この記事では、SQLでよく用いられるHAVING句とウィンドウ関数を組み合わせて、パーティション化されたデータセットから特定の条件を満たすデータを抽出する方法について解説します。特に、集計した結果に対してさらにフィルタリングを行いたい場合や、特定のグループ内で順位などをつけた後で条件抽出をしたいというニーズに対応する手法を説明します。
目次
基本概念の整理
HAVING句とは
HAVING句はSQLのSELECT文で用いられる句の一つであり、GROUP BY句で行われた集計に対してさらに条件を指定するために使用されます。
ウィンドウ関数とは
ウィンドウ関数は、データセットに対して集計やソート、順位付けなどの処理を行う関数です。特に、OVER()句と合わせて用いることで、データセットをパーティションに分け、その各パーティションごとに計算を行います。
HAVING句とウィンドウ関数の基本的な使い方
HAVING句の基本的な使い方
基本的なSQLのHAVING句の使用例は以下の通りです。
SELECT department, AVG(salary)
FROM employees
GROUP BY department
HAVING AVG(salary) > 50000;
ウィンドウ関数の基本的な使い方
ウィンドウ関数の基本的な使用例は以下の通りです。
SELECT name, department, salary,
RANK() OVER (PARTITION BY department ORDER BY salary DESC) AS rank
FROM employees;
組み合わせて使う方法
基本構文
HAVING句とウィンドウ関数を組み合わせた基本的なSQL文の構文は以下のようになります。
SELECT <列名>,
<ウィンドウ関数> OVER (PARTITION BY <パーティション列> ORDER BY <ソート列>) AS <エイリアス>
FROM <テーブル名>
GROUP BY <グループ化する列>
HAVING <条件式>;
具体的な使用例
以下は、売上データテーブル(sales)から、商品カテゴリ(product_category)ごとに月の売上合計(monthly_sales)を算出し、その中で月の売上が10万以上のデータだけを抽出する例です。
SELECT product_category,
SUM(sales_amount) OVER (PARTITION BY product_category, EXTRACT(MONTH FROM sales_date)) AS monthly_sales
FROM sales
GROUP BY product_category, EXTRACT(MONTH FROM sales_date)
HAVING SUM(sales_amount) OVER (PARTITION BY product_category, EXTRACT(MONTH FROM sales_date)) >= 100000;
product_category | monthly_sales |
---|---|
食品 | 120000 |
家電 | 150000 |
まとめ
HAVING句とウィンドウ関数を組み合わせることで、より複雑なデータ抽出が可能になります。これによって、ビジネスで遭遇する多様なデータ分析ニーズに対応することができます。
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