Excel VBAを使用した月次売上報告書の自動生成方法

Excel VBAを活用することで、月次売上報告書の自動生成を実現する方法を解説します。手作業でのデータ入力や計算を避けるために、VBAのプログラムを利用することで、時間の節約や誤りの減少を図ることができます。この記事では、基本的な自動生成の手法から、さらなる応用例を3つ紹介します。

目次

Excel VBAの基本

Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。

そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

月次売上報告書の自動生成の基本

ExcelのVBAを使用することで、データの集計やグラフの生成など、月次売上報告書の作成を自動化することができます。


Sub GenerateMonthlySalesReport()
    Dim LastRow As Long
    ' データの最後の行を取得
    LastRow = ThisWorkbook.Sheets("Data").Cells(ThisWorkbook.Sheets("Data").Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
    
    ' 売上の合計を計算
    ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("B2").Formula = "=SUM(Data!B2:B" & LastRow & ")"
    
    ' グラフの生成
    Dim Chart As ChartObject
    Set Chart = ThisWorkbook.Sheets("Report").ChartObjects.Add(Left:=100, Width:=375, Top:=50, Height:=225)
    Chart.Chart.SetSourceData Source:=ThisWorkbook.Sheets("Data").Range("A1:B" & LastRow)
    Chart.Chart.HasTitle = True
    Chart.Chart.ChartTitle.Text = "Monthly Sales"
End Sub

上記のコードは、`Data`シートに日付と売上データが入力されているものとして、その合計を`Report`シートのB2セルに表示し、そのデータを元にグラフを自動生成します。

基本の解説

– `LastRow`は、`Data`シートのデータの最後の行を取得するための変数です。
– `SUM`関数を使用して、売上の合計を計算しています。
– グラフの生成部分では、`ChartObjects.Add`メソッドを使用して、指定した位置とサイズでグラフを作成しています。

応用例1: 年間累計売上の表示

年間の累計売上を`Report`シートに表示する方法を紹介します。


Sub AnnualTotalSales()
    Dim TotalSales As Double
    ' 年間累計売上の計算
    TotalSales = Application.WorksheetFunction.Sum(ThisWorkbook.Sheets("Data").Range("B:B"))
    ' ReportシートのB3セルに表示
    ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("B3").Value = TotalSales
End Sub

応用例1の解説

`Application.WorksheetFunction.Sum`を使用して、`Data`シートのB列の売上データを全て合計して、その結果を`Report`シートのB3セルに表示します。

応用例2: 最高売上日の表示

最高売上を記録した日付とその売上額を`Report`シートに表示する方法を紹介します。


Sub HighestSalesDay()
    Dim MaxSales As Double
    Dim MaxDate As Date
    ' 最高売上の計算
    MaxSales = Application.WorksheetFunction.Max(ThisWorkbook.Sheets("Data").Range("B:B"))
    ' 最高売上日の計算
    MaxDate = ThisWorkbook.Sheets("Data").Cells(Application.WorksheetFunction.Match(MaxSales, ThisWorkbook.Sheets("Data").Range("B:B"), 0), 1).Value
    ' Reportシートに表示
    ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("B4").Value = MaxDate
    ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("C4").Value = MaxSales
End Sub

応用例2の解説

`Max`関数で最高売上を取得し、`Match`関数でその売上が何行目にあるかを取得します。その行のA列のデータを取得して最高売上日としています。

応用例3: 平均売上の計算と表示

月平均の売上を`Report`シートに表示する方法を紹介します。


Sub AverageMonthlySales()
    Dim AvgSales As Double
    ' 平均売上の計算
    AvgSales = Application.WorksheetFunction.Average(ThisWorkbook.Sheets("Data").Range("B:B"))
    ' ReportシートのB5セルに表示
    ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("B5").Value = AvgSales
End Sub

応用例3の解説

`Average`関数を使用して、`Data`シートのB列の売上データの平均を計算し、その結果を`Report`シートのB5セルに表示します。

まとめ

Excel VBAを利用することで、月次売上報告書の自動生成が簡単に実現できます。基本的な合計やグラフの生成から、年間累計、最高売上日、平均売上などの応用例を活用することで、より詳細な報告書の作成が可能となります。これらのテクニックを組み合わせることで、報告書作成の手間を大幅に削減し、効率的な業

務遂行を実現することができます。

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