Excel VBAを利用してRスクリプトを実行する方法

この記事では、Excel VBAを使用してRスクリプトを直接実行する方法について詳細に解説します。具体的なコードとその解説、さらに応用例を3つを含めています。この手法により、Excelのデータ解析機能をさらに強化し、Rの豊富な解析パッケージを活用できるようになります。

目次

Excel VBAの基本

Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。

そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

Excel VBAからRスクリプトを実行する基本手順

Excel VBAを使用してRスクリプトを実行する際の基本的な手順は以下のとおりです。

1. RとRScriptのパスを正しく設定する
2. VBAからShellコマンドを使用してRScriptを呼び出す
3. 必要に応じてRスクリプトの結果をExcelに取り込む


Sub RunRScript()
    Dim rScriptPath As String
    Dim rPath As String
    Dim scriptName As String

    ' RScriptのパス
    rScriptPath = "C:\Program Files\R\R-4.1.0\bin\RScript.exe"

    ' 実行したいRスクリプトの名前
    scriptName = "C:\path_to_your_script\your_script.R"

    ' Shellコマンドを使用してRスクリプトを実行
    Shell rScriptPath & " " & scriptName, vbNormalFocus
End Sub

RスクリプトとExcel VBAの結果の結合

Rスクリプトの実行結果をCSVやExcel形式で出力し、それをVBAで読み込むことで、RとExcelのデータを結合することができます。

Rスクリプトの出力部分

以下のRコードは、データフレームをCSVファイルとして出力する例です。


# R code
df <- data.frame(Name = c("A", "B"), Value = c(10, 20))
write.csv(df, "output.csv", row.names = FALSE)

Excel VBAでのCSV読み込み部分

VBAを使用して、上記のRスクリプトによって生成されたCSVファイルを読み込む方法です。


Sub ImportCSV()
    Dim lastRow As Long
    With ThisWorkbook.Sheets("Sheet1")
        .QueryTables.Add(Connection:="TEXT;C:\path_to_output\output.csv", Destination:=.Range("A1"))
        .QueryTables(1).TextFileParseType = xlDelimited
        .QueryTables(1).TextFileConsecutiveDelimiter = False
        .QueryTables(1).TextFileTabDelimiter = True
        .QueryTables(1).Refresh
    End With
End Sub

応用例

1. パラメータ渡しでRスクリプトを実行

Excelのセルの値をRスクリプトにパラメータとして渡し、その結果を利用する方法です。


Sub RunRScriptWithParameter()
    Dim rScriptPath As String
    Dim scriptName As String
    Dim parameter As String

    rScriptPath = "C:\Program Files\R\R-4.1.0\bin\RScript.exe"
    scriptName = "C:\path_to_your_script\your_script.R"
    parameter = Sheets("Sheet1").Range("A1").Value

    Shell rScriptPath & " " & scriptName & " " & parameter, vbNormalFocus
End Sub

2. Rでのグラフ生成とExcelへの表示

Rスクリプトでグラフを生成し、その画像をExcelシートに埋め込む方法です。

3. 複数のRスクリプトの連続実行

複数のRスクリプトを順番に実行し、その結果を組み合わせてExcelで利用する方法です。

まとめ

Excel VBAを使用してRスクリプトを実行する方法を学びました。これにより、Excelの便利な機能とRの強力なデータ解析機能を組み合わせることができます。日々の業務や研究に役立ててください。

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