Windowsのpingコマンド:全てのオプションとその実用ガイド

WindowsのpingはICMP Echo Requestを送り、IP到達性、往復時間、損失の手掛かりを得るコマンドです。ただし、ICMPを拒否する正常なサーバーもあり、ping成功はHTTPSやRDPなどのサービス正常を保証しません。本記事ではMicrosoft公式構文にある全オプションを、IPv4/IPv6の条件、値の範囲、安全な使い方とともに整理します。

基本形は ping /n 4 target です。最初は有限回、既定サイズで測り、仮説に必要なオプションを一つだけ追加します。/t、大きい/l、source route系の/j・/kを第三者ネットワークへ無断で使わないでください。

目次

構文と実機helpを最初に確認する

Microsoft公式の構文は次の形です。Windowsのeditionやbuildで表示が変わる可能性があるため、対象端末のping /?も保存します。角括弧は省略可能、波括弧と縦線は選択肢を表し、記号自体は入力しません。最後のtargetnameはhostnameまたはIP addressです。

ping /?
ping [/t] [/a] [/n count] [/l size] [/f] [/i TTL] [/v TOS] [/r count] [/s count] [{/j hostlist | /k hostlist}] [/w timeout] [/R] [/S Srcaddr] [/4] [/6] targetname

全オプション:実行回数・名前・packet size

  • /t:Ctrl+Cで止めるまで連続送信します。Ctrl+Breakは統計表示です。停止方法と実行時間を決めた対話診断だけに使います。
  • /a:宛先IP addressのreverse name resolutionを試します。表示名は逆引き結果であり、所有者や真正性の証明ではありません。
  • /n count:送信回数です。既定は4回。比較時は同じ回数へ固定します。
  • /l size:Echo Requestのdata fieldをbyte単位で指定します。既定32、公式上限65,500です。大きい値を連続送信しません。
  • /?:対象端末のhelpを表示します。実行可能なsyntaxを確認する最も安全な入口です。
ping /n 4 example.com
ping /a /n 1 192.0.2.10
ping /n 2 /l 1200 192.0.2.10

全オプション:IPv4のfragment・TTL・TOS

  • /f:IPv4 headerのDo not Fragment flagを1にします。Path MTUの仮説を調べるときだけ、少ない回数で/lを段階変更します。
  • /i TTL:送信するIPv4 packetのTTLを指定します。最大255です。TTLを小さくした失敗だけで経路障害と断定しません。
  • /v TOS:IPv4 headerのType of Service値を0~255の十進数で指定します。networkがこの値を同じ意味で扱う保証はなく、QoS回避には使いません。
ping /4 /n 2 /f /l 1400 192.0.2.10
ping /4 /n 2 /i 32 192.0.2.10
ping /4 /n 2 /v 0 192.0.2.10

全オプション:IPv4のroute記録とtimestamp

  • /r count:IPv4のRecord Route optionで往復packetの経路記録を要求します。countは1~9です。全hopを記録できるとは限りません。
  • /s count:IPv4のInternet Timestamp optionで到着時刻記録を要求します。countは1~4です。中継機器が無視・拒否する場合があります。
  • /j hostlist:IPv4のLoose Source Routeです。中間宛先は最大9個で、間に別routerが存在できます。
  • /k hostlist:IPv4のStrict Source Routeです。中間宛先は最大9個で、次の宛先が直接到達可能である必要があります。

/jと/kは現代のnetworkでfilterされることが多く、通常の障害調査に必要ありません。管理下の隔離labでroute optionの挙動を確認する場合だけ使い、security controlの迂回や第三者経路の指定に使わないでください。通常の経路確認はtracertへ切り替えます。

ping /4 /n 2 /r 4 192.0.2.10
ping /4 /n 2 /s 2 192.0.2.10
rem /j と /k は承認済みlabでのみ使用
ping /4 /n 1 /j 192.0.2.1 192.0.2.10
ping /4 /n 1 /k 192.0.2.1 192.0.2.10

全オプション:timeoutとaddress family

  • /w timeout:各Echo Replyを待つ時間をmillisecondで指定します。既定は4,000msです。短すぎる値は遅延を停止と誤判定します。
  • /4:hostnameをIPv4で解決・送信します。IPv4 literalを指定するだけなら必須ではありません。
  • /6:hostnameをIPv6で解決・送信します。IPv6 literalを指定するだけなら必須ではありません。
  • /R:IPv6でround-trip pathの追跡を要求します。routerやpolicyにより情報が返らない場合があります。
  • /S Srcaddr:IPv6で使用するsource addressを指定します。端末に割り当てられ、宛先へのrouteがあるaddressだけを使います。
ping /n 5 /w 2000 192.0.2.10
ping /4 /n 4 example.com
ping /6 /n 4 example.com
ping /6 /n 2 /R 2001:db8::10
ping /6 /n 2 /S 2001:db8::20 2001:db8::10

結果を誤読しない

Reply fromはEcho Replyを受けた状態、Request timed outは時間内にReplyがなかった状態、Destination host unreachableはlocal hostまたは中間機器が到達不能を返した可能性を示します。timeoutだけでは、相手停止、firewall、rate limit、packet loss、return routeのどれかを区別できません。TTL値だけでOSや物理距離も断定できません。

安全な切り分け順序

  1. localhost、default gateway、対象IP、対象hostnameを同じ回数・timeoutで有限回測る。
  2. hostnameだけ失敗するならDNS、IPv4/IPv6片方だけならaddress family別のDNSとrouteを確認する。
  3. packet sizeの仮説がある場合だけ/fと/lを小刻みに変更する。
  4. 経路ならtracert、TCP portならTest-NetConnection、applicationならclient logへ移る。
  5. IP、内部hostname、route情報を外部へ共有する前に機密情報を伏せる。
Test-NetConnection example.com -Port 443
tracert example.com

検証完了の基準

実行時刻、target、resolved address、address family、回数、size、timeout、送受信数、loss率、min/max/averageを一組で保存します。全オプションを同時に付けるのではなく、各optionの適用条件を理解し、調査仮説へ必要な最小構成で使えていれば完了です。ICMP結果と目的サービスの接続結果を別々に記録してください。

公式情報・参考資料

以下は2026年7月17日に確認した製品ベンダーの一次資料です。画面名や対応環境は、導入時点の公式ページと実機表示を再確認してください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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