この記事では、Excel VBAを用いて30日以上古いメールを「アーカイブ」フォルダに自動移動する処理方法について詳しくご紹介します。初心者向けに基本的なコードから、さらなる応用例までを解説していきます。この記事を通じて、日々増え続けるメールの整理をVBAの力を借りて行うことができるようになります。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。
基本コードの紹介
Sub ArchiveOldEmails()
Dim OutlookApp As Object
Dim Inbox As Object
Dim ArchiveFolder As Object
Dim Email As Object
Dim i As Integer
Set OutlookApp = CreateObject("Outlook.Application")
Set Inbox = OutlookApp.GetNamespace("MAPI").GetDefaultFolder(6)
Set ArchiveFolder = Inbox.Folders("アーカイブ")
For i = Inbox.Items.Count To 1 Step -1
Set Email = Inbox.Items(i)
If Email.ReceivedTime <= Date - 30 Then
Email.Move ArchiveFolder
End If
Next i
End Sub
コードの詳細解説
1. `Outlook.Application`オブジェクトを作成して、Outlookの操作を可能にします。
2. メインの受信箱(Inbox)とアーカイブフォルダ(ArchiveFolder)を取得します。
3. `For`ループを使って、受信箱の各メールを調査します。
4. メールの受信日が現在の日付から30日以上前であれば、メールをアーカイブフォルダに移動します。
応用例
1.特定の差出人のメールだけをアーカイブ
メールの整理を行う際、特定の差出人からのメールだけをアーカイブに移動したいケースも考えられます。以下はそのためのコード例です。
Sub ArchiveEmailsFromSender()
Dim OutlookApp As Object
Dim Inbox As Object
Dim ArchiveFolder As Object
Dim Email As Object
Dim i As Integer
Dim TargetSender As String
TargetSender = "sender@example.com"
Set OutlookApp = CreateObject("Outlook.Application")
Set Inbox = OutlookApp.GetNamespace("MAPI").GetDefaultFolder(6)
Set ArchiveFolder = Inbox.Folders("アーカイブ")
For i = Inbox.Items.Count To 1 Step -1
Set Email = Inbox.Items(i)
If Email.ReceivedTime <= Date - 30 And Email.SenderEmailAddress = TargetSender Then
Email.Move ArchiveFolder
End If
Next i
End Sub
2.特定のキーワードを含むメールをアーカイブ
特定のキーワードが含まれるメールだけをアーカイブに移動したい場合のコード例です。
Sub ArchiveEmailsByKeyword()
Dim OutlookApp As Object
Dim Inbox As Object
Dim ArchiveFolder As Object
Dim Email As Object
Dim i As Integer
Dim TargetKeyword As String
TargetKeyword = "プロジェクトX"
Set OutlookApp = CreateObject("Outlook.Application")
Set Inbox = OutlookApp.GetNamespace("MAPI").GetDefaultFolder(6)
Set ArchiveFolder = Inbox.Folders("アーカイブ")
For i = Inbox.Items.Count To 1 Step -1
Set Email = Inbox.Items(i)
If Email.ReceivedTime <= Date - 30 And InStr(1, Email.Body, TargetKeyword, 1) > 0 Then
Email.Move ArchiveFolder
End If
Next i
End Sub
3.アーカイブするフォルダを動的に選択
以下のコードでは、アーカイブする先のフォルダを動的に選択することができます。
Sub ArchiveToDynamicFolder()
Dim OutlookApp As Object
Dim Inbox As Object
Dim ArchiveFolder As Object
Dim Email As Object
Dim i As Integer
Dim FolderPath As String
FolderPath = InputBox("アーカイブするフォルダのパスを入力してください(例:受信箱\アーカイブ)")
Set OutlookApp = CreateObject("Outlook.Application")
Set Inbox = OutlookApp.GetNamespace("MAPI").GetDefaultFolder(6)
Set ArchiveFolder = OutlookApp.GetNamespace("MAPI").GetFolderFromID(FolderPath)
For i = Inbox.Items.Count To 1 Step -1
Set Email = Inbox.Items(i)
If Email.ReceivedTime <= Date - 30 Then
Email.Move ArchiveFolder
End If
Next i
End Sub
まとめ
Excel VBAを使用することで、Outlookのメール整理作業を自動化することができます。基本的なコードから、より具体的な応用例までを試してみて、日々の業務を効率化しましょう。
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