Excel VBAを使用してプロジェクト進捗レポートを自動生成する方法

この記事では、Excel VBAを使用してプロジェクトの進捗レポートを自動生成する方法について詳しく説明します。初心者でも理解しやすいように具体的なコード例とその解説、応用例を含めています。

目次

Excel VBAの基本

Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。

そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

プロジェクト進捗レポートの自動生成の基本

Excel VBAを使用して、定期的なプロジェクトの進捗レポートを効率的に生成することができます。以下はその基本的な方法です。


Sub GenerateProgressReport()
    Dim LastRow As Long
    
    '進捗情報の最終行を取得
    LastRow = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Rows.Count, "A").End(xlUp).Row

    '進捗レポートのヘッダー情報
    ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("A1").Value = "プロジェクト進捗レポート"
    ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("A2").Value = "更新日: " & Date

    'データのコピー
    ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Range("A1:C" & LastRow).Copy ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("A4")

    '書式設定
    With ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("A4:C4")
        .Font.Bold = True
        .Interior.Color = RGB(192, 192, 192)
    End With
End Sub

このコードは、”Sheet1″に進捗情報が入力されているものと仮定して、そのデータを”Report”シートに進捗レポートとしてコピーします。ヘッダー情報にはレポートのタイトルと更新日が自動で入力されるようになっています。

基本コードの詳細解説

1. 最初に、シート”Sheet1″のA列の最終行を取得しています。これにより、動的にデータの範囲を指定できるようになります。
2. “Report”シートのA1セルにレポートのタイトルを、A2セルには更新日を入力しています。
3. “Sheet1″から進捗情報を”Report”シートにコピーしています。
4. “Report”シートのヘッダーライン(A4:C4)の書式を変更しています。具体的には、太字と背景色を設定しています。

応用例

1. 進捗率の自動計算

プロジェクトの進捗率を自動計算してレポートに反映させる方法です。


Sub CalculateProgressRate()
    Dim LastRow As Long

    '進捗情報の最終行を取得
    LastRow = ThisWorkbook.Sheets("Report").Cells(ThisWorkbook.Sheets("Report").Rows.Count, "A").End(xlUp).Row

    For i = 5 To LastRow
        '進捗率の計算(B列=完了タスク、C列=全タスク)
        ThisWorkbook.Sheets("Report").Cells(i, "D").Value = ThisWorkbook.Sheets("Report").Cells(i, "B").Value / ThisWorkbook.Sheets("Report").Cells(i, "C").Value
    Next i
End Sub

このコードは、”Report”シートにて、進捗率をD列に計算して入力します。B列に完了タスク数、C列に全タスク数が入力されている場合に有効です。

2. グラフの自動挿入

進捗情報から自動的にグラフを挿入する方法です。


Sub InsertGraph()
    Dim LastRow As Long
    Dim ChartRange As Range

    '進捗情報の最終行を取得
    LastRow = ThisWorkbook.Sheets("Report").Cells(ThisWorkbook.Sheets("Report").Rows.Count, "A").End(xlUp).Row

    'グラフ用のデータ範囲を設定
    Set ChartRange = ThisWorkbook.Sheets("Report").Range("A4:D" & LastRow)

    'グラフの挿入
    ThisWorkbook.Sheets("Report").Shapes.AddChart2(251, xlColumnClustered).Chart.SetSourceData Source:=ChartRange
End Sub

3. レポートの自動メール送信

生成したレポートを自動でメール送信する方法です。


Sub SendReportByEmail()
    Dim OutApp As Object
    Dim OutMail As Object

    Set OutApp = CreateObject("Outlook.Application")
    Set OutMail = OutApp.CreateItem(0)

    With OutMail
        .To = "example@example.com"
        .CC = ""
        .BCC = ""
        .Subject = "プロジェクト進捗レポート:" & Date
        .Body = "以下は今月のプロジェクト進捗レポートです。"
        .Attachments.Add ThisWorkbook.FullName
        .Send
    End With

    Set OutMail = Nothing
    Set OutApp = Nothing
End Sub

このコードは、Microsoft Outlookがインストールされている環境でのみ動作します。生成したレポートをメール

の添付ファイルとして指定したアドレスに自動送信します。

まとめ

Excel VBAを活用することで、プロジェクトの進捗レポートを効率的に自動生成することが可能です。基本のコードから応用例まで、さまざまなシーンに応じた自動化が行えるため、日常の業務効率化に大いに役立ちます。

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