この記事では、Excel VBAを使用してExcelのデータベースクエリを一括で更新する方法について詳しく説明します。具体的なコード例、その詳細解説、および実践的な応用例を通じて、この技術の実践的な利用方法を学べます。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

Excel VBAを使ったデータベースクエリの一括更新とは
Excelでは、外部のデータベースからデータを取得する際に、データベースクエリを利用します。しかし、複数のクエリを持つ大規模なワークシートの場合、それらを一括で更新することは手間がかかります。VBAを利用すると、この作業を効率的に行うことができます。
基本的なコードの実装
1 2 3 4 5 6 |
Sub UpdateAllQueries() Dim qry As QueryTable For Each qry In ActiveSheet.QueryTables qry.Refresh Next qry End Sub |
コードの解説
このコードは、アクティブなワークシート上のすべてのクエリを一括で更新するためのものです。
1. QueryTable
オブジェクトの変数qry
を宣言します。
2. ActiveSheet.QueryTables
により、アクティブなワークシート上のすべてのクエリをループ処理で取得します。
3. qry.Refresh
で、各クエリを更新します。
応用例
応用1:特定のワークシートのクエリのみを更新
1 2 3 4 5 6 7 8 |
Sub UpdateQueriesInSheet(wsName As String) Dim ws As Worksheet Dim qry As QueryTable Set ws = ThisWorkbook.Worksheets(wsName) For Each qry In ws.QueryTables qry.Refresh Next qry End Sub |
解説
上記のコードは、指定されたワークシート内のすべてのクエリを更新します。関数の引数としてワークシート名を受け取り、そのワークシートのクエリのみを更新します。
応用2:更新時にエラーが発生した場合の例外処理
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 |
Sub UpdateAllQueriesWithErrorHandling() Dim qry As QueryTable On Error Resume Next For Each qry In ActiveSheet.QueryTables qry.Refresh If Err.Number <> 0 Then MsgBox "エラーが発生しました: " & Err.Description, vbExclamation Err.Clear End If Next qry End Sub |
解説
このコードは、クエリを更新する際にエラーが発生した場合、エラーメッセージを表示します。
応用3:最後の更新日時をログとして保存
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 |
Sub UpdateQueriesWithLogging() Dim qry As QueryTable Dim LastRow As Long For Each qry In ActiveSheet.QueryTables qry.Refresh With Sheets("Log") LastRow = .Cells(.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row + 1 .Cells(LastRow, 1).Value = Now .Cells(LastRow, 2).Value = qry.Name & "を更新しました" End With Next qry End Sub |
解説
このコードは、クエリを更新するたびに、”Log”という名前のワークシートにその日時と更新内容を記録します。
まとめ
Excel VBAを利用することで、Excelのデータベースクエリの一括更新が効率的に行えることを学びました。基本的な方法から実践的な応用例まで、この技術を駆使して、日常の業務をよりスムーズに進めることができるようになります。
VBAも良いけどパワークエリも良い
VBAの解説をしてきましたが、VBAは正直煩雑でメンテナンス性が悪いです。最近はモダンExcelと呼ばれるパワークエリやパワーピボットへのシフトが進んできています。本サイトでもパワークエリの特集をしており、サンプルデータを含む全11回の学習コンテンツでパワークエリを習得することができます。
クリックするとパワークエリの全11講座が表示されます。
-
【初心者向け】パワークエリ入門:ETLツールを使ってエクセルデータを簡単に整形・統合しよう!(1/11)
-
【実践ガイド】パワークエリでデータ収集:Excel、CSV、PDF、Webデータを簡単に取り込む方法をマスターしよう!(2/11)
-
【総力特集】パワークエリで列操作をマスター:選択、変更、移動、削除、結合、分割の詳細解説&実践テクニック!(3/11)
-
【徹底解説】パワークエリで行操作をマスター!フィルター・保持・削除テクニックと練習用エクセルで実践学習(4/11)
-
パワークエリでデータクレンジング: 文字列結合、0埋め、テキスト関数をマスター(5/11)
-
パワークエリで四捨五入、切り捨て、切り上げをマスターする方法(6/11)
-
パワークエリで効率的なデータグループ化を実現する方法(7/11)
-
パワークエリで時間と日付の計算をマスター!便利な関数を使って効率アップ(8/11)
-
パワークエリで条件別集計をマスターする方法(9/11)
-
Excelパワークエリでクロス集計表とデータベース形式を瞬時に変換する方法(10/11)
-
Excelパワークエリ入門: 効率的なデータ整理をマスターしよう!(11/11)
パワーピボットの記事はありません。興味がある場合は、書籍で学んでみてください
コメント