SQLにおいて、テーブル設計やデータベースのパフォーマンス向上に役立つキーがあります。その中でも特に重要なのが「PRIMARY KEY」と「CLUSTERING KEY」です。この二つのキーは、初見では非常に似ているように感じられるかもしれませんが、実際にはそれぞれ異なる目的と特性を持っています。この記事では、それらの違いを詳しく解説し、いつどちらのキーを使うべきかの選定基準についても考察します。
目次
PRIMARY KEYとは
PRIMARY KEYは、リレーショナルデータベースにおいて各テーブルごとに一つだけ設定できる特別なキーです。このキーは、各レコードを一意に識別するために使用されます。
特性 | 説明 |
---|---|
一意性 | PRIMARY KEYに設定されたカラムの値は一意でなければなりません。 |
NOT NULL | NULL値は許可されていません。 |
PRIMARY KEYの設定方法
SQLにおいてPRIMARY KEYを設定する基本的な文法は以下のとおりです。
CREATE TABLE テーブル名 (
カラム名1 データ型 PRIMARY KEY,
カラム名2 データ型,
...
);
CLUSTERING KEYとは
CLUSTERING KEYは、特に分散型データベースや一部のRDBMSで使用されるキーです。このキーの主な目的は、データの物理的な配置を制御することです。
特性 | 説明 |
---|---|
データ配置 | CLUSTERING KEYによってデータは物理的に並び替えられます。 |
範囲検索 | CLUSTERING KEYが適切に設定されていると、範囲検索が高速になります。 |
CLUSTERING KEYの設定方法
CLUSTERING KEYの設定方法は、使用するデータベース製品によって異なります。一例として、Cassandraでの設定方法は以下です。
CREATE TABLE テーブル名 (
カラム名1 データ型,
カラム名2 データ型,
PRIMARY KEY (カラム名1, カラム名2)
);
PRIMARY KEYとCLUSTERING KEYの違い
以下の表で、PRIMARY KEYとCLUSTERING KEYの主な違いをまとめます。
要素 | PRIMARY KEY | CLUSTERING KEY |
---|---|---|
目的 | データの一意性を保証 | データの物理的配置を制御 |
一意性 | 必須 | 任意 |
NULL許可 | 不可 | 製品依存 |
選定基準
PRIMARY KEYとCLUSTERING KEYのどちらを選ぶべきかは、以下の要因によって決まります。
- データの一意性が必要か
- 範囲検索のパフォーマンスが重要か
- 使用するデータベース製品とその特性
まとめ
PRIMARY KEYとCLUSTERING KEYは、それぞれ異なる目的と特性を持つ重要なキーです。PRIMARY KEYは一意性とNULL不許可が基本条件であり、CLUSTERING KEYはデータの物理的な配置と範囲検索のパフォーマンスに影響を与えます。設計段階で適切なキーを選定することが、データベースの効率的な運用に繋がります。
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