この記事では、Excel VBAを使用して、バックアップの際の圧縮オプションの活用方法について詳しく解説します。具体的なコード例、その詳細な解説、そして応用例を含めて説明しますので、Excelの操作を効率化したい方や、データ管理の効果を高めたい方におすすめです。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

バックアップの際の圧縮オプションとは
Excelのバックアップは、重要なデータの紛失を防ぐための基本的な作業です。しかし、バックアップファイルが多くなると、ディスクの容量を圧迫しやすくなります。この問題を解決するために、VBAを使用して、バックアップ時にファイルを自動的に圧縮する方法があります。
基本的な圧縮バックアップのコード
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 |
Sub BackupWithCompression() Dim SourceFile As String Dim DestFile As String Dim FSO As Object ' バックアップ元のファイルパス SourceFile = ThisWorkbook.FullName ' バックアップ先のファイルパス(.zip形式) DestFile = "C:\backup\" & ThisWorkbook.Name & ".zip" ' FileSystemObjectの作成 Set FSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject") ' 圧縮とバックアップ FSO.CopyFile SourceFile, DestFile, True Set FSO = Nothing End Sub |
このコードは、現在開いているワークブックを指定した場所に.zip形式でバックアップするものです。「C:\backup\」の部分は、バックアップ先のフォルダを指定する部分なので、適宜変更してください。
コードの詳細解説
1. Dim
で変数を宣言しています。これにより、バックアップ元のファイルやバックアップ先のファイルのパスを格納することができます。
2. ThisWorkbook.FullName
とThisWorkbook.Name
は、現在開いているワークブックのフルパスと名前を取得するVBAのプロパティです。
3. CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
を使用して、ファイルやフォルダの操作をサポートするFileSystemObjectオブジェクトを作成します。
4. FSO.CopyFile
メソッドを使用して、ファイルをコピーおよび圧縮します。
応用例
応用1: 日付を付加してバックアップ
日付をファイル名に付加することで、バックアップの日付を識別できます。
1 2 3 |
DestFile = "C:\backup\" & ThisWorkbook.Name & Format(Date, "yyyymmdd") & ".zip" |
応用2: 特定のシートだけをバックアップ
特定のシートだけを新しいワークブックとして保存し、そのワークブックをバックアップする方法です。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 |
Sub BackupSpecificSheet() Dim Ws As Worksheet Dim NewWb As Workbook Dim FSO As Object Dim SourceFile As String Dim DestFile As String Set Ws = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1") Ws.Copy Set NewWb = ActiveWorkbook SourceFile = NewWb.FullName DestFile = "C:\backup\" & NewWb.Name & ".zip" ' FileSystemObjectの作成とバックアップ Set FSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject") FSO.CopyFile SourceFile, DestFile, True NewWb.Close SaveChanges:=False Set FSO = Nothing End Sub |
応用3: バックアップ後にメッセージボックスで通知
バックアップが完了した後に、メッセージボックスでユーザーに通知する方法です。
1 2 3 4 |
FSO.CopyFile SourceFile, DestFile, True MsgBox "バックアップが完了しました。", vbInformation |
まとめ
Excel VBAを使用して、バックアップの際の圧縮オプションを活用する方法は、ディスク容量の節約や管理の効率化に役立ちます。この記事で紹介した基本的な方法や応用例を参考に、日々の作業の効率化を図ってください。
VBAも良いけどパワークエリも良い
VBAの解説をしてきましたが、VBAは正直煩雑でメンテナンス性が悪いです。最近はモダンExcelと呼ばれるパワークエリやパワーピボットへのシフトが進んできています。本サイトでもパワークエリの特集をしており、サンプルデータを含む全11回の学習コンテンツでパワークエリを習得することができます。
クリックするとパワークエリの全11講座が表示されます。
-
【初心者向け】パワークエリ入門:ETLツールを使ってエクセルデータを簡単に整形・統合しよう!(1/11)
-
【実践ガイド】パワークエリでデータ収集:Excel、CSV、PDF、Webデータを簡単に取り込む方法をマスターしよう!(2/11)
-
【総力特集】パワークエリで列操作をマスター:選択、変更、移動、削除、結合、分割の詳細解説&実践テクニック!(3/11)
-
【徹底解説】パワークエリで行操作をマスター!フィルター・保持・削除テクニックと練習用エクセルで実践学習(4/11)
-
パワークエリでデータクレンジング: 文字列結合、0埋め、テキスト関数をマスター(5/11)
-
パワークエリで四捨五入、切り捨て、切り上げをマスターする方法(6/11)
-
パワークエリで効率的なデータグループ化を実現する方法(7/11)
-
パワークエリで時間と日付の計算をマスター!便利な関数を使って効率アップ(8/11)
-
パワークエリで条件別集計をマスターする方法(9/11)
-
Excelパワークエリでクロス集計表とデータベース形式を瞬時に変換する方法(10/11)
-
Excelパワークエリ入門: 効率的なデータ整理をマスターしよう!(11/11)
パワーピボットの記事はありません。興味がある場合は、書籍で学んでみてください
コメント