Excel VBAを用いた製品別返品率の自動集計方法

この記事では、Excel VBAを使用して製品別の返品率を自動で集計する方法を詳しく解説します。初心者から中級者向けの内容として、具体的なVBAコード例やその詳細な解説、さらに応用例を3つ提供します。これにより、日常の業務をより効率的に進める手助けとなることを目指します。

目次

Excel VBAの基本

Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。

そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

VBAコードで製品別返品率を集計する基本的な方法

以下のVBAコードは、Excelのデータから製品別の返品率を自動で計算し、結果を新しいシートに表示するものです。


Sub CalculateReturnRate()
    Dim LastRow As Long
    Dim i As Long
    Dim TotalSold As Double, TotalReturned As Double, ReturnRate As Double
    'データが入っている最終行を取得
    LastRow = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
    '新しいシートを追加
    Sheets.Add(After:=Sheets(Sheets.Count)).Name = "ReturnRate"
    '見出しを入力
    Sheets("ReturnRate").Cells(1, 1).Value = "製品名"
    Sheets("ReturnRate").Cells(1, 2).Value = "返品率"
    '製品別返品率の計算
    For i = 2 To LastRow
        TotalSold = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 2).Value '販売数
        TotalReturned = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 3).Value '返品数
        '0での除算を避ける
        If TotalSold <> 0 Then
            ReturnRate = TotalReturned / TotalSold
            Sheets("ReturnRate").Cells(i, 2).Value = ReturnRate
        Else
            Sheets("ReturnRate").Cells(i, 2).Value = "N/A"
        End If
        Sheets("ReturnRate").Cells(i, 1).Value = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 1).Value '製品名をコピー
    Next i
End Sub

このコードでは、Sheet1にある製品データを元に返品率を計算し、新しいシート「ReturnRate」に結果を出力します。

応用例1: 色分けを用いた返品率の視覚化

一般的に、返品率が高い商品は業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があるため、返品率が一定の閾値を超えた場合、それを視覚的に警告する色分けを追加します。


'返品率のセルを色分けする部分を追加
For i = 2 To LastRow
    If Sheets("ReturnRate").Cells(i, 2).Value > 0.1 Then '返品率が10%を超えた場合
        Sheets("ReturnRate").Cells(i, 2).Interior.Color = RGB(255, 0, 0) '赤色で塗る
    End If
Next i

応用例2: 返品理由の頻度集計

返品される理由を知ることで、製品の改善点を探る手助けとなります。次のコードは、返品理由の頻度を集計するものです。


'返品理由の頻度を集計する関数
Function CountReturnReasons(reason As String) As Long
    Dim Count As Long, i As Long
    For i = 2 To LastRow
        If ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(i, 4).Value = reason Then
            Count = Count + 1
        End If
    Next i
    CountReturnReasons = Count
End Function

応用例3: データのグラフ化

返品率のデータをグラフにすることで、状況を一目で把握することができます。以下のコードは、集計された返品率をグラフとして表示します。


'返品率のデータをグラフにする
Sheets("ReturnRate").Range("A1:B" & LastRow).Select
ActiveSheet.Shapes.AddChart2(251, xlColumnClustered).Select
ActiveChart.SetSourceData Source:=Range("ReturnRate!$A$1:$B$" & LastRow)

まとめ

Excel VBAを利用すると、製品別の返品率の集計やその他の関連データの分析が効率的に行えます。上述の基本的なコードや応用例を参考に、自身の業務に適したカスタマイズを行ってみてください。

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