SQLの時系列データにおける窓関数を利用した集計の実践ガイド

この記事では、SQLにおいて時系列データを集計する際の窓関数(Window Functions)の使用方法について詳しく解説します。窓関数は、データ分析でよく使用される高度なSQLの機能です。具体的な例と共に、窓関数を用いた集計の方法を理解し、実践レベルで使えるようになりましょう。

目次

窓関数とは何か?

窓関数は、各行に対してその行自身とその前後の行を含めた複数行に適用される関数です。通常の集約関数(SUM、AVG、MAX、MINなど)が全行またはグループの行に対して一度だけ計算されるのとは対照的に、窓関数は各行ごとに計算されます。

窓関数の種類

窓関数説明
ROW_NUMBER()各行に一意な番号を割り当てます。
RANK()各行に順位を割り当て、同値の場合は同じ順位となります。
DENSE_RANK()RANK()と同じですが、順位が飛ばされることはありません。
NTILE(n)n個の等間隔のバケットにデータを分割します。
SUM()数値列の合計を計算します。
AVG()数値列の平均を計算します。
MIN()最小値を返します。
MAX()最大値を返します。
窓関数の一覧

時系列データと窓関数

時系列データは時間に依存するデータであり、その特性上、過去のデータと比較しながら現在のデータを解析するケースが多いです。窓関数はこのような用途に非常に適しています。

時系列データでの窓関数の一例

SELECT
  time,
  value,
  SUM(value) OVER (ORDER BY time ROWS BETWEEN 2 PRECEDING AND CURRENT ROW) AS rolling_sum
FROM
  time_series_table;

上記のSQLクエリは、`time_series_table`から`time`と`value`を選択し、`rolling_sum`として過去2行(自分自身を含む)の`value`の合計を計算します。

具体的なデータ例とその解説

時間(time)値(value)rolling_sum(計算結果)
09:00100100
10:00200300
11:0050350
12:0030280
13:0040120
時系列データでの窓関数の計算例

実践的な使用ケース

時系列データの窓関数は、財務分析、株価分析、気温や降水量のトレンド分析など、多くの場面で利用されます。

財務分析での使用例

例えば、過去3ヶ月間の売上を集計して、当月と比較するようなケースです。この場合、窓関数を使って簡単に計算することができます。

SELECT
  month,
  revenue,
  AVG(revenue) OVER (ORDER BY month ROWS BETWEEN 2 PRECEDING AND CURRENT ROW) AS rolling_avg_revenue
FROM
  finance_table;

まとめ

窓関数は、SQLにおいて高度な集計や分析を行うための非常に強力な機能です。特に時系列データに対してはその真価を発揮します。この記事で紹介した例を参考に、窓関数を使いこなして、より高度なデータ分析を行いましょう。

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