Wordで印刷ができずに困っている方へ。大事な資料をすぐに出力したいのに、なぜかWordだけが動いてくれないと本当に焦りますよね。私も同じような状況に陥ったことがあり、原因を探るのに相当時間がかかりました。そこで得られた解決方法や注意点を、できるだけわかりやすくまとめてみました。あなたのトラブル解消に役立つことを願っています。
Wordで印刷できない現象の概要
印刷しようとするとWordからだけ出力がうまくいかない場合があります。ExcelやOutlook、Notepadなど、ほかのアプリケーションではまったく問題なく印刷できるのに、Wordからだけ出力が停止したり、謎のエラーメッセージが出たりすることがあります。また、Microsoft Print to PDFでPDFを作ろうとしてもファイルが壊れてしまい、PDFビューアで開けないケースも見受けられます。
実際にあったトラブル事例
印刷がうまくできなくて焦ったという相談は少なくありません。たとえば、プレゼン資料をWordで作成して印刷しようとしたところ、印刷ジョブが一瞬で消えてプリンターも動かないという事例がありました。PDFに書き出して回避しようとしてもエラーが出るばかりで、最初はプリンターの故障を疑ったそうです。しかしExcelのファイルは問題なく印刷できるため、どうやらWord特有のトラブルらしいということに気づきます。
複数のアプリが原因ではなかった
印刷トラブルといえばプリンタードライバが疑われがちですが、Word以外ではきちんと動く場合はドライバやデバイス側の問題ではない可能性が高いといえます。また、WindowsやOffice全体が壊れているわけでもなく、むしろユーザープロファイル固有の問題が絡んでいるケースが多いことが実践からわかっています。
新しいユーザーアカウントでなぜか印刷できる
印刷に失敗するアカウントと同じPC内で、新規に作成したユーザーアカウントを使うと不思議と正常にWordが印刷できることがあります。これは、WindowsやOffice自体には問題がなく、そのユーザー用の環境(プロファイル)だけが何らかの形で不具合を起こしていることを示唆しています。
原因として考えられること
Wordの印刷ができなくなる主な原因にはいくつかのパターンがあります。ここでは代表的なものを挙げてみます。
Wordのレジストリ設定が破損している
Wordはインストールされると、多くの環境設定をレジストリに書き込みます。ここに格納された情報が何らかの拍子で壊れたり、予期しない設定値に書き変わってしまったりすると、Word固有の機能が正常に動作しなくなることがあります。レジストリの破損は普段なかなか意識しない部分なので気づきにくいですが、Wordの挙動がおかしいときには最初に疑うべきポイントです。
ユーザープロファイル自体の障害
ユーザープロファイルは、Windowsがユーザーごとのデータや設定を管理するための仕組みです。稀にですが、何らかのアップデートやソフトインストールのタイミングでプロファイルが部分的に壊れることがあります。その結果、Wordの印刷関連情報だけが不整合を起こし、印刷できなくなることもあるようです。
OneDriveの同期やテンプレート紛失
近年はOfficeファイルをOneDrive経由でクラウドに自動保存することが増えましたが、保存タイミングやファイル構造の変更が原因でテンプレートファイルが消失したり、同期不良を起こしたりする場合もあります。これによりWordが一部の情報を読めなくなり、印刷動作に悪影響が出ることがあります。
プリンタードライバやシステムの不具合
もちろん、まったくプリンターが動かないのならドライバの破損やシステム側の故障を疑う必要があります。ただし他アプリで印刷できるなら、これが原因という可能性は低くなります。Wordでのみ印刷できない場合、原因はほとんどレジストリかユーザープロファイルに絞られます。
解決策1:Wordのレジストリをリセットする
Wordだけ印刷できない現象でよく実施されるのが、Word関連のレジストリキーをリセットしてしまう方法です。レジストリキーを削除すると、Wordを再起動したときに新しいキーが再生成されるため、破損が原因ならこれで直ることが多いとされています。
レジストリリセットの具体的手順
Wordを完全に終了させる
タスクマネージャを開いて、Wordに関連するプロセスが残っていないかを確認します。Wordが起動中の場合は、正常にレジストリを削除できないことがあります。
レジストリエディタを起動
Windowsキーを押して「regedit」と入力して実行するか、スタートメニューから「レジストリエディタ」を開きます。管理者権限の承認が求められる場合は許可します。
対象のレジストリキーをバックアップ
削除するレジストリキーを右クリックして「エクスポート」を選び、任意の場所に保存します。何か問題が起きた際に復元できるようにするための大切な作業です。
該当キーを削除する
削除の対象は、主にHKEY_CURRENT_USER配下のWord関連キーです。以下のようなキーが該当します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Word
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\Word
実際には「Office\16.0」の下にWordがない場合など、Officeのバージョンによってパスが多少異なります。お使いのバージョンに合わせてご確認ください。
Wordを再起動し、印刷を確認する
削除後、Wordを起動します。最初は起動に少し時間がかかるかもしれませんが、レジストリキーが新規に作成されるための動作です。その後、目的の文書ファイルを開いて印刷が正常にできるかを確かめてください。
操作時の注意
レジストリはWindowsの中枢ともいえる設定データが集まっています。誤って関係ないキーを削除すると、思わぬ不具合を引き起こす可能性があります。必ず対象キーのみを慎重に扱い、バックアップを取ったうえで作業するようにしてください。

私が初めてやったときはレジストリ削除にかなり緊張しました。でも、印刷ができなければどうにもならない状況だったので思い切って実施。すると驚くほどあっさり直って拍子抜けでした。
解決策2:新しいユーザープロファイルを作成する
レジストリの修正では解決しない場合、ユーザープロファイル自体に根の深い問題があるかもしれません。そのときには、まっさらなユーザーアカウントを作ってしまうのが手っ取り早い場合があります。
新規アカウント作成のメリット
手軽にWordの動作確認ができる
今使っているアカウントとは別に新たな管理者アカウントを作るだけで、Wordの印刷機能が生きているかをすぐに検証できます。レジストリの削除など大掛かりな作業をする前に試す人もいます。
壊れた設定を引きずらない
新しいユーザーアカウントでログインすれば、設定はすべて初期状態になります。Wordに限らず、OfficeやWindowsで不調が発生している場合は、思わぬ副次的なメリットがあるかもしれません。
新規アカウント作成のデメリット
設定やデータの移行がやや面倒
ユーザープロファイルを丸ごと乗り換えるには、デスクトップやドキュメント、各種アプリの設定などを移行する必要があります。カスタマイズが多い人にとっては少し手間です。
アカウント切り替えの管理が増える
Windowsの起動時や作業切り替え時に、どちらのアカウントで作業しているのかを意識しなければならなくなります。最終的に古いアカウントを削除するなら問題はありませんが、一時的に並行して使う場合は少し注意が必要です。
その他の考えられる原因と対処
上記の方法で解決するケースが多いですが、もしうまくいかなかったら、他の要因をもう一度見直してみてください。
プリンタードライバやOSアップデートの影響
普段Wordを使わない人が急に印刷しようとしたときに限ってエラーが出る場合、Windows Updateやプリンタードライバの更新がタイミングよく重なっていることがあります。新しいドライバがWordとの相性問題を起こしている可能性もなくはありません。
ドライバを旧バージョンに戻す
最近ドライバを更新したなら、以前のバージョンにロールバックして確認する手もあります。更新が問題の発端であれば、元に戻すだけで解消する場合があります。
Windows Updateを見直す
Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージなど、システム系のアップデートが入るとOfficeアプリにも影響を与えることがあります。更新履歴をチェックし、不審なアップデートがあればアンインストールも視野に入れてください。



私の場合、Windows Updateを手動で行った直後にWordだけ印刷不能になりました。試行錯誤の末、ドライバを以前のバージョンに戻して復旧しました。
OneDriveやクラウド同期によるテンプレート喪失
Wordのテンプレート(.dotmなど)がOneDriveなどのクラウドと同期中に削除や移動が起こると、Wordの各機能が正しく動作しなくなることがあります。普通のファイルは無事でも、テンプレートだけが原因で印刷が失敗するとは想像しにくいものです。ここを見落としがちなので注意してください。
クラウドフォルダの場所を再確認
OneDriveの設定で、テンプレートフォルダが実は全く別の階層にある場合があります。同期がうまく行っているか、競合ファイルが生じていないかをチェックすると安心です。
Wordのオプションでテンプレートパスを再設定
Wordの「オプション」から「詳細設定」や「保存」などの項目を開き、ユーザーテンプレートのパスがどこになっているか確かめるのも良いでしょう。ここが消失や誤ったフォルダになっていると印刷不具合が起きることがあります。
表で見る印刷トラブルの対策一覧
HTML表を使って、症状や状況に応じた対策を一覧にまとめてみました。
状況 | 考えられる原因 | 対策例 |
---|---|---|
Wordのみ印刷不可 他アプリは問題なし |
Wordのレジストリ破損 ユーザープロファイル障害 |
レジストリ削除で再生成 新規ユーザーアカウント作成 |
Wordと他のOfficeソフトも印刷不可 | Office全体の設定破損 プリントスプーラー不具合 |
Officeの修復ツールを実行 スプーラー再起動 |
プリンタから全く印刷できない | プリンタドライバ異常 物理的故障 |
ドライバの再インストール ハード故障の場合は修理や交換 |
Microsoft Print to PDFでもPDFが壊れる | Word関連の内部エラー テンプレートファイル消失 |
レジストリ再生成 テンプレートのパス確認 |
まとめと再確認
Wordだけ印刷できない現象は、他のOfficeソフトでは見られないだけに厄介です。上記の対策を整理すると以下のような流れで解決を試みるのが効率的といえます。
1. レジストリリセットを試す
Word起動時に再生成されるため、ユーザープロファイル内部のWord設定が壊れているなら短時間で問題解決できるはずです。
2. 新しいユーザープロファイルで動作確認
レジストリ修正で治らなかった場合は、新規アカウントでWordを起動して印刷が可能か試してみてください。問題なく印刷できるなら、元アカウントには深刻な不具合があると判断できます。
3. その他の要因の再チェック
プリンタードライバの再インストールやWindows Updateの見直し、テンプレートファイルの場所などを確認すると良いでしょう。特にクラウド経由のテンプレートが原因のこともあるので、見落とさないよう注意が必要です。



以前、週末の深夜に印刷ができなくなって大ピンチに陥りました。結局レジストリ削除であっけなく治りましたが、あのときは冷や汗をかきました。意外と簡単に解決できるので、落ち着いて作業してみてください。
終わりに
Wordでのみ印刷できないというトラブルは一見すると複雑そうですが、原因がWordのレジストリ破損やユーザープロファイルの不具合に集中しやすいため、対処法を知っていれば驚くほどスムーズに直すことができます。私は初めて遭遇した際、印刷機やネットワーク周りを疑って散々遠回りをしてしまいましたが、結局はレジストリキーを一度削除してWordを再起動しただけでした。もし同じような状況でお困りの方がいれば、まずは上記の手順をぜひお試しください。
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