Word見出しスタイルを自在に変更する方法~20ptの黒字太字で作成する手順

心地よい文書作成を追求するなら、Wordのスタイル機能を活用するのがおすすめです。特に大きな文書や複数ページにわたるレポート作成時には、見出しを統一的に管理できる「見出しスタイル」が欠かせません。しかし既定の「見出し 1」の色が淡い青色で物足りなかったり、デザイン上もっとインパクトが欲しかったりする場合は、自分好みの書式に簡単に変更できます。ここでは「見出し 1」を黒字・太字・フォントサイズ20にする方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。少しカスタマイズするだけで、文書全体の印象がぐっと締まり、読み手にやさしい構成を実現できますので、ぜひ試してみてください。

Wordの見出しスタイルを変更するメリット

Wordには「見出し 1」「見出し 2」など段階的に使用できるスタイルが標準で備わっています。これらの見出しを適切に使うだけで、目次を自動生成したり、ナビゲーションウィンドウで文書構造を把握しやすくしたりといった恩恵があります。とはいえ、デフォルトの見出しの見た目が好みに合わない場合は、簡単に書式を変更してしまうほうが作業効率も上がり、モチベーションも維持しやすくなります。以下では、Wordの見出しを自分好みにカスタマイズする方法と、その効果を最大限活かすためのコツを紹介します。

「見出し 1」を黒字・太字・フォントサイズ20に変更する基本手順

まずは、もっともシンプルな方法として、Wordが標準提供しているスタイルを上書き・修正する流れを見ていきましょう。Wordには大きく分けて2つの方法があります。それぞれ好みに合わせて使い分けてみてください。

方法1:スタイルの「変更」ダイアログを使った編集

Wordで見出しのスタイルを直接編集する場合は、スタイルギャラリーから操作するのが手軽です。手順は以下のとおりです。

  1. リボンの「ホーム」タブにあるスタイル一覧で「見出し 1」を右クリックします。
  2. 表示されるメニューから「変更(Modify)」を選択します。
  3. [変更] ダイアログが表示されたら、「フォント」や「サイズ」などの項目を必要に応じて編集します。
  • たとえば「フォントの色」を黒、「太字」をオン、「フォントサイズ」を20などに設定。
  1. すぐ下にある「文書のみ」あるいは「このテンプレートを使用するすべての新しい文書」などのオプションを選択します。今後の文書でも同じ見出しデザインを使いたい場合は、テンプレートに保存すると便利です。
  2. 設定が完了したら [OK] をクリックして終了です。

ここで重要なのは、「テンプレートに保存するかどうか」です。既にいくつかの文書で同じスタイルを利用することが多いのであれば、テンプレートに保存することを推奨します。将来的にも同じ書式で一貫性のある文書を作りたい場合には、あとで手間がかかりません。

テンプレートへの保存のポイント

  • テンプレートに保存する場合は、「このテンプレートを使用するすべての新しい文書」などのオプションにチェックを入れるだけ。
  • もし会社や組織のチームメンバー全体で同じテンプレートを共有したいなら、ネットワーク上の共有フォルダーに「Normal.dotm」やオリジナルテンプレートを配置し、みんながそこから新規文書を作るフローを整備することが望ましいです。

方法2:現在の段落の書式に合わせて「見出し 1」を更新

次に紹介するのは、すでに作成済みの文書内で、特定の段落に適用している書式をそのまま「見出し 1」の標準仕様として反映させる方法です。「見出し 1」に似たような書式設定を適用したけれど、少し変更したい部分がある……というときに非常に便利です。

  1. 文書中の「見出し 1」が適用されている段落を選択し、その段落に希望する書式(黒字・太字・サイズ20など)を直接設定します。
  2. リボンの「ホーム」タブにあるスタイル一覧で「見出し 1」を右クリックします。
  3. 「選択部分と同じ書式に更新(Update Heading 1 to match selection)」をクリックします。
  4. 「見出し 1」の定義そのものが更新され、文書内の他の「見出し 1」にも一括で書式が適用されます。
  5. 新しい文書でも同じ設定を使いたい場合は、再度「見出し 1」を右クリックし「変更(Modify)」から「テンプレートに保存」オプションをオンにしておくと便利です。

この方法は「実際に見出しを設定してみて、最終的な見た目を確認しながら調整したい」という人にうってつけです。試行錯誤のうえで作り上げた書式を、一気にスタイルとして登録できるのが最大のメリットでしょう。

スタイルを使いこなすためのポイント

見出しスタイルを変更すること自体は簡単ですが、うまく使いこなすためにはいくつかポイントを押さえておくと便利です。以下のコツを念頭に置いておくだけで、文書作成の効率が格段にアップします。

スタイルと直接書式の違いを意識する

Wordには、スタイルによる書式設定と直接書式(リボンのボタンなどから付与する書式)があります。見出しとして設定したいときは、なるべく「スタイルを適用」する方法を優先すると、次のようなメリットが得られます。

  • 目次の自動生成で段落レベルが正しく反映される
  • 文書内で全体的に統一感を持たせられる
  • 後から一括で書式変更がしやすい

下記に「スタイル」と「直接書式」の主な違いをまとめた簡単な表を示します。

比較項目スタイル直接書式
適用対象見出しや本文など一括適用部分的に太字や色変更等が可能
再利用性他の文書への適用も容易その文書のみで完結
一括変更スタイルを修正すれば一括反映個別に変更する必要がある
目次への反映自動で見出しとして識別通常は反映されない(Heading指定必須)

見出しに限らず、段落の段落間隔や箇条書き設定など、Word文書全体をスタイルで一元管理しておくと、後々の手戻りが非常に少なくなります。

スタイルセットやテーマの活用

Wordには、デザインタブから「テーマ」や「スタイルセット」を簡単に切り替えられる機能があります。これらを使うと文書全体の色合いやフォント設定を、ワンクリックで別のデザインに変更できます。ただし「見出し 1」の書式を独自に変更した場合、新しいスタイルセットを適用すると初期設定に上書きされる可能性があるため、テンプレートに独自スタイルを保存してからテーマやスタイルセットをカスタマイズするフローがおすすめです。

アウトライン表示を活用して見出し構造をチェック

見出しのレベルが正しく設定されているかどうかを確認するには、Wordの「表示」タブで「アウトライン」を選択してみましょう。アウトラインモードでは文書が階層構造として表示されるため、見出しレベルをドラッグ&ドロップで変更したり、折りたたんで内容を整理したりといった操作が簡単に行えます。見出しのレベルが思った通りに反映されていない場合には、スタイルの階層レベルを見直すか、「見出し 2」や「見出し 3」の設定を再調整するとよいでしょう。

文書デザインを統一するための応用テクニック

「見出し 1」を変更できるようになると、次にやってみたくなるのが「複数の見出しスタイルを統一感あるデザインに仕上げる」ことです。ここでは、もう少し踏み込んだ応用テクニックを紹介します。

「見出し 2」や「見出し 3」もまとめて変更する

同じような流れで「見出し 2」「見出し 3」も変更することが可能です。文書が長くなるほど、段階的な見出しが重要になってきます。見出しレベルごとに色やサイズ、フォントなどを工夫すると、読者にとって見やすい構造を作ることができます。

  1. スタイル一覧から「見出し 2」を右クリック → 「変更」を選択
  2. フォントスタイルは「太字」を外す、サイズを16にする、など見出し階層に応じた変更を加える
  3. アクセントカラーや下線の有無などをレベル別に差別化する
  4. テンプレートに保存しておくことでいつでも同じデザインを適用できる

段落間隔や余白にもこだわる

見出しのフォントや色だけでなく、行間や段落前後の余白設定も重要な要素です。読者が見たときに見出しが埋もれてしまうようであれば、段落前にスペースを多めにとるなどの工夫をしましょう。

  • [変更(Modify)]ダイアログで「書式」→「段落」を選択すると、段落間隔の詳細設定が可能
  • 見出しの前後の余白を適切に設定することで、見出しが際立ち全体のバランスが整う

番号付き見出しも活用する

大きな章立てや番号振りが必要なドキュメントでは、「見出し 1」だけでなく「見出し 2」「見出し 3」にも番号を自動的に振ると作成者・読者双方にとって分かりやすい構成になります。

  1. 「ホーム」タブ→「段落」グループにある「段落番号」や「アウトライン番号」を活用
  2. レベルに応じて「1.」「1.1」「1.1.1」といった階層表示を自動設定
  3. スタイルと連動させる設定にしておけば、見出しスタイルを変更しても番号付けは保持される

番号付きの見出しを用いると、長い文書内でも現在どの章のどのセクションを読んでいるのか把握しやすくなります。

ちょっとした応用:マクロを使って見出しを変更する

Wordをさらに使いこなしたい方や、プログラミングに興味がある方は「VBAマクロ」を利用してスタイルを変更する方法も検討してみてください。頻繁に大規模文書を作成するケースでは、ボタン一つで書式を統一できるマクロを組んでおくと便利です。

マクロで「見出し 1」の書式を一括変更するサンプル

以下は、VBAを使って「見出し 1」を黒字・太字・フォントサイズ20に一発で変更する例です。Word上で「Alt + F11」を押してVBAエディタを開き、新規モジュールに貼り付けてから実行してみてください。

Sub ModifyHeading1()
    With ActiveDocument.Styles("見出し 1").Font
        .Name = "游ゴシック"
        .Size = 20
        .Bold = True
        .Color = wdColorBlack
    End With
    MsgBox "見出し 1スタイルが更新されました。", vbInformation
End Sub

上記のコードでは「游ゴシック」を指定していますが、フォント名は環境に合わせて自由に置き換え可能です。実行すると「見出し 1」スタイルが一括変更されるので、同じ操作を何度も手動でする必要がなくなります。

マクロ活用時の注意点

  • スタイル名はOfficeのバージョンや言語設定によって異なります。英語版では「Heading 1」と記載されていることも。
  • マクロを実行するには、セキュリティ設定で「マクロの有効化」が必要です。会社などの環境でセキュリティポリシーが厳しい場合は注意しましょう。
  • 使い慣れないうちは頻繁に文書を保存しながら試すことをおすすめします。

スタイル共有とバージョン互換性

見出しの変更は非常に便利ですが、複数人で文書を編集する際には互換性にも気を配る必要があります。特にMicrosoft 365(Office 365)環境とWord 2010やWord 2013など古いバージョンの環境が混在する場合、スタイルの互換性に不具合が生じるケースがゼロとは言えません。

テンプレートファイルの共有

自分が作成したスタイルを他の人にも使ってほしい場合は、スタイルを含むテンプレートファイル(.dotxや.dotm)を共有しましょう。たとえば以下のステップが一般的です。

  1. 作業用文書でスタイルを調整し終えたら「名前を付けて保存」で「Word テンプレート(.dotx)」として保存
  2. 必要であればマクロを含める場合は拡張子を「.dotm」にする
  3. チーム全員が参照できる共有フォルダやSharePointなどに配置
  4. 新規文書作成時に当該テンプレートを選択するように周知

こうすることで、メンバー全員が「黒字・太字・20pt」の見出しスタイルを統一して使えるようになります。

バージョン差異を吸収するコツ

新しいWordではより豊富なスタイル設定が可能ですが、旧バージョンとの間に細かな違いがある場合があります。たとえばフォントセットが見つからない、特定の色指定がサポートされないなど。全員がMicrosoft 365を使っているのであれば大きな問題はありませんが、そうでない場合は互換モードで開いて試すなどの工夫が必要です。

  • 互換モードの文書では新しい機能が使用できない場合がある
  • WindowsとMac環境でフォントの見た目が変わるケースもある
  • 必要なら「スタイルのインポート/エクスポート」機能を使ってテンプレートや文書間でやり取りする

よくあるトラブルシューティング

見出しスタイルを変更している途中で「あれ、反映されない…?」「部分的に元の設定が残っている」といったトラブルが起きることがあります。そんなときは以下の点をチェックしてみてください。

直接書式が優先されている

スタイルを適用しても上手く表示が変わらない場合は、前に設定した直接書式が残っている可能性があります。該当箇所を選択し、ショートカットキー「Ctrl + Space」(書式のクリア)を実行するとスタイルが優先されるようになります。

「自動的に更新する」オプションがオンになっている

スタイルの「変更」ダイアログの「スタイルの種類」近くにある「自動的に更新する」チェックがオンになっている場合、思わぬタイミングでスタイル定義が更新されることがあります。文書全体の変更が意図せず反映されてしまうので、使用目的が明確でない限りオフにしておくほうが安全です。

文書テンプレートが想定どおりに機能しない

何度も文書を保存しては開き直すうちに、テンプレートが壊れてしまうことがあります。また、ネットワーク共有テンプレートを使っている場合は読み取り専用などの権限設定が原因でスタイル更新が保存されないことも。テンプレートの保存場所や共有環境の権限を確認し、必要に応じてIT部門と連携してください。

まとめ:Wordの見出しスタイルを自在に操って快適な文書作成を

Wordで「見出し 1」を黒字・太字・フォントサイズ20にカスタマイズするのは、ほんの数クリックでできる簡単操作です。スタイルを有効活用することで、文書構造の見通しが大幅に良くなり、加筆修正にも柔軟に対応できるようになります。さらに、同じフォーマットをテンプレート化すれば、新規文書でゼロから設定し直す手間も省けます。大人数での文書作成や、時間の限られたプロジェクトでも、統一感とスピードを両立させられるのが最大の強みです。

これまで「デフォルトのままでいいや」と思っていた方も、ぜひ自分好みに見出しをカスタマイズしてみてください。ちょっとしたカスタマイズの積み重ねが、仕事や学習における生産性とモチベーションを飛躍的に向上させてくれます。見出しの変更をきっかけに、さらにWordの魅力を再発見していただければ幸いです。

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