Excel VBAを利用した特定のイベントトリガーでのバックアップ実行方法

この記事では、Excel VBAを用いた特定のイベントトリガーでのバックアップ実行処理について詳しく説明します。具体的なコード例、その詳細な解説、および実際の応用例を3つ取り上げています。

基本コードの解説

Excel VBAには、特定のイベントが発生した際にコードを自動的に実行する機能があります。この記事のテーマである「特定のイベントトリガーでのバックアップ実行」は、ワークシートの変更やセーブの際などに自動でバックアップを取るためのものです。

Private Sub Workbook_BeforeSave(ByVal SaveAsUI As Boolean, Cancel As Boolean)
    Dim backupPath As String
    backupPath = ThisWorkbook.Path & "\Backup_" & Format(Now, "yyyymmdd_hhmmss") & ".xlsm"
    ThisWorkbook.SaveCopyAs backupPath
End Sub

基本コードの詳細

上記のコードは、ワークブックが保存される前に自動的に実行される`Workbook_BeforeSave`イベントを利用しています。このイベント内で、`SaveCopyAs`メソッドを使用して現在のワークブックのコピーを別の場所にバックアップとして保存します。

`backupPath`は、バックアップファイルの保存先を指定する変数です。`ThisWorkbook.Path`は、現在のワークブックの保存場所を取得し、日時を利用してユニークなファイル名を生成しています。

応用例

応用例1: バックアップの保存先を変更する

Private Sub Workbook_BeforeSave(ByVal SaveAsUI As Boolean, Cancel As Boolean)
    Dim backupPath As String
    backupPath = "C:\Backup\" & Format(Now, "yyyymmdd_hhmmss") & ".xlsm"
    ThisWorkbook.SaveCopyAs backupPath
End Sub

この応用例では、バックアップの保存先を”C:\Backup”に指定しています。必要に応じて、このパスを変更することで、任意の場所にバックアップを保存することができます。

応用例2: バックアップを月1回だけ実行する

Private Sub Workbook_BeforeSave(ByVal SaveAsUI As Boolean, Cancel As Boolean)
    If Day(Now) = 1 Then
        Dim backupPath As String
        backupPath = ThisWorkbook.Path & "\MonthlyBackup_" & Format(Now, "yyyymmdd") & ".xlsm"
        ThisWorkbook.SaveCopyAs backupPath
    End If
End Sub

このコードは、毎月1日のみバックアップを取るものです。`Day(Now) = 1`の条件式で、現在の日付が1日かどうかを確認しています。

応用例3: ユーザーにバックアップを取るかの確認をする

Private Sub Workbook_BeforeSave(ByVal SaveAsUI As Boolean, Cancel As Boolean)
    Dim msgResponse As VbMsgBoxResult
    msgResponse = MsgBox("バックアップを取りますか？", vbYesNo + vbQuestion)

    If msgResponse = vbYes Then
        Dim backupPath As String
        backupPath = ThisWorkbook.Path & "\UserConfirmedBackup_" & Format(Now, "yyyymmdd_hhmmss") & ".xlsm"
        ThisWorkbook.SaveCopyAs backupPath
    End If
End Sub

この例では、`MsgBox`関数を用いて、ユーザーにバックアップの実行確認を促します。ユーザーが「はい」を選択した場合のみ、バックアップが実行されます。

まとめ

Excel VBAを使用することで、特定のイベント発生時に自動的にバックアップを取ることができます。基本のコードやその応用例を活用して、データの安全性を高めることができます。これを機に、VBAのさまざまなイベントトリガーを利用した高度な自動化を試みてみてはいかがでしょうか。