Windows 10やWindows 11で利用できるPC版のXbox (Game Pass)アプリは、手軽にさまざまなゲームを楽しめる便利なサービスです。しかし、ゲームによっては更新時にエラーが発生してしまい、なかなかアップデートが進まない場合があります。本記事では、そうした更新エラーの原因と具体的な解決策を詳しく解説します。
PCのXbox (Game Pass)アプリで更新エラーが発生する原因
ゲームの更新がうまく進まず、エラーコード「0xd05e010f」などが表示されるケースは少なくありません。代表的な原因としては下記が考えられます。
- Microsoft StoreアプリやGaming Servicesのバージョンが古いか、インストールが不完全
- Xboxアプリが自動更新されておらず、手動更新が必要になっている
- Windowsのユーザープロファイルが破損、または設定が正常に読み込まれていない
- Windowsのリソースやファイルシステムに問題が生じ、アプリケーションのアップデートに影響が出ている
- セキュリティソフトやファイアウォールがゲームの更新をブロックしている
こうした原因を解決するためには、まずXboxアプリやGaming Servicesの更新状態をチェックすることが重要です。また、自動更新設定やMicrosoft Storeの動作確認も欠かせません。以下では、実践的な解決策を詳しく紹介します。
原因を素早く確認するためのポイント
ゲームの更新エラーが起きた際、闇雲に再インストールを行うより、以下のポイントをチェックすると早期発見につながります。
- Microsoft Storeアプリが正しく動作しているか
- Gaming Servicesが最新バージョンになっているか
- Windowsアップデートが保留状態になっていないか
- セキュリティソフトの一時停止で状況が改善しないか
特定のゲームだけが更新でき、他のゲームだけ更新に失敗する場合は、ゲームごとの設定ファイルやインストールパス、ストレージの空き容量なども合わせて確認してください。
解決策1:Microsoft StoreアプリからXboxアプリ・Gaming Servicesを更新する
Xboxアプリ自体やGaming Servicesが古いバージョンのままだと、ゲームの更新時にエラーが出やすくなります。自動更新がONになっている場合でも、うまく機能せず手動更新が必要になるケースもあるので、まずは手動で更新を試してみましょう。
Microsoft Storeでの更新手順
- スタートメニューの検索バーなどから「Microsoft Store」を開く
- 画面左下などにある「ライブラリ」をクリック
- 「更新プログラムとダウンロード」を選び、XboxアプリやGaming Servicesが更新対象になっていないか確認
- 更新可能な場合、「更新」ボタンを押して手動更新を実行
- 更新終了後、一度Microsoft Storeアプリを閉じてPCを再起動し、Xboxアプリからゲーム更新を試す
自動更新を有効にする設定の確認
Microsoft Storeが自動更新を行うようになっているかを改めて確認しましょう。
- Microsoft Storeを起動し、右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「アプリの設定」を開き、「アプリを自動的に更新」をオンにする
- 一度オフにしてから再度オンにすることで、設定が正しく反映される場合もある
なぜ手動更新が必要になるのか
通常、Microsoft Storeの自動更新機能が有効であればバックグラウンドで最新バージョンが適用されることが多いです。しかし、何らかの不具合やネットワークエラー、ストアキャッシュの不整合などが原因で自動更新がスキップされる場合があります。そうしたときは手動更新でエラーを解消するのが最も手っ取り早い対処法です。
解決策2:Gaming Servicesを再インストールする
Xboxアプリとゲームの更新をつなぐ中核的な役割を担う「Gaming Services」が不完全だったり、破損していると、ゲームの更新が正常に行われない可能性があります。PowerShellコマンドを使用してGaming Servicesを再インストールする方法を紹介します。
PowerShellによるアンインストールと再インストール
- スタートメニューの検索バーに「PowerShell」と入力し、表示されたアプリを右クリックして「管理者として実行」を選択
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押してGaming Servicesをアンインストールする
get-appxpackage Microsoft.GamingServices | remove-AppxPackage -allusers
- 同じPowerShell画面で下記コマンドを入力し、Enterキーを押す
start ms-windows-store://pdp/?productid=9MWPM2CQNLHN
- Microsoft Storeが起動し、「Gaming Services」の再インストール画面が表示されるので、「インストール」を実行
- インストール完了後にPCを再起動し、Xboxアプリからゲームの更新を再度試す
再インストール時の注意点
- 管理者権限でPowerShellを起動しないとエラーが出る場合がある
- 再インストール直後はStoreおよびXboxアプリのキャッシュが再構築されるため、動作確認はPCの再起動後に行うのがおすすめ
- WindowsのバージョンによってはストアからGaming Servicesを再取得できない場合があるが、基本的には最新のWindows 10/11であれば対応している
解決策3:ゲームを再インストールする
更新に失敗したゲームそのものをアンインストールして再インストールすると、エラーが解消されることがあります。ただし、この方法はデータ容量が大きく、インターネット回線によってはダウンロードに時間がかかるため、最終手段として検討するのが賢明です。
再インストール時の手順
- Xboxアプリで該当ゲームを選び、メニューから「アンインストール」を実行
- 完了後、再度同じゲームを検索し、「インストール」を選択
- インストールが完了したら、最新バージョンとして自動的に更新された状態で起動できるか確認
ダウンロード容量の目安
インディーズゲームの場合は数百MB~数GB程度ですが、大規模なAAAタイトルでは数十GB以上のダウンロード容量が必要になるケースもあります。ストレージ容量やインターネット環境に余裕があるかを事前にチェックしておきましょう。
解決策4:新しいローカルユーザーアカウントの作成・OSリセット
前述の方法をすべて試しても更新エラーが解消されない場合は、Windowsのユーザープロファイルに問題が生じている可能性があります。ユーザープロファイルが破損すると、Xboxアプリだけでなく、Microsoft Storeなど他のアプリにも不具合が波及することがあります。
新しいローカルユーザーアカウントを作成して検証する
- Windowsの「設定」から「アカウント」を選択し、「家族とその他のユーザー」を開く
- 「その他のユーザーを追加」または「アカウントの追加」を選択し、新しいローカルアカウントを作成
- 新アカウントにサインインし、Microsoft Storeを起動してXboxアプリをインストール
- 同じゲームをダウンロードまたはインストールし、更新エラーが再現するか確認
新アカウントで問題なく更新できる場合、元のアカウントの設定やプロファイルが原因の可能性が高いです。OSのリセットやユーザープロファイルの移行を検討しましょう。
OSリセットの手順
- 設定の「更新とセキュリティ」から「回復」を選ぶ
- 「このPCをリセットする」をクリック
- 「ファイルを残す」または「すべて削除する」などのオプションを選択してリセットを実行
- リセット完了後、必要に応じてMicrosoftアカウントでサインインし直し、Xboxアプリを再度インストールする
補足:その他のチェックポイント
上記の対策を行っても解消しない場合は、より広範囲に原因を探る必要があります。以下のポイントも合わせて検証してみてください。
1. Windows Updateの実行状況
Windows自体の更新が滞っていると、XboxアプリやGaming Servicesの適切な更新も遅れることがあります。
- 設定の「更新とセキュリティ」から「Windows Update」をチェック
- 未適用の更新プログラムがあればすべてインストール
- 再起動を促された場合はすぐに対応して最新状態を維持
2. セキュリティソフトやファイアウォールの設定
セキュリティソフトやファイアウォールが厳格に設定されていると、XboxアプリやGaming Servicesの通信がブロックされ、更新に失敗する場合があります。
- セキュリティソフトの一時停止やアンインストールで状況が変わるか確認
- ファイアウォールの例外リストにXboxアプリやGaming Servicesを追加
- VPNやプロキシを使用している場合は、一旦無効にして通信状況をテスト
3. Microsoft Storeのキャッシュリセット
ストアのキャッシュが破損していると、更新情報を正常に受け取れないことがあります。コマンドプロンプト(管理者権限)やPowerShellで以下を試してください。
wsreset
このコマンドを実行すると、Microsoft Storeのキャッシュがリセットされ、ストアの動作が改善される場合があります。リセット後はMicrosoft Storeを再起動してから、再度Xboxアプリの更新を試しましょう。
4. ディスク領域とストレージの健康状態
ディスク容量が不足している、またはHDD/SSDにセクタ障害や物理的な損傷があるとゲーム更新が途中で止まることがあります。
- ストレージ容量が十分に残っているか(空き容量を20%以上確保が理想)
- 「ディスクのエラーチェック」(chkdsk)を実行し、エラーがないか確認
- 必要に応じてストレージを換装したり、外付けSSDを利用してみる
表で見る原因と対策まとめ
以下の表に、代表的な原因と対策を一括で整理します。
原因 | 症状 | 対策 |
---|---|---|
Microsoft Storeアプリの更新不足 | Xboxアプリがエラーで更新不可 | Storeから手動更新し、自動更新も再確認 |
Gaming Servicesの破損 | 「0xd05e010f」等のエラー表示 | PowerShellでアンインストール&再インストール |
ユーザープロファイルの不具合 | 特定アカウントのみ更新失敗 | 新規アカウントで動作検証、必要ならOSリセット |
ディスク領域不足やストレージエラー | 更新途中でダウンロード停止 | 不要ファイルの削除、chkdskによるエラーチェック |
セキュリティソフトやファイアウォール | 更新がブロックされる | 例外リストの設定や一時停止 |
なぜ自動で更新されないのか?
XboxアプリとMicrosoft Storeは連携して動作するため、本来であれば自動で更新される設計になっています。しかし、以下のような要因により自動更新が働かないことがあります。
- Microsoft Storeの自動更新設定がオフになっている
- ストアのキャッシュに不具合が起きて情報が正常に受信できない
- Windowsアップデートが長期間実施されておらず、古い状態が続いている
- ネットワーク環境が不安定で更新の問い合わせがスキップされる
対策としては、Storeの自動更新を有効にする、定期的にWindows Updateを実施する、ネットワーク環境を見直すなどがあります。自動更新が機能しない場合でも、手動更新を行うと解決するケースが多い点は覚えておきましょう。
まとめ:状況に合わせた複数の対策を試すことが大切
Xbox (Game Pass)アプリでのゲーム更新エラーは、Microsoft StoreアプリやGaming Servicesの不具合が大きく影響することが多いです。まずは手動でストアやGaming Servicesを更新し、問題が解決しなければPowerShellでの再インストール、ディスクのチェック、新規アカウントの作成など段階的に対策を行いましょう。どうしても解決しない場合は、OSのリセットやストレージの交換、ネットワーク設定の再確認など、より大掛かりな対処が必要になることもあります。
大切なのは、一つの方法だけで解決が難しいときは複数の対策を並行して検証することです。特に、セキュリティソフトやファイアウォールの影響は見落とされがちなので、こまめにチェックしましょう。快適にゲームを楽しむためにも、日頃からWindowsの更新を欠かさず行い、XboxアプリやMicrosoft Storeを常に最新の状態に保つ習慣をつけることが望ましいです。
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