Azure SQL Databaseでの常に暗号化(Always Encrypted)の設定と利用法

この記事では、Azure SQL Databaseでの「常に暗号化(Always Encrypted)」の設定と利用法について詳しく解説します。データの安全性が求められる現代において、この機能は非常に重要です。どのように設定し、どのように活用するのかを具体的な例とともにご紹介します。

目次

常に暗号化(Always Encrypted)とは?

常に暗号化(Always Encrypted)は、SQL Server 2016以降とAzure SQL Databaseで利用可能なセキュリティ機能の一つです。この機能を用いると、データベースに格納されるデータは、アプリケーション側で暗号化された状態で保存され、データベースエンジン自体がデータを復号化することはありません。

暗号化の種類

暗号化には大きく分けて2つの種類があります。

種類説明
決定的暗号化同じ値は常に同じ暗号文になります。検索クエリで使用可能。
確率的暗号化同じ値でも異なる暗号文になるため、より安全。ただし、検索クエリで使用することはできません。
暗号化の種類とその特徴

設定方法

前提条件

– Azureサブスクリプション
– Azure SQL Database
– 対応するSQL Server Management Studio(SSMS)またはAzure Data Studio

手順

  • Azureポータルにログイン
  • SQL Databaseのページへ移動
  • 「セキュリティ」オプションから「常に暗号化」を選択
  • 設定を有効にする
  • 必要に応じて、暗号化の種類とカラムを選択
  • 保存
-- 暗号化の設定を有効にするSQLクエリの例
ALTER TABLE Employee
ADD COLUMN SSN varbinary(128)
ENCRYPTED WITH (ENCRYPTION_TYPE = DETERMINISTIC,
                ENCRYPTION_ALGORITHM = 'AEAD_AES_256_CBC_HMAC_SHA_256',
                COLUMN_ENCRYPTION_KEY = MyCEK);

利用法

設定が完了したら、次にどのようにこの機能を活用するのかについて説明します。

クエリの例

常に暗号化が有効になっている場合、データベースにクエリを投げる際には特別な考慮は不要です。ただし、クエリ内で暗号化されたカラムを明示的に扱う場面では注意が必要です。

-- 暗号化されたカラムを使用するSQLクエリの例
SELECT * FROM Employee WHERE SSN = @EncryptedSSN;

まとめ

Azure SQL Databaseの常に暗号化(Always Encrypted)機能は、データの安全性を高める有用な機能です。設定も比較的簡単で、暗号化の種類に応じて適切なセキュリティ対策が可能です。是非この機能を活用して、より安全なデータ管理を行いましょう。

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