Excel VBAを使用して、Microsoft Wordの文書のバージョン履歴をPDFで保存する方法を紹介します。この方法は、Wordの文書に加えられた変更を長期間にわたって追跡する場面や、文書の各バージョンを確実に保存しておきたい場面で有効です。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。
Wordのバージョン履歴をPDFで保存する基本コード
Sub SaveWordDocVersionHistoryAsPDF()
Dim WordApp As Object
Dim WordDoc As Object
Dim vHistory As Variant
Dim i As Integer
Dim PDFPath As String
' Wordアプリケーションを開く
Set WordApp = CreateObject("Word.Application")
WordApp.Visible = False
' Word文書を開く
Set WordDoc = WordApp.Documents.Open("C:\path\to\your\word\document.docx")
' バージョン履歴をループしてPDFで保存
For i = 1 To WordDoc.Versions.Count
vHistory = WordDoc.Versions(i)
PDFPath = "C:\path\to\save\PDFs\" & "Version_" & i & ".pdf"
vHistory.SaveAs PDFPath, FileFormat:=17
Next i
' Word文書を閉じる
WordDoc.Close
WordApp.Quit
Set WordDoc = Nothing
Set WordApp = Nothing
End Sub
コードの詳細解説
– `CreateObject(“Word.Application”)`: Microsoft Wordアプリケーションを起動します。
– `WordApp.Documents.Open(…)`: 指定したパスのWord文書を開きます。
– `WordDoc.Versions.Count`: 文書のバージョン履歴の数を取得します。
– `WordDoc.Versions(i)`: 指定したインデックスのバージョン履歴を取得します。
– `vHistory.SaveAs PDFPath, FileFormat:=17`: 指定したバージョン履歴をPDF形式(FileFormat 17)で保存します。
補足事項
– このコードは、Wordのバージョン履歴が有効になっている文書でのみ動作します。
– 保存先のパスは適切に設定してください。存在しないパスを指定するとエラーが発生します。
– Wordのバージョン履歴は、特定の文書の変更履歴を確認するためのものです。この機能は、多くの企業や組織で文書の変更追跡の目的で使用されています。
応用例
1. バージョン履歴にコメントを追加する
Sub AddCommentToVersionHistory()
Dim WordDoc As Object
Set WordDoc = WordApp.Documents.Open("C:\path\to\your\word\document.docx")
WordDoc.Comments.Add Range:=WordDoc.Range, Text:="This is a comment for version history."
WordDoc.Save
End Sub
2. 特定のバージョンのみをPDFで保存する
Sub SaveSpecificVersionAsPDF(versionNumber As Integer)
' ... [前述のコードと同じ設定部分]
If versionNumber <= WordDoc.Versions.Count Then
vHistory = WordDoc.Versions(versionNumber)
PDFPath = "C:\path\to\save\PDFs\" & "Version_" & versionNumber & ".pdf"
vHistory.SaveAs PDFPath, FileFormat:=17
End If
' ... [前述のコードと同じ後処理部分]
End Sub
3. バージョン履歴を特定の日付でフィルタリングしてPDFで保存する
Sub SaveVersionsByDate(targetDate As Date)
Dim creationDate As Date
' ... [前述のコードと同じ設定部分]
For i = 1 To WordDoc.Versions.Count
creationDate = WordDoc.Versions(i).DateCreated
If creationDate = targetDate Then
vHistory = WordDoc.Versions(i)
PDFPath = "C:\path\to\save\PDFs\" & "Version_" & i & ".pdf"
vHistory.SaveAs PDFPath, FileFormat:=17
End If
Next i
' ... [前述のコードと同じ後処理部分]
End Sub
まとめ
Excel VBAを活用することで、Wordのバージョン履歴を効率的に管理し、必要に応じてPDFで保存することができます。この方法は、文書の変更内容を確認したり、過去のバージョンを参照する場面で非常に役立ちます。
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