Windows 10/11で「ウイルスと脅威の防止」が表示されない問題の解決方法

Windows 10やWindows 11において、「ウイルスと脅威の防止」が表示されず、「IT管理者によって制限されている」とのエラーメッセージが出る問題に直面するユーザーが増えています。この問題は、システムの設定やレジストリ、グループポリシーの設定が原因で発生することが多いです。この記事では、これらの設定を見直し、問題を解決するための具体的な手順を紹介します。

目次

レジストリの設定変更

Windowsセキュリティの「ウイルスと脅威の防止」が表示されない場合、レジストリエディターを使って設定を変更することが有効です。

レジストリエディターを開く

  1. 「Windowsキー + R」を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
  2. 「regedit」と入力して「OK」をクリックします。
  3. ユーザーアカウント制御が表示された場合、「はい」をクリックしてレジストリエディターを起動します。

「UILockdown」の値を変更する

  1. 以下のパスに移動します:
   HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender
  1. 「Windows Defender」キーの下に「UILockdown」値があるか確認します。
  2. 「UILockdown」をダブルクリックし、その値を「0」に設定します。存在しない場合、新規で「DWORD (32ビット) 値」を作成し、「UILockdown」と名前を付けます。次に、その値を「0」に設定します。

システムの再起動

設定を変更した後、コンピュータを再起動して変更を適用します。再起動後、「ウイルスと脅威の防止」が表示されるか確認します。

グループポリシーの設定変更

グループポリシーの設定を変更することで、「ウイルスと脅威の防止」を表示させる方法を説明します。

ローカルグループポリシーエディタを開く

  1. 「Windowsキー + R」を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
  2. 「gpedit.msc」と入力して「OK」をクリックします。これでローカルグループポリシーエディタが開きます。

「ウイルスと脅威の防止を非表示にする」を未構成に設定

  1. 以下のパスに移動します:
   コンピュータの構成 > 管理用テンプレート > Windowsコンポーネント > Windowsセキュリティ > ウイルスと脅威の防止
  1. 「ウイルスと脅威の防止を非表示にする」をダブルクリックします。
  2. 「未構成」に設定し、「適用」をクリックして「OK」を押します。

システムの再起動

グループポリシーの設定を変更した後、コンピュータを再起動して変更を適用します。再起動後、「ウイルスと脅威の防止」が表示されるか確認します。

DISMコマンドの実行

DISMコマンドを実行してシステムの修復を試みることで、Windowsセキュリティの問題を解決する方法を紹介します。

管理者コマンドプロンプトを開く

  1. 「Windowsキー」を押し、「cmd」と入力します。
  2. 検索結果に表示される「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。

DISMコマンドを実行する

以下のコマンドを入力し、Enterキーを押して実行します:

DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth

このコマンドは、Windowsのイメージをスキャンして修復するためのものです。プロセスが完了するまで待ちます。完了までに数分かかることがあります。

システムの再起動

DISMコマンドの実行が完了したら、コンピュータを再起動します。再起動後、「ウイルスと脅威の防止」が表示されるか確認します。

セキュリティフォルダの確認

「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダの内容を確認し、必要なファイルが存在するかどうかを確認します。

セキュリティフォルダの内容を確認

  1. ファイルエクスプローラーを開き、「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダに移動します。
  2. フォルダ内のファイルが空でないか確認します。

フォルダが空の場合の対処方法

もしフォルダが空である場合、次の手順を実行します:

SecurityHealthSetupをダウンロードする

  1. Microsoftの公式サポートページからSecurityHealthSetupをダウンロードします。
  2. ダウンロードが完了したら、ファイルを右クリックして「管理者として実行」を選択します。

必要なファイルを追加する

  1. SecurityHealthSetupを実行することで、必要なファイルが「C:\Windows\System32\SecurityHealth」フォルダに作成されます。
  2. インストールが完了したら、コンピュータを再起動します。

再起動後の確認

再起動後、「ウイルスと脅威の防止」が表示されるか確認します。これにより、問題が解決されるはずです。

ウイルス対策ソフトの影響

期限切れのウイルス対策ソフトや他のセキュリティソフトが原因で、「ウイルスと脅威の防止」が表示されない場合があります。これを解決するために、影響を与える可能性のあるソフトウェアをアンインストールする方法を紹介します。

インストールされているウイルス対策ソフトの確認

  1. 「Windowsキー + I」を押して「設定」を開きます。
  2. 「アプリ」をクリックし、「アプリと機能」セクションに移動します。
  3. インストールされているウイルス対策ソフトやセキュリティソフトの一覧を確認します。

期限切れのウイルス対策ソフトのアンインストール

  1. 影響を与えている可能性のあるウイルス対策ソフトを見つけます。
  2. 該当するソフトをクリックし、「アンインストール」ボタンを押します。
  3. 画面の指示に従ってアンインストールを完了します。

システムの再起動

アンインストールが完了したら、コンピュータを再起動します。再起動後、「ウイルスと脅威の防止」が表示されるか確認します。

ウイルス対策ソフトの再インストール

必要に応じて、最新バージョンのウイルス対策ソフトを再インストールし、システムを保護します。この際、Windows Defenderとの互換性を確認することをお勧めします。

他の管理者アカウントの確認

「ウイルスと脅威の防止」が表示されない問題が、特定のユーザーアカウントに限定されているかどうかを確認するために、他の管理者アカウントでログインして問題を検証します。

他の管理者アカウントの作成

  1. 「Windowsキー + I」を押して「設定」を開きます。
  2. 「アカウント」をクリックし、「家族とその他のユーザー」セクションに移動します。
  3. 「他のユーザーをこのPCに追加」ボタンをクリックします。
  4. 画面の指示に従い、新しいユーザーアカウントを作成します。アカウントを管理者に設定することを忘れないでください。

新しい管理者アカウントでログイン

  1. 新しく作成した管理者アカウントにログインします。
  2. 「ウイルスと脅威の防止」が正常に表示されるか確認します。

問題が継続する場合の対処

新しい管理者アカウントでも同様の問題が発生する場合、以下の手順を試します:

設定の再適用

  1. 先に説明したレジストリの設定変更、グループポリシーの設定変更、DISMコマンドの実行、セキュリティフォルダの確認を新しいアカウントで再度実行します。

システムの再起動

設定変更後、再度システムを再起動し、「ウイルスと脅威の防止」が表示されるか確認します。

元のアカウントでの確認

新しいアカウントで問題が解決された場合、元のアカウントで同様の設定を再適用し、再度問題が解決されるか確認します。これにより、特定のアカウント設定が原因であるかどうかを判断できます。

初期化の検討

上記の方法で「ウイルスと脅威の防止」の問題が解決しない場合、最終手段としてWindowsの初期化を検討します。初期化によってシステムをクリーンな状態に戻し、問題の原因となっている設定やソフトウェアをリセットすることができます。

Windowsの初期化方法

  1. 「Windowsキー + I」を押して「設定」を開きます。
  2. 「更新とセキュリティ」をクリックし、「回復」セクションに移動します。
  3. 「このPCを初期状態に戻す」セクションの「開始する」ボタンをクリックします。

初期化オプションの選択

初期化のオプションが表示されます。以下の選択肢から適切なものを選びます:

  1. 「個人用ファイルを保持する」:このオプションは、個人ファイルを保持しながらWindowsを再インストールします。アプリと設定は削除されます。
  2. 「すべて削除する」:このオプションは、すべての個人ファイル、アプリ、および設定を削除して、完全にクリーンな状態に戻します。

初期化プロセスの実行

  1. 選択したオプションに従って、画面の指示に従い初期化プロセスを進めます。
  2. 初期化プロセスが完了するまで待ちます。完了までに時間がかかる場合があります。

再設定と確認

初期化後、必要なアプリケーションや設定を再インストールし、Windowsセキュリティの「ウイルスと脅威の防止」が正常に表示されるか確認します。これにより、問題が解決されることが期待されます。

まとめ

この記事では、「ウイルスと脅威の防止」が表示されない問題を解決するためのさまざまな手順を紹介しました。レジストリの設定変更、グループポリシーの設定変更、DISMコマンドの実行、セキュリティフォルダの確認、ウイルス対策ソフトの影響確認、他の管理者アカウントの確認、そして最終手段としてWindowsの初期化を試みることで、問題が解決する可能性が高まります。これらの手順を順に実行し、Windowsセキュリティの機能を正常に復元してください。

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