皆さんはWindowsアップデート後に突然パソコンが再起動を繰り返してしまい、困った経験はありませんか?快適なPCライフを送っていたのに、エラーコードが出て先に進めなくなると焦りますよね。私自身も以前に同じ状況に陥り、四苦八苦したことがあります。本記事では、そうした悩みを解決するための具体的な方法や事例をわかりやすく解説いたします。
Windowsアップデート後にパソコンが再起動を繰り返す原因と背景
Windowsは定期的に更新プログラムを配布し、セキュリティの強化や機能改善を行っています。通常であれば更新作業はスムーズに完了するはずですが、まれにアップデート後に再起動ループ(同じエラー画面や「Restarting」「Preparing to configure Windows」などの表示を繰り返してしまう状態)に陥ることがあります。場合によっては「DRIVER_POWER_STATE_FAILURE」といったエラーコードが表示され、セーフモードさえも起動できなくなるケースも少なくありません。ここでは、その原因と背景を詳しく見ていきましょう。
ドライバーの不具合や更新失敗
WindowsアップデートではOS本体だけでなく、さまざまなデバイスドライバーとの互換性確認や更新も行われることがあります。その過程で、特定のドライバーがうまく更新されず、バージョンの不整合やファイル破損が起こると再起動ループが発生しがちです。とりわけグラフィックスドライバーやネットワークドライバー、チップセットドライバーなど、ハードウェア制御に深く関わるドライバーはトラブルになりやすい傾向があります。
Windows更新プログラム自体の不具合
更新プログラムのインストール途中で電源が切れたり、ネットワークが不安定でファイル取得が途中停止したりすると、更新ファイルが破損してしまう場合があります。この結果、起動時に必要となるファイルが正しく読み込まれず、繰り返し再起動がかかってしまうこともあります。特に大型アップデート(例:年に数回リリースされる機能アップデート)では、更新内容が多岐にわたるため、途中でエラーが起こりやすいといわれています。
ファイルシステムの破損やシステムファイルの問題
普段からパソコンを使っていると、断続的な電源落ちや不正なシャットダウンなどが原因でファイルシステムの整合性に問題が生じる場合があります。アップデートを実行しようとした際、もともと破損していたファイルが足を引っ張ってさらに不具合を深刻化させることも考えられます。
周辺機器やハードウェアとの互換性
特に外付けのUSB機器や特殊なハードウェアを接続していると、それらのドライバーやファームウェアがWindowsの更新に追随できず、不具合を起こしてしまう場合があります。Bluetooth機器やUSB3.0デバイスなどが原因となる事例も散見されます。ハードウェア自体が故障しているケースもあるため、一度周辺機器をすべて外してから再起動を試すことで問題が解決することもあります。

私の場合も、DellのノートPCで特定のWi-Fiドライバーがアップデートに対応しておらず、再起動ループに陥ったことがあります。そのときは、一旦周辺機器を全て外してからセーフモードでドライバーを削除し、再インストールすることでなんとか復旧できました。
再起動ループを防ぐメリットと更新リスク
Windowsアップデートを正しく完了させておけば、セキュリティの強化やパフォーマンスの最適化、最新機能の利用といった恩恵を受けられます。一方で、アップデートのタイミングや内容を誤るとトラブルを招くこともあるのが実情です。そこで、再起動ループを回避して安定した環境を維持するメリットと、更新リスクについて整理してみましょう。
再起動ループから抜け出すための具体的な手順
いざ再起動ループに陥ってしまった場合、正常にWindowsが立ち上がらないのでキーボード操作すらままならないケースもあるかもしれません。ここでは、そうした最悪の状況でも試せる対処法を、段階的に紹介します。ご自身のパソコンでできるだけ早く原因を特定し、復旧作業を進めてみてください。
セーフモードを試す
まず最初に、セーフモードで起動できるかどうかを確認してみましょう。セーフモードはWindowsを最低限のドライバーとサービスで起動するため、トラブルシューティングに適しています。最も一般的な手順は、起動直後にF8(もしくはShift+F8)を連打して「詳細ブートオプション」へ入り、セーフモードを選択する方法です。
ただし、最近のPCやUEFI環境ではF8でセーフモードに入れない場合が多く、何度か再起動を繰り返すうちに「WinRE(Windows回復環境)」に移行してからセーフモードへアクセスするという方法もあります。
セーフモード起動後の作業
セーフモードで起動できたら、次の作業を行ってみましょう。
・デバイスマネージャを開き、警告アイコンが表示されているドライバーを更新またはアンインストールする
・インストールしたばかりのドライバーが原因の可能性が高い場合はロールバックを試す
・コマンドプロンプト(管理者権限)を開き、「sfc /scannow」「DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth」を順に実行
セーフモード自体に入れない場合
DellやHPなどの一部機種では、F8キーを使ったセーフモードへのアクセスが無効化されていることがあります。そのような場合は下記の手順を試してみてください。
強制的に起動を中断してWinREへ
起動時にWindowsロゴが表示されたら、あえて電源ボタンの長押しで強制終了する行為を数回繰り返すことで、Windowsが「自動修復を準備しています」という画面へ移行することがあります。ここから「詳細オプション」→「トラブルシューティング」と進み、セーフモードやシステムの復元を使える場合があります。
Windowsインストールメディアを利用する
USBまたはDVDのインストールメディアを用意し、それを使ってPCを起動すると、セットアップ画面内で「コンピューターを修復する」を選択できます。このルートから「トラブルシューティング」→「詳細オプション」へ進み、スタートアップ修復やシステムの復元、以前のビルドに戻す機能を試すことができます。
ドライバーの修復・更新手順
セーフモードまたはWinREを経由してWindowsを最低限起動できた段階で、ドライバーの修復や更新を行いましょう。問題になりやすい代表的なドライバーを下表にまとめました。
ドライバー種別 | トラブルの例 | 対策 |
---|---|---|
グラフィックスドライバー | 画面表示が乱れる、起動時にブラックスクリーン | 最新バージョンに更新、再起動ループ時はセーフモードでロールバックを検討 |
ネットワークドライバー | Wi-Fiや有線LANが不安定、更新プログラムが最後までダウンロードできない | メーカー公式サイトから最新ドライバーを取得しオフラインでインストール |
Bluetoothドライバー | 周辺機器が正しく接続されず起動が止まる | 一時的にBluetoothを無効化して再起動、後から再インストール |
チップセットドライバー | PC全体の動作が不安定、ブルースクリーン多発 | マザーボード製造元のサイトで正式なドライバーを入手 |
デバイスマネージャでのロールバック操作
特定のドライバーを前のバージョンに戻したい場合、デバイスマネージャを開いて対象デバイスを右クリックし、「プロパティ」→「ドライバー」タブ→「ドライバーを元に戻す」を選択することでロールバック可能です。ロールバック後は再起動し、ループが解消されているかを確認してください。



私が以前対応したケースでは、最新のグラフィックスドライバーに更新した途端、ブルースクリーンを繰り返すようになりました。ドライバーをロールバックして一旦様子を見たところ、嘘のように安定したことがあります。
システムファイルやイメージの修復
ドライバーの更新やロールバックだけでは解決しない場合、Windows自体のシステムファイルに破損がないかを調べてみる必要があります。セーフモードや回復環境のコマンドプロンプトで、以下のコマンドを実行してみましょう。
システムファイルチェッカー:sfc /scannow
sfc /scannow コマンドは、主要なシステムファイルの破損を検知し、自動で修復できるかを確認するツールです。特にアップデート中にファイルが上書きされる過程で何らかの不整合が発生した場合、このコマンドで改善することがあります。
DISMツール:DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
DISMツールは、Windowsのイメージそのものを検査・修復するためのコマンドラインツールです。上記のコマンドを実行すると、オンライン状態のWindowsイメージをチェックし、破損している箇所をMicrosoftのサーバーからダウンロードしたり、指定のソースから修復したりすることができます。sfcでは修復できない部分もDISMツールで直せる可能性があります。
最終手段:クリーンインストール(初期化)
セーフモードやWinRE、ドライバーの修復・ロールバックなど、あらゆる手段を試しても再起動ループが解消しない場合は、最終的にWindowsのクリーンインストールや初期化を検討することになります。ただし、この作業を行うとインストールされているソフトウェアや設定は初期化され、データも失われる恐れがあるため、バックアップを取ることが極めて重要です。
クリーンインストール時の注意点
・プロダクトキー(ライセンス)をあらかじめ確認し、再アクティベーションできるように準備する
・外付けHDDやUSBメモリなどを使って重要ファイルをバックアップしておく
・ドライバー類はメーカーサイトから最新版をダウンロードし、オフラインでもインストールできるようにまとめておくと便利
回復ドライブやインストールメディアの作成
Windows 10以降では、Windowsが立ち上がるうちに「回復ドライブ」を作成しておくと、万一のときに簡単に修復や再インストールが可能です。予めUSBドライブに回復イメージを作成しておけば、アップデート失敗や深刻なエラー時にも落ち着いて対処できます。



私の知人は、回復ドライブを作らずにWindowsアップデートに挑んだ結果、再起動ループで作業が全くできなくなりました。結局、データを諦めてクリーンインストールしましたが、あのとき作っておけばよかったと痛感していました。
再起動ループを防ぐ日頃の心得
Windowsが正常に起動している状態を維持するために、日常的に気を付けたいポイントをいくつか挙げます。こうした心得を持っておくだけでも、アップデート失敗やドライバーの不具合を未然に防ぎやすくなります。
アップデート前のバックアップ習慣
Windowsアップデートや大きなソフトウェアの更新を行う前に、重要なデータのバックアップを取っておく習慣をつけましょう。特に業務データや家族の写真など、代えのきかないファイルはクラウドストレージや外付けHDDなどにこまめに保存しておくのが理想的です。
周辺機器の接続を最小限に
普段から多くのUSB機器や外部デバイスを接続していると、ドライバーの競合が起きる確率も高まります。Windowsアップデートのタイミングでは、できるだけ不要な周辺機器を外しておくと、トラブルを減らしやすいでしょう。
Bluetoothデバイスに注意
とりわけBluetooth接続のキーボードやマウスなどは便利ですが、アップデート時には有線のデバイスに切り替えておくことをおすすめします。Bluetoothドライバーの不具合で操作不能になる事例も一定数報告されています。
セキュリティソフトや常駐アプリとの干渉
セキュリティソフトや常駐アプリによっては、アップデートを妨げるケースもあります。大きなアップデートの前にはセキュリティソフトを一時停止してから再開する、または常駐アプリをオフにしておくなどの対策をとることで、更新失敗のリスクを減らせます。
再起動ループトラブルに関するよくある質問
最後に、再起動ループ関連でよくある質問を挙げてみます。これらを参考に、問題に対処する際のヒントにしてみてください。
Q. 再起動ループに陥って、キーボード入力が一切できません。
A. まずは数回の強制終了を繰り返し、Windows回復環境が立ち上がるかを試してみてください。どうしても回復環境に入れない場合は、USBインストールメディアから起動して修復ツールを使うのが一般的です。
Q. DRIVER_POWER_STATE_FAILUREのエラーが表示され続けます。
A. これはドライバー関連のエラーが濃厚です。グラフィックス、ネットワーク、チップセットなどのドライバーを重点的に見直しましょう。セーフモードもしくは回復環境から、問題のドライバーをロールバックまたは再インストールするのが効果的です。
Q. セーフモードで起動してもブルースクリーンが出ます。
A. システムファイルが深刻に破損しているか、ハードウェアに物理的なトラブルがある可能性があります。まずは「sfc /scannow」や「DISM /RestoreHealth」を試し、改善しないようであればクリーンインストールを検討するのが安全策です。
Q. Dell製のノートPCでF8が効きません。
A. UEFIブートが主流となった影響でF8によるセーフモード起動が無効化されているPCが増えています。故意の強制終了によるWinRE起動やインストールメディアの利用など、他の手段を試してください。
まとめ:早めの対処と定期的なバックアップが鍵
Windowsアップデート後の再起動ループや「DRIVER_POWER_STATE_FAILURE」などのエラーは、一見すると重大な故障に見えますが、実際にはドライバー競合やファイル破損が原因であることが多く、適切な手順を踏めば解決できるケースが大半です。しかし、再起動ループに陥った状態ではOS上での操作が難しくなるため、回復環境への入り方やインストールメディアの作成方法など、日頃から対策を心得ておくことが大切です。
また、アップデート前のバックアップ習慣や周辺機器を最小限にしておく配慮など、小さな工夫でトラブル発生のリスクを大幅に下げることも可能です。もし最悪の状況に至っても、セーフモードの利用やドライバーのロールバック、システムファイルの修復などを行うことで、ほとんどの場合は正常な状態に戻すことができます。どうしても改善しない場合はクリーンインストールを視野に入れ、その際は必ず大切なデータをバックアップしておきましょう。



再起動ループは慌ててしまいがちですが、実は意外に直せるケースが多いです。トラブルに遭遇したら、まずは落ち着いて今回紹介した手順を試してみてくださいね。
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