この記事では、Excel VBAを使用してデータベースとExcelのデータの差分を確認する方法について詳しく説明します。初心者から中級者向けに、具体的なコード例とその詳細な解説、さらには応用例を通して、データベースとExcelの間でのデータ整合性を保つための技術を紹介します。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

データベースとExcelのデータ差分の確認の基本
データベースとExcelを連携させる場面は多く、データの一貫性や整合性を保つために、その二つの間でのデータ差分を確認する技術は非常に価値があります。VBAを利用することで、自動化した差分チェックが可能となり、ヒューマンエラーを大幅に減少させることができます。
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Sub CheckDataDifference() Dim Conn As Object Dim rs As Object Dim strSQL As String Dim i As Integer ' Connectionの設定 Set Conn = CreateObject("ADODB.Connection") Conn.Open "YourConnectionStringHere" ' データベースの接続文字列を指定 ' SQLでデータを取得 strSQL = "SELECT * FROM YourDatabaseTable" Set rs = Conn.Execute(strSQL) i = 2 ' Excelの行数。ヘッダを考慮し2行目から開始 Do Until rs.EOF If rs.Fields("ColumnName").Value <> ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 1).Value Then ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 2).Value = "差分あり" End If i = i + 1 rs.MoveNext Loop ' オブジェクトの解放 rs.Close Set rs = Nothing Conn.Close Set Conn = Nothing End Sub |
このコードは、指定されたデータベースのテーブルとExcelのシート1のデータの差分をチェックし、差分があれば”差分あり”という文字をB列に記入します。具体的にはADODB.Connectionを用いてデータベースに接続し、SQL文を使用してデータを取得します。その後、Excelのデータとデータベースのデータを比較して差分を確認します。
重要なポイント
– データベースの接続文字列は適切に設定してください。これはデータベースのタイプや設定に依存します。
– “YourDatabaseTable”と”ColumnName”は、実際のデータベースのテーブル名やカラム名に置き換えて使用してください。
– このコードは、シンプルな例ですので、実際の使用には適切なエラー処理や例外処理を追加することをおすすめします。
応用例
応用1: 複数のカラムでの差分チェック
単一のカラムだけでなく、複数のカラムで差分を確認する場合の例です。
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' 以下の部分を先ほどのコードに追加します。 If rs.Fields("ColumnName1").Value <> ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 1).Value Or _ rs.Fields("ColumnName2").Value <> ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 2).Value Then ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 3).Value = "差分あり" End If |
応用2: 差分の詳細を表示
どの部分に差分があるのか、具体的な内容を表示する例です。
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' 以下の部分を先ほどのコードに追加します。 If rs.Fields("ColumnName").Value <> ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 1).Value Then ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 2).Value = "差分内容: " & _ rs.Fields("ColumnName").Value & " <> " & ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 1).Value End If |
応用3: 差分のデータを別のシートにコピー
差分のデータを元のシートではなく、新しいシートにコピーする例です。
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' 以下の部分を先ほどのコードに追加します。 Dim j As Integer j = 2 If rs.Fields("ColumnName").Value <> ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 1).Value Then ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Rows(i).Copy Destination:=ThisWorkbook.Sheets("Sheet2").Rows(j) j = j + 1 End If |
まとめ
Excel VBAを活用することで、データベースとExcelの間のデータの差分確認を効率的かつ正確に行うことができます。この技術をマスターすることで、データの一貫性を保ちつつ、業務の効率化やエラーのリスク削減に繋げることが可能です。今回紹介した基本的
な手法や応用例を参考に、自身の業務に適用してみてください。
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