Excel VBAでワークブックの全シートを連続したPDFとして保存する方法

Excel VBAは業務効率化のための強力なツールであり、多くの企業や個人が日々の作業を効率化するために活用しています。今回は、Excel VBAを使用してワークブック内のすべてのシートを一つの連続したPDFファイルとして保存する方法について詳しく解説します。

VBAを用いたPDF保存の基本

Excelには「ファイル」タブから「PDFとして保存」というオプションがありますが、これは現在のシートのみを保存する機能です。しかし、VBAを利用すれば、ワークブック内の全てのシートを連続したPDFとして保存することが可能となります。

Sub SaveAllSheetsAsPDF()
    Dim ws As Worksheet
    Dim tempWB As Workbook
    Dim pdfName As String

    pdfName = ThisWorkbook.Path & "\\" & Replace(ThisWorkbook.Name, ".xlsm", ".pdf")

    ThisWorkbook.Copy
    Set tempWB = ActiveWorkbook

    For Each ws In tempWB.Sheets
        ws.ExportAsFixedFormat Type:=xlTypePDF, Filename:= _
        pdfName, Quality:=xlQualityStandard, _
        IncludeDocProperties:=True, IgnorePrintAreas:=False, OpenAfterPublish:= _
        False
    Next ws

    tempWB.Close SaveChanges:=False
End Sub

コードの詳細解説

このコードでは、まず現在のワークブックにあるすべてのシートを一時的なワークブック(tempWB)にコピーします。その後、各シートをPDFファイルとして出力し、一時的なワークブックを閉じます。このとき、保存のプロンプトが表示されないように`SaveChanges:=False`を指定しています。

応用例

1. 特定のシートのみをPDFに保存

Sub SaveSelectedSheetsAsPDF()
    Dim ws As Worksheet
    Dim pdfName As String

    pdfName = ThisWorkbook.Path & "\\" & Replace(ThisWorkbook.Name, ".xlsm", ".pdf")

    ThisWorkbook.Sheets(Array("Sheet1", "Sheet3")).Select

    ActiveSheet.ExportAsFixedFormat Type:=xlTypePDF, Filename:= _
    pdfName, Quality:=xlQualityStandard, _
    IncludeDocProperties:=True, IgnorePrintAreas:=False, OpenAfterPublish:= _
    False
End Sub

このコードでは、”Sheet1″と”Sheet3″のみをPDFに保存します。

2. パスワードを設定したPDFを作成

VBAを使用して、生成されるPDFにパスワードを設定することはできません。しかし、外部のソフトウェアやサービスを利用することで、パスワード付きのPDFを作成することができます。

3. 特定の範囲だけをPDFに保存

Sub SaveRangeAsPDF()
    Dim rng As Range
    Dim pdfName As String

    Set rng = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Range("A1:F20")
    pdfName = ThisWorkbook.Path & "\\" & Replace(ThisWorkbook.Name, ".xlsm", ".pdf")

    rng.ExportAsFixedFormat Type:=xlTypePDF, Filename:= _
    pdfName, Quality:=xlQualityStandard, _
    IncludeDocProperties:=True, IgnorePrintAreas:=False, OpenAfterPublish:= _
    False
End Sub

このコードでは、”Sheet1″のA1からF20の範囲のみをPDFとして保存します。

まとめ

Excel VBAを利用することで、ワークブック内のシートを効率的に連続したPDFとして保存することができます。この機能を活用することで、業務の効率化や報告の手間を大きく削減することが期待できます。ぜひ上記のコードを参考にして、自身のニーズに合わせたカスタマイズを行ってみてください。