Mac版Wordを使っていて「DocProperty」のフィールドを挿入しようとした時に、「[オプション]ボタン」が使えない状態になってしまうことはありませんか?これまで問題なく使えていたはずの機能が突然反応しなくなると、作業が思うように進まず困ってしまいますよね。本記事では、その原因や考えられる背景、そして具体的な対処方法を分かりやすく紹介します。
Mac版WordでDocPropertyが使えない現象とは?
Mac版Microsoft 365(Office 365)環境のWordにおいて、DocPropertyフィールドを挿入しようとすると、本来であれば「[オプション]ボタン」を押して文書プロパティやカスタムプロパティを選択できるはずです。しかし、特定のMac環境やWordバージョン(16.81以降)でこのボタンがグレーアウトして押せない不具合が報告されています。
この不具合は比較的新しいバージョンで確認されており、同じMacのOSバージョン(VenturaやBig Surなど)でもWordバージョンが異なる場合に正常に動作するケースや、まったく同じOS・Wordバージョンでも問題なく動く場合があるなど、一貫性のない状態が続いています。原因が明確に特定されていないため対処が難しいものの、作業上の回避策は存在します。
どんな場面で困るのか
カスタムプロパティや文書情報をDocPropertyフィールドで反映させたいとき、ユーザーは通常、以下の流れで操作を行います。
- Word上部のメニューから「挿入」→「フィールド」を選択
- 表示されたダイアログボックスの「フィールド名」から「DocProperty」を選択
- 右側にある「[オプション]ボタン」をクリックして挿入するプロパティを決定
しかし不具合のある環境では、この「[オプション]ボタン」が押せない状態になり、必要なプロパティを指定できなくなります。そのため、SharePointと連携しているドキュメントのプロパティや、文書の自動更新を行うようなワークフローがストップしてしまい、作業効率が大幅に低下してしまうケースが多発しています。
考えられる原因や背景
Mac版Word特有の不具合である可能性が高いとされていますが、具体的な原因は現時点では確定していません。以下、関連しそうな要素をいくつか挙げてみます。
Wordのバージョンアップによる仕様変更・バグ
Microsoft 365版Wordは、頻繁に機能追加やバグ修正を目的としたアップデートが行われます。バージョン16.81あたりからこの現象が報告され始めたことから、新しいバージョンでの不具合の可能性があります。
過去には、Windows版Wordでも特定のフィールドやマクロ関連の機能が更新直後に動作しなくなり、すぐに修正プログラムがリリースされた例もあります。今回のDocProperty問題も、同様に修正待ちのバグであることが推測されます。
SharePoint連携の廃止機能との干渉
SharePointのメタデータをWord文書にラベルとして埋め込み、例えば「バージョン情報」をDocPropertyとして参照する機能は、SharePoint 2013以降でサポートが廃止されました。
そのため、SharePointのバージョン番号をDocPropertyで呼び出すと「Error! Unknown document property name.」が表示されてしまう場合があります。この廃止機能と今回の「[オプション]ボタン」無効化がどの程度関係しているかは断定できませんが、Microsoftのクラウド連携機能の見直しが影響を及ぼしている可能性は否定できません。
廃止機能をどう扱うか
仮にSharePointバージョン情報をDocPropertyで活用したい場合、現行のOffice 365(Microsoft 365)製品では対応していないため、別の方法やカスタムスクリプトを使うなどの工夫が求められます。Microsoftによる公式なサポートは行われないことを念頭に置いておきましょう。
macOSのバージョン依存性
VenturaやMonterey、Big Surなど、macOSの各バージョンで異なる動作報告が散見されます。しかし、同じOSバージョンでも症状が出るMacと出ないMacがあったり、逆に異なるOSバージョンでも問題なく使用できる場合があるなど、明確なパターンが見つかっていないのが現状です。
OSのクリーンインストールや、Wordのアンインストール→再インストールを試しても解消されないという報告もあるため、OSだけでなく、WordとmacOSの組み合わせや環境ファイルなど複合的な要因が絡んでいる可能性があります。
主な対処方法と回避策
ここでは、現時点で提案されている対処方法や回避策を詳しく解説します。
1. フィールドコードを直接入力する
もっともシンプルな回避策が、フィールドダイアログではなくフィールドコードを直接編集してDocPropertyを設定する方法です。具体的な手順を以下に示します。
- 空のフィールドコードを挿入
カーソルを挿入したい位置に置き、Cmd + F9
(Mac環境によってはFn + Cmd + F9
)を押して、{ }
と表示される空のフィールドコードを作成します。 - DocPropertyコードを入力
フィールドコードの中に、DocProperty プロパティ名
を入力します。例えば、文書のカスタムプロパティ「AuthorName」を参照するなら{ DocProperty AuthorName }
のように書きます。 - フィールドを更新
完成したフィールドコードを右クリックして「フィールドの更新」を選ぶか、F9
を押すことでプロパティの内容が反映されます。
この方法は「[オプション]ボタン」を使えない場合でもDocPropertyを利用できるため、バグに悩んでいるユーザーにとって有効な暫定的回避策となります。
ただし、SharePointのバージョン情報など、すでにサポート外となったプロパティを参照しようとするとエラーが出る可能性がありますので注意してください。
2. Wordのバージョンをダウングレードする
問題が発生する前のバージョン(16.80など)に戻すことで、不具合が発生しなくなるケースが報告されています。
具体的には、以下のような手順が考えられます。
- Time Machineなどで以前のMac環境をバックアップしている場合は、該当バージョンのWordを復元
- あるいはMicrosoftの公式サイトやサポート経由で以前のインストーラーを入手(ただし通常は公開されていない)
- Officeの自動更新を無効化して、再度アップデートされないように調整
しかし、Microsoft 365(Office 365)環境下では常に最新バージョンへの更新が推奨されるため、将来的にアップデートを再度行う必要が生じる場合があります。そのため、一時的な手段としては有効でも恒久的な解決策とは言えない点に注意が必要です。
3. Mac版Wordのリセットと再インストール
すでに多くのユーザーが試している方法ですが、念のため手順を整理しておきます。Word関連のファイルを全てクリーンにして再インストールすることで、設定の不整合が解消される可能性はあります。
- WordおよびOffice関連の設定ファイル(~/Library/Preferences/など)を削除
- キャッシュファイル(~/Library/Containers/com.microsoft.Wordなど)もあれば削除
- Macを再起動後、Officeをアンインストールし、App StoreまたはMicrosoft公式サイトよりOfficeを再インストール
ただし再インストール時に「アップグレード」という表示が出るなど、完全に初期化されずに再設定が引き継がれるケースがあります。結果として不具合が解消しなかったとの報告もあるため、「絶対に直る」保証はない点に留意してください。
SharePointバージョン情報との関係
DocPropertyの最大の利点は、文書のプロパティを自動参照・更新できるところにあります。しかし、SharePointのメタデータ取得機能は既にサポートが廃止されており、Mac版WordだけでなくWindows版Wordでも同機能は推奨されていません。
バージョン情報を埋め込む必要がある場合、Power Automate(旧Microsoft Flow)などのワークフローを活用して別途メタデータを更新する方法や、外部のスクリプトを使用してカスタムプロパティに書き込む方法などが検討されます。現状のMicrosoft公式ドキュメントでも、SharePointバージョン情報を直接WordのDocPropertyとして参照する手段は案内されていないため、別のソリューションを探る必要があります。
Microsoftへのフィードバックと今後の展望
今回のような不具合は、Microsoftの公式サポートページやユーザーフォーラム、もしくはアプリ内の「フィードバック」機能から報告することで、修正を早める一助になると考えられます。Microsoftはユーザーから寄せられるバグ報告や機能要望のボリュームをもとに優先的に対応を進めるため、同じ現象で困っているユーザーが多ければ多いほど、改善が期待できます。
特に、Mac版Wordに特化した不具合の場合、Windows版Wordとは異なる開発ラインが存在するとされ、修正に時間がかかる可能性もあります。問題が発生している環境の詳細(Wordバージョン、macOSバージョン、SharePointの利用状況など)をできるだけ具体的に添えてバグ報告を行うことが望ましいでしょう。
トラブルシューティングのまとめ
以下に、今回のDocPropertyフィールド問題に関する回避策を一覧表にまとめました。状況に応じて優先度を考えながら対処を検討してみてください。
対処策 | メリット | デメリット |
---|---|---|
フィールドコードを手動で入力 | 即座に利用可能 バージョン問わず有効 | 慣れるまで操作に手間 GUIのように直感的ではない |
Wordのバージョンを戻す | 一部環境では問題が解決 以前の状態に復元しやすい | 恒久対策にならない Microsoft 365環境では推奨されない |
Mac版Wordをリセット・再インストール | 設定ファイルの不整合が改善される可能性 | 効果が確実ではない 作業の手間が大きい |
Microsoftにフィードバック | 公式による修正が期待できる 同様の問題を抱えるユーザーにとってプラス | 修正時期が不明 報告が反映されるまで時間がかかる |
結論と今後の対応
Mac版WordでDocPropertyの「[オプション]ボタン」が使えない問題は、Wordの不具合または仕様変更が原因である可能性が高く、完全な解決策がまだ提示されていません。
現状では、フィールドコードを直接入力して運用するか、過去バージョンに戻すなどの回避策で凌ぐのが最善です。また、SharePointのバージョン情報などの機能は既にサポート外になっているため、そもそもDocPropertyで参照しても正しく動作しない場合があります。
もしこの不具合が業務上の大きな支障になっている場合は、Microsoftへのフィードバック送信を検討し、可能な限り他の代替手段(例えばカスタムスクリプトや別の自動化ツール)を利用することも視野に入れましょう。修正がリリースされれば状況が改善する可能性は高いため、定期的にアップデート情報をチェックすることが大切です。
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