマンドプロンプトの起動
1. Windowsインストール画面が表示されたら、Shift + F10を押す
2. コマンドプロンプトが開くので、ここで作業を進める
対象ディスクの選択
1. diskpartと入力してEnter
2. list diskでディスク一覧を確認
3. select disk 0(例)で作業対象のディスクを指定
ここで選択するディスクを間違えると、別のディスクのデータを消してしまう可能性があるため慎重に確認してください。
ディスクをクリーンにしてGPTに変換
1. cleanを入力してEnter(ディスク内のすべてのパーティションとデータが削除される)
2. convert gptを入力してEnter(MBRからGPTに変換)
ここまででディスクが完全に初期化され、GPT形式として再構成されます。
インストール作業を続行
1. exitでdiskpartを終了
2. コマンドプロンプトを閉じ、インストール画面に戻る
3. ディスク領域設定画面で改めてドライブを選択してインストールを進める
最新のWindowsセットアップでは、GPT形式ディスクを自動的に認識し、必要なシステムパーティションを構成します。特段の設定をしなくても、残りのインストール工程は自動的に進むため比較的スムーズです。
インストール後の確認ポイント
正しくGPT変換ができているか
Windowsインストール完了後にDisk Management(ディスクの管理)を開いてみましょう。対象ドライブのプロパティに「GUID Partition Table(GPT)」と表示されていれば成功です。
さらにWindowsのスタートメニューを右クリックして「ディスクの管理」を選ぶと、ディスクの下部に「GPT」という記載があるのを確認できます。
UEFIブートのメリットを体感しよう
GPTディスクを利用したUEFIブートは、高速な起動が期待できるほか、ブートセクター周りのトラブルが起きにくいといわれています。今後大容量のディスクに交換したり、マルチブート構成に挑戦したりする場合でも手間が少なくなってくるので、長い目で見てもGPTのほうが便利です。
BIOSアップデートも検討
マザーボードが古い場合はUEFI機能が安定しないこともあるため、Windowsをインストールした後にメーカー公式サイトなどでBIOS(UEFIファームウェア)のアップデート情報をチェックしておくと、さらに安定性が高まります。
トラブルシューティングと注意点
誤って別のディスクをcleanしてしまった場合
選択したディスクに誤りがあるままcleanコマンドを実行すると、大切なデータが入ったディスクを消去してしまう危険性があります。取り返しがつかない場合が多いので注意が必要です。
データ復旧ソフトの利用
万が一誤操作でデータを消去してしまった場合、データ復旧ソフトで救出できる可能性もあります。しかし、上書きが進んでしまうと成功率が下がるため、トラブル発生後は可能な限り速やかに復旧を試みることが大切です。
旧環境でMBRを活用する場合との両立
古いOSやレガシーBIOSしか対応していないPCでは、MBRのままで運用するほうが無難なケースもあります。特に、古いPCや独自のデバイスドライバに依存している環境だと、GPTに変更することで逆にトラブルを引き起こす可能性も否定できません。
私の知人は企業の古い会計ソフトを動かすために、あえてMBR構成を使い続けています。新しいPCでは不要なケースが多いですが、こういった例外もあるんですね。
まとめと今後の展望
Windowsインストール時に「Windows can’t be installed on drive 0 partition 2」というエラーが出たときは焦りますが、原因の多くはディスクがMBRであることとUEFIブート設定の相性不一致にあります。MBRからGPTに変換し、UEFIブートを活かすことでスムーズに問題を解消できます。
大容量ディスクへの対応やバックアップ用テーブルなどの恩恵を受けられるのも魅力的です。今後、SSDの価格下落や容量拡大がさらに進むと、GPTでのインストール環境が一層標準化していくでしょう。古い環境と新しい環境をうまく切り替えて、ストレスの少ないPCライフを楽しんでみてください。
私自身、システム開発の仕事をしているため、WindowsとLinuxを同居させることがあります。GPTのおかげでスムーズに複数OSを運用できるので、もうMBRには戻れません。
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