SQLにおいて、NULL値は特別な扱いが必要なデータ型です。特にJOIN操作を行う際、NULL値は頭を悩ませる可能性があります。この記事では、NULLを扱う際のJOINの挙動について詳しく解説します。具体的なテーブル例を使いながら、INNER JOIN, LEFT JOIN, RIGHT JOIN, FULL OUTER JOINの各場合での挙動を探っていきます。
NULL値とは
NULL値は、データベースにおいて「不明」または「存在しない」値を表します。この特性から、NULL値は他の値とは異なる扱いがされることが多いです。
NULL値の基本的な性質
– NULLは任意の型に適用できる
– NULLは他のNULLとも等しくない
– NULLを含む計算結果はNULL
JOINの基本
JOIN操作は、2つ以上のテーブルから特定の条件に基づいてデータを結合するSQLの一部です。
主要なJOINの種類
- INNER JOIN
- LEFT JOIN(またはLEFT OUTER JOIN)
- RIGHT JOIN(またはRIGHT OUTER JOIN)
- FULL OUTER JOIN
NULLを扱う際のJOINの挙動
NULL値がJOINの条件に絡むと、その挙動は一般的な値とは異なります。具体的なテーブル例を用いて解説します。
INNER JOINの場合
INNER JOINでは、NULL値が条件にマッチしないため、結合されることはありません。
Table1 | Table2 |
---|---|
A, NULL | B, NULL |
C, 1 | D, 1 |
SELECT * FROM Table1 INNER JOIN Table2 ON Table1.col = Table2.col;
このクエリの結果は、’C, 1, D, 1′ のみになります。
LEFT JOINの場合
LEFT JOINでは、左のテーブルに存在する全てのレコードが表示されますが、NULLはマッチしないため右のテーブルのカラムはNULLになります。
Table1 | Table2 |
---|---|
A, NULL | B, NULL |
C, 1 | D, 1 |
SELECT * FROM Table1 LEFT JOIN Table2 ON Table1.col = Table2.col;
このクエリの結果は、’A, NULL, NULL, NULL’ と ‘C, 1, D, 1’ になります。
まとめ
NULLを扱う際のJOINの挙動は、一般的な値とは異なる振る舞いをします。特にINNER JOINではNULLが一切結合されず、LEFT JOINでは右のテーブルのカラムがNULLになるなど、注意が必要です。この知識を持っておくことで、より正確なデータ操作が可能になります。
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